2024なでしこリーグ1部第9節・2部10節レビュー
今節の試合結果
試合レビュー
日体大SMG横浜 VS 静岡SSUボニータ
上位へ食らいつくためにもう負けられない日体大がホームに静岡を迎えた。試合は主導権を握ったのはアウェイのボニータ。7分、前線がハイプレスをかけボールを奪うと土屋がシュート。このシュートはポストに当たるも跳ね返りを山本が決めてボニータが先制する。前からの圧力でチャンスを演出したボニータは35分にもプレスからパスミスを誘発させ最後は金丸が決めて追加点。日体大は同じミスから失点を重ねてしまった。さらに45分には梅津のCKを塩澤が頭で合わせて3点目。前半で一気大量リードを作る。後半に巻き返しを図りたい日体大だったが立ち上がり早々の48分、左サイドを抜け出した土屋でドリブルで運び自らシュート。これが決まって4-0。73分にはまたしても梅津のCKから塩澤が合わせて5点目。大量リードを奪ったボニータ、対する日体大も75分に浅香のゴールで1点を返すものの反撃はここまで。前からのプレスが効いたボニータが日体大を5-1で破り2連勝を飾った。
スペランツァ大阪 VS 伊賀FCくノ一三重
勝ち切る力が欲しいスペランツァ、今季不調の伊賀をホームに迎えての一戦は前半伊賀のペースで進む。キャプテンの常田を中心にスペランツァゴールに襲い掛かるシーンを作ると37分、左サイドを抜け出した村上のクロスに正野が落ち着いて収めてからシュート。これがネットを揺らし伊賀が欲しかった先制点を獲得する。それでも前半を1失点で耐えたスペランツァはハーフタイムに木龍を下げるなどメンバーを替える。しかし後半最初のチャンスも伊賀。56分、敵陣の深いところのスローインの流れから相手のクリアミスもあり最後は西川が決めて追加点。リードを広げた伊賀だったが直後の58分、櫻田のロングボールが裏まで抜けると走りこんだ南山が冷静に決めてスペランツァが1点を返す。ここから反撃したいスペランツァは谷本、平岩を投入し流れを引き寄せるが伊賀もしっかりと守備の安定を図った交代で対策を練る。その後は両チームチャンスはあったものの決めきるところまではいかずに試合終了。今季苦しんでいる伊賀がスペランツァを2-1で破り7試合ぶりの勝利を手にした。
愛媛FCレディース VS ASハリマアルビオン
下位に沈む両チームの直接対決。残留争いに入らないためにも勝点3が欲しい中での試合は前半は締まった試合展開で両チーム少ないチャンスを演出する形となった。それでもハリマは徐々にボールを支配する時間を増やしていき、キャプテンの千葉を起点にする。しかし愛媛もしっかりと対策しており千葉を自由にさせない。前半は両チーム得点が生まれず後半に入ると53分、愛媛がペナルティエリア内のファールでPKを獲得するとキッカー松岡のキックはハリマGK小暮が読んでいたものの弾くことができず愛媛が均衡を破る。このまま勢いが出てきた愛媛が攻める時間が増えると66分、右サイドの深い位置から田子がクロスを上げると桜井が合わせて追加点。リードを2点に広げた愛媛。劣勢のハリマは70分に小島と川又を、82分には村田を入れてスタミナのある選手で勝負を仕掛けるも愛媛のDF陣は最後まで集中した守りを見せて得点を許さない。そして最後まで守り切った愛媛は2-0でハリマとの下位対決を制し今季2勝目。対するハリマは1勝8敗と苦しい状況が続いている。
オルカ鴨川FC VS ニッパツ横浜FCシーガルズ
優勝をするのに絶対に倒しておかなければならない両チームの試合。前半から両チーム堅い展開に。なかなか互いに攻略の糸口を見つけられない前半はセットプレーからニッパツが数回チャンスを作ったのみで決定機はなく。オルカは前半シュート0、ニッパツもシュート3本とロースコアゲームの模様を呈する。前半スコアレスで迎えた後半はFWをともに交代させて入るものの試合の動きは変わらず。互いに中盤でのボールの奪い合いが続くなかニッパツは小須田、南條を投入。ホームのオルカも並木、谷口などを投入するも状況に変えることはできず。試合終盤にはオルカが押し込む時間を作ったものの互いに決定機を活かすことはできずに時間だけが過ぎていく。結局最後までどちらも相手の守備を攻略することが出来ずに試合終了。負けられない状況もあったことで守備的になった両チームの一戦はスコアレスドローに終わった。
