パリは街中が美術館だ!
ティノ・ロシ庭園 野外彫刻美術館
このティノ・ロシ庭園のティノ・ロシ(1907-1983)についてです。
彼はコルシカ生まれの歌手、俳優です。彼の甘いマスクと、ヴェルベットのような歌声は、フランス人の魂を激しく揺さぶりました。
ロシは2000曲余りを録音しなんと2億枚のレコードセールスを記録したといいます。(この時代のレコードセールス2億万枚はヤバイ)
私の父親が時々ティノ・ロシをレコードで聴いていたのを覚えています。
今ではそのレコードは失われてしまいましたがのちに彼の歌声を聞いて思い出しました。
Tino Rossi - J'attendrai, 1939 (youtube.com)
その中で、私の好きなJ'attendrai, 1939 をユーチューブで発見したので張っておきます。
さて野外彫刻美術館に入ってみましょう。
この公園にはこうしたオブジェなどの立体造形がたくさん展示されています。
さて、これはと、この物体の前でしばし考えてしまいました。
これは作品なのかそれともただの立便器なのか?
というのは1917年に開催されたアンデパンダン展にデュシャンは『泉』を匿名のR.MATTというサインをして応募しました。それが陶器製の何の変哲もない立便器だったんですね。
デュシャンはその何でもない日用品にサインをして作品として応募することによって、芸術の既成概念に一石を投じたわけです。
この立体造形はどこかで見ませんでしたか?
そうです、最初の画像でダンサーが練習していた噴水広場で、踊っている二人をやさしい眼差しで見つめていたのがこのフィエゾレです。
パリの公園では、立体造形だけではなく様々なアーティストたちが様々なパフォーマンスを繰り広げています、この二人のダンスは相当の物でしたよ。
この画像はセーヌの流れを背景にして撮りました。
この様にして、この立体造形が風景の中でそれぞれの特徴を現わし、時にはその中から飛び出し、時にはその中に溶け込んでいるのを発見するのはとても楽しいものなのです。
訪問したのは2022年の10月、パリはまだ紅葉が残りバラをはじめとする花が咲き乱れていました。
この花束の中に抱かれるように佇待っているこの作品の持っている本質を中和するかの自然、こんな瞬間も訪れるんですね。