ウフィッッイ美術館 その5
★悲鳴が聞こえてきそうな アカデミア美術館 コロッソ広場
『ジャンボローニャ』『サビーニの女の掠奪』『コロッソの大広間』
最初私はこの彫刻を見たときに古代ローマの彫刻家の作だと思いました。
しかしこの作品は、『ジャンボローニャ』の作品でした。
『ジャンボローニャ』は1529年に生まれ、1608年に亡くなった、フィレンツェのマニエリズㇺの彫刻家です。
この作品のタイトルは『サビーニの女の掠奪』というものですが、この作人は彼がほかに手掛けるもっと大きな彫刻に習作だったのです、ですから当初は、この彫刻のタイトルはありませんでした。
それではこの彫刻を見てみましょう、男二人と女一人が、絡み合い、もつれ合っています、下から二人目の筋骨隆々とした男性が、攻撃者でしょう、攻められた村の男を踏みつけて、女を捕まえようとしています。
この構図はどこかで見たことがありますね、そうです、「『アポロン』に追いかけられた『ダフネ』は捕まえられると、徐々に木に姿を変えていく」、そのシーンですね。
マニエリストの彼の頭の中にはギリシャやローマのエピソードがぎっしりと詰まっていたと思います。
略奪者の男は、村の男を踏みつけながら、女の体はしっかりと捕まえています、足や背中の盛り上がった、筋肉とそれに対比する女のヒップラインの丸さが際立ちます。
この角度からは女が男から逃れようと必死にもがいていますが、男の手はしっかりと女を抑えています。
略奪される村の男は、何とか略奪者の男を捕まえようと手を伸ばそうとしますが、略奪者の男のがっちりと足で動きを止められています。
女の口からは悲鳴が聞こえてきそうな臨場感があります。
この彫刻は部屋の真ん中に置かれているので、周りをぐるぐると回りながら、細部にわたって鑑賞できます。
見ごたえがありますよ。