バニーズ群馬FCホワイトスター VS ヴィアマテラス宮崎
残留へなんとしても勝利が欲しいバニーズが全勝のヴィアマを迎えての一戦。この試合先制したのはホームのバニーズ。押し込まれる展開が続いた中での18分、後藤が裏へボールを送ると追いついた山口からパスを受けた塩谷が決めてリードを掴んだバニーズ。珍しく追いかける展開となったヴィアマだったが慌てることなくチャンスを作ると30分、松田のアーリークロスから相手のクリアボールを処理した齊藤がしっかりと決めて同点に追いつく。このまま一気にヴィアマの流れに。36分には今蔵と齊藤のパス交換から最後は福丸が決めて逆転したヴィアマ。前半をこのまま2-1でリードして折り返す。後半巻き返しを図りたいバニーズは53分、GK松本のロングキックが相手DFラインの裏へ抜けると走りこんだ塩谷がしっかりとゴールを決めてバニーズが同点に追いつく。少ないチャンスを決めきるバニーズだったがここからギアを上げたヴィアマは58分、嘉数のFKの流れから最後は永野が決めて勝ち越しに成功すると74分には相手のパスミスから寺田が決めて4-2。このミスが致命的となってしまったバニーズは80分、86分と立て続けに松井にゴールを許し終わってみれば6-2。チームとして勝者のメンタリティーを持っているヴィアマが落ち着いて力を出し切り快勝。バニーズとしては2得点しただけに悔しい敗戦となってしまった。
スフィーダ世田谷FC VS 朝日インテックラブリッジ名古屋
調子を取り戻してきたスフィーダが2位の名古屋を迎えての一戦。前半は両チーム重い立ち上がりだったが24分、江﨑のシュートのこぼれ球を三浦が押し込んで名古屋が先制するとホームのスフィーダも38分、新堀のラストパスを受けた福永のゴールで同点にする。前半は1-1で折り返した両チーム、後半は点の取り合いになる。53分、またしても江﨑のシュートのこぼれ球を今度は市原が決めて勝ち越しに成功すると60分には安部のクロスを新城が合わせて追加点。2点差にされたスフィーダも77分に堀江のゴールで点差を縮めるが、直後の78分に仁木にゴールを許し4-2。それでも諦めないスフィーダは後半アディショナルタイムに柏原のクロスに堀江が合わせて3-4。同点の可能性をつなげるも2分後には渕上にゴールを許して力尽きる。両チーム合計8得点と打ち合いを制したのはアウェイの名古屋。5-3でスフィーダを破り2位をキープ。一方のスフィーダは今季最多の3得点だったのの勝利はできず。これで3試合勝ちなしとなった。
ディオッサ出雲FC VS 吉備国際大学Charme岡山高梁
中国地方に拠点を構える両チームの一戦。前半立ち上がりから仕掛けたディオッサは7分、柳瀬のゴールで先制点を獲得する。しかし、良い立ち上がりだったディオッサだが、徐々に吉備国大が押し込む時間が増え始める。それでもエリア内には侵入させず決定機はほとんど作らせないディオッサ。前半をこのまま1-0でディオッサがリードすると、ハーフタイムに吉備国大は2枚替えを行い変化をつける。後半に入っても受ける展開が続くディオッサに対してサイドからの攻撃を仕掛ける吉備国大はターゲットが定まらずもどかしい展開が続く。69分、79分と交代カードを切って何とか1点を取ろうとするものの体を張ってディオッサの守備が目立ちゴールは遠く。結局最後までゴールを許さなかったディオッサが1-0で勝利を手にした。
ディアヴォロッソ広島 VS ヴィアティン三重レディース
下位との差を広げつつある両チームの直接対決。試合はキックオフ早々に動く。1分、髙田のゴールで三重が電光石火の先制に成功する。早くも追いかける展開となってしまったディアヴォロッソはFWの木須にボールを集める。それでも三重の厚い守りを簡単に打ち崩すことはできずに前半は三重が1点リードで折り返す。ハーフタイムに大西、栂の2人を投入したディアヴォロッソは猛攻を仕掛け押し込む時間を作る。大西を中心に再三三重ゴールに襲いかかるがGK切畑をはじめDF陣が集中した粘り強い守備をみせて得点が奪えず。11本のシュートも得点は0に終わり試合終了。開始早々のゴールが決勝点となったこの試合は三重がアウェイでディアヴォロッソを1-0で破った。
福岡J・アンクラス VS SEISA OSA レイア湘南FC
