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2208 ブルボン

1. 会社概要・事業内容

1-1. 新潟発の菓子メーカー大手

ブルボン(2208)は、新潟県に拠点を置く菓子メーカー大手です。主力商品のビスケットだけでなく、米菓・チョコレート・キャンディなど幅広い菓子を製造・販売しています。ビスケットの売上比率が約6割と高く、同社の経営を支える重要な柱となっています。

1-2. 海外展開と多角化

中国を中心としたアジア地域でも菓子を展開しており、最近では東南アジア向けの輸出強化にも力を入れています。海外の工場を設立するのではなく、まずは輸出を通じて現地の需要を開拓し、市場シェアを伸ばす戦略を取っているのが特徴です。

1-3. 事業内訳

四季報によると、連結事業は以下のとおりです。

  • 菓子事業:96%

  • 飲料・食品ほか:4%

売上の大部分を菓子事業が占めており、米菓やチョコレート、キャンディなども着実に需要を拡大していることがわかります。


2. 業績動向と今後の見通し

2-1. 直近の業績

直近の四季報によると、主力のビスケット事業が引き続き好調なほか、チョコレートやキャンディなど菓子全般も想定を上回る伸びを見せています。さらに、昨今の原材料価格上昇に対応するため、価格改定(値上げ)を行ったことが収益を下支えする形となりました。

原料価格の上昇局面にあるカカオ豆の高騰などを上手く乗り切り、四季報の前号予想を上回る営業利益を達成。最高純利益を更新するとの見込みです。また、こうした好調な業績を反映して、記念配(記念配当)の実施も予定されています。

2-2. 中長期の展望

2026年3月期に向けても、ビスケットを軸とした菓子事業は高水準を維持する見込みです。
また、AI・IoT を活用した生産効率の向上施策は来期以降も継続して取り組まれる予定。これにより生産ラインの省人化やコスト削減を進め、さらなる利益率の向上が期待できます。

海外戦略では、東南アジアへの輸出を強化しており、同地域でのシェア拡大を狙います。今後も海外売上の拡大余地が大きいと考えられ、国内の成熟市場に頼らない収益構造を目指す点がポイントです。


3. 株価予想・投資ポイント

3-1. 株価の短期的な見通し

  • 材料視されるポイント

    • 最高純益更新の見込み

    • 記念配などの株主還元策

    • 原料コストの上昇リスクの緩和

菓子業界全体が好調に推移しているうえ、ブルボンは主力ビスケットを中心に比較的安定的な販売を維持できるビジネスモデルが強みです。短期的には、決算発表での好業績や配当政策が株価上昇の支援材料になる可能性があります。

一方で、カカオ豆や小麦粉などの原料高、物流費の上昇など不透明要素もあるため、外部要因が重なれば一時的な株価調整が起こる可能性は否定できません。そのため、決算や市況のチェックは継続的に行う必要がありそうです。

3-2. 中長期の投資ポイント

  • 海外展開による成長余地
    東南アジアなど新興国での菓子需要は今後も底堅いと予想されます。日本品質のビスケットやキャンディ類への評価が高い地域を中心に、輸出を強化していくことでさらなる成長を目指しています。

  • 生産性向上とAI・IoTの活用
    今後も生産ラインの省力化・自動化が進めば、コスト改善効果が大きく出る可能性があります。こうした取り組みは国内工場だけではなく、将来的に海外展開にも波及していくと考えられます。

  • 安定的なビスケット需要
    ブルボンのビスケットは、独自のブランド力を持っています。消費者の間では、日常的なおやつ・軽食としての需要が根強く、景気に左右されにくい「安定収益源」としての役割を果たしています。


4. まとめ

  • ビスケットやチョコレートなど主力商品が引き続き堅調

  • 原料高を価格改定でしっかり対処し、最高純益更新見込み

  • 海外展開(東南アジアなど)の強化で中長期的な成長に期待

  • AI・IoT 活用による生産効率向上でコスト削減、利益率アップを狙う

総じて、国内のビスケット需要が安定しているうえに、海外への輸出強化で新興市場の成長余地も見込めるため、ブルボンは中長期的に着実な成長を狙える銘柄と考えられます。

ただし、カカオ豆や小麦粉など主要原材料の価格動向、為替の変動、物流費の高騰などリスク要因も考慮する必要があります。。。

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