ルーブル美術館のボッティチェリ
「三美神を伴うヴィーナスから贈り物を授かる若い婦人」
(1483-1485フレスコ)
フィレンツェの近くのヴィラレンミに1階に描かれていた作品と表示されています。
私はボッティチェリの描く女性の姿が好きです、とても優美で、ちょっとしたしぐさや動きに繊細さを感じます。
三美神とヴィーナス、その手には象徴的なものは何も持っていませんが、キューピットは若い婦人のそばに伏し目がちに控えています。
ヴィーナスは若い婦人に何かを渡しています、たぶんこの若い婦人がこの作品を発注したのでしょう。この家の完成を記念して描かれた作品かもしれません、ヴィーナスが訪れ贈り物をしている様子が象徴的に描かれていると考えます。
ヴィーナスと三美神はそれぞれ違う色そして造りの衣装を身にまとっています、一方若い婦人はワインカラーになかなかシックで落ち着いた色彩の衣装を着ています。この若い婦人だけ、この時代の衣装を身に着けています、靴をはいている所にも、ルネサンス時代の絵画の特徴が表れています。
この作品は『サモトラケのニケ』が置かれている階段の脇の部屋に展示されています。
ルーブル美術館のルネサンス期の絵画と言えばレオナルド・ダ・ヴィンチ「モナリザ」が有名ですね、パリに行った方はこの絵はもれなく見ていると思います。でも、「モナリザ」がある展示室の廊下に展示されている作品はとても素晴らしいものが多いんですよ。「モナリザ」を見終わってぞろぞろとこの絵の前を通り過ぎる群衆の多い中で、私はこの絵に見入っています。