勝利が遠いアンクラスと勝点を順調に積み重ねている湘南の一戦。前半は両チーム堅い試合展開となる。前半主導権を握るのはアウェイの湘南。しかしゴール前まで迫る回数は多くなく攻撃の迫力不足が見える。対するアンクラスも守備に比重があり前への圧力が出せず両チーム我慢比べが続く。前半はスコアが動くことはなく0-0で後半へ折り返すと63分、アンクラスは一気に3枚の交代を使って勝負に出る。対する湘南も69分に2枚替えを行い対抗すると結果が出たのは77分、鈴木の今季9ゴール目が決まり湘南が均衡を破ると83分には松崎のゴールで追加点。勝利を一気に手繰り寄せると最後は交代を交えながら上手く時計の針を進めて勝負アリ。終盤に2点を奪った湘南がアンクラスに辛勝となった。
JFAアカデミー福島 VS 大和シルフィード
2位につける福島のホームに連勝中のシルフィードが乗り込んでの試合。試合の立ち上がりを制したのはホームの福島。10分、チームの得点源である板村のゴールで先制点を奪う。リードを許したシルフィードだが慌てることなく福島ゴールを狙う。23分、シルフィードは中山のゴールで試合を振り出しに戻すとその後は両チーム主導権が目まぐるしく変わる。前半は1-1の同点でハーフタイムに入る。交代なしで入った後半も最初にチャンスを活かしきったのは福島。60分、板村の今日2ゴール目が決まり福島が勝ち越しに成功する。またしてもリードされたシルフィードは68分に平國、浜田を投入し前への圧力を高めるもののゴールは決められず。2度目のリードはしっかりと守り切った福島が2-1で好調のシルフィードを破った。
岡山湯郷Belle VS FC今治レディース
首位で前半戦を終えたい湯郷と初勝利が欲しい今治の一戦。試合のペースはホームの湯郷。10分、栫井のゴールで先制した湯郷だったが今治も気迫を見せる。28分、首藤ゴールで同点に追いつく。しかし湯郷は追いつかれても慌てることなく攻め立てると37分に岸野のゴールで勝ち越す。さらに41分には横山にもゴールが生まれ前半を3-1とリードして後半に折り返す。後半に入っても勢いの衰えない湯郷は57分に横山が今日2ゴール目を決めると63分に坂本、78分には谷口のゴールで大量リードを奪う。極めつけは80分に横山がハットトリックを達成してチームの7点目を決める。湯郷の圧倒的な攻撃力に対して手が出なかった今治。初対戦となる今回は大きな力の差を見せつけられた。
FCふじざくら山梨 VS つくばFCレディース
上位につけている山梨が昇格へ向けて勝っておきたい一戦。山梨は前半から試合の主導権を握る。つくばに対して攻撃をほとんどさせず主導権を握る時間が多い山梨。それでも前半はつくばのDFの前に決定機を決めきることができず迎えた44分。山本のゴールで遂に山梨がつくばの牙城を崩すことに成功する。このままリードして前半を終えた山梨は後半に入ると辻野、脇田を投入し攻撃が迫力を増す。64分には、その交代で入った脇田のゴールで追加点を奪った山梨。一方のつくばもCKからチャンスを作るも得点には至らず、試合を通してシュートは2本と攻撃を完全に封じこまれてしまった。ホームの山梨は後半だけで15本のシュートを放ったものの得点は1点に留まり。結局2-0で勝利した山梨、それでも決定力の向上という課題がみられた。
今節のMVP
塩谷 瑠南(バニーズ群馬FCホワイトスター)
2ゴールの活躍で首位のヴィアマを追い詰めた。試合には勝利できなかったものの個人としては大きな収穫があったと思われる。
横山 久美(ディアヴォロッソ広島)
ハットトリックの活躍で勝利に貢献。チームも前半戦を首位で折り返すことができた。
得点ランキング
1部では西川が1ゴールを追加し5ゴールで2位タイになった。
2部では横山がハットトリックで首位の18ゴール。2位に板村が11ゴールで追う展開となっている。
アシストランキング
齊藤が1アシストを追加し単独トップの4アシストになった。
JWCRランキング
今節の結果、13位から26位まで広い範囲で変動があった。
順位表
1部はヴィアマと名古屋の優勝争いが続く。
2部では湯郷が首位を走り昇格が近づく。
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