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2023なでしこリーグ1部第3節・2部第1節レビュー

今節の対戦カード


試合レビュー

朝日インテックラブリッジ名古屋 VS 愛媛FCレディース

1勝1分勝点4の名古屋と1分1敗の愛媛の一戦。愛媛のキックオフで始まると開始15秒、ロングボールを蹴った愛媛が前線からプレスをかけ田子がボールを奪うと積極的にシュートを放つ。18分、名古屋は髙島のクロスを市原が合わせるもGK正面。29分には平尾の絶妙なアーリークロスが送られるも中には惜しくも合わない。38分には市原からのボールを受けた神谷がGKの位置を確認してロングシュートを放つが枠の左。前半は名古屋のペースで進む。後半に入ると愛媛の反撃。56分、小島がペナルティエリア内でボールを受けると反転してからのシュートを放つがボールはポスト直撃。その後も愛媛の怒涛の攻撃を受ける展開となった後半。久保田は途中出場ながら3本のシュートを打つがゴールは決まらず。見ごたえのある試合はスコアレスドローで
終わった。


日体大SMG横浜 VS 静岡SSUボニータ

1勝1分で白星先行の日体大と今季まだ勝利のない静岡の一戦。試合は開始早々に動く。9分、日体大は前線からプレスをかけて奪うと、左サイドでパスを受けた窓岩が遠目からシュートを放つとボールはネットに吸い込まれ日体大が先制する。早い時間にリードされた静岡は27分、渡辺のFKでボールがゴール前に供給されると混戦のなか山田が押し込み同点に追いつく。その後スコアは動かず後半に入ると62分、高原がペナルティエリア内で倒され日体大がPKを獲得する。キッカーとなった高原は落ち着いて決め日体大が勝ち越す。またしてもリードを奪われた静岡は69分、相手のミスからボールを奪うと日野が左サイドを走る渡辺に供給。受けた渡辺のシュートはGKが触るもゴールラインを割り静岡が追いつく。そして追いついた静岡は83分、FKのチャンスを得ると渡辺のキックはバーに当たりこぼれ球を塩澤が押し込んで遂に逆転に成功する。その後は見事に逃げ切った静岡が逆転勝ちで今季初勝利を決めた。


大和シルフィード VS スペランツァ大阪

連敗で未だ勝点0のチーム同士の一戦。なんとしても勝点3が欲しい両者。前半から両チームともチャンスを多く作る。まだ今季ゴールのないシルフィードはエース濱本を中心に大阪ゴールを狙う、対する大阪も前線から多くの選手が積極的にシュートを放ち前半で8本のシュートを記録する。試合は動かないまま迎えた52分、須恵が右サイドでボールをキープすると中にいた中山にパスを送る。受けた中山がシュートを放つと相手DFに当たったボールはコースがかわりネットを揺らす。シルフィードがオウンゴールという形で先制する。これで勢いがついたシルフィードは65分、須恵が右サイドを駆け上がると左足で放ったシュートは綺麗な弧を描きネットに吸い込まれる。2点差となった大阪の反撃は70分、小熊のクロスを宮地がヘディングで反らし深澤が押し込んで1点を返す。このまま追いつきたい大阪だったが78分、松浦のゴールでシルフィード引き離す。84分にはPKを獲得した大阪は増田のゴールで1点差に再度迫るがタイムアップ。3-2で逃げ切ったシルフィードが今季初勝利を飾った。

伊賀FCくノ一三重 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

開幕3連勝を狙う伊賀と2勝目を狙うニッパツの一戦。試合は開始早々の5分、室井が小須田とのワンツーから抜け出すと中に走りこんでいた蔵田にパス。蔵田はこれを落ち着いて決めてニッパツが早くも得点を奪う。立ち上がりに1発食らった伊賀だったがその後は落ち着きを取り戻し徐々に試合を握る展開を作るがニッパツの守備の前になかなかゴールが奪えない。前半を0-1で折り返した伊賀は61分、宮迫のパスがゴール前まで抜けると走りこんでいた小川が合わせ伊賀が同点に追いつく。逆転を目指す伊賀だったが79分、ニッパツは相手ゴールキックを跳ね返すと流れたボールは裏に抜けた片山の元へ。片山は前に飛び出していたGKの位置を確認し放ったループシュートが決まりニッパツが勝ち越す。リードしたニッパツはこれを守り抜き勝利。敗れた伊賀は今季初黒星となった。


ASハリマアルビオン VS バニーズ群馬FCホワイトスター

ホームで勝利を狙うハリマと今季初勝利をあげたいバニーズの一戦。36分、中野が中に放りこむと千葉が胸トラップからトリックパス。受けた内田がこれを決めてハリマが先制する。後半に入るとハリマのチャンスシーンはさらに増え51分、中盤で内田が受けると右サイドにスルーパス。これを走りこんだ山岸が流し込みハリマが追加点。2点リードされたバニーズは直後の56分、敵陣深くのスローインから大矢がキープし塩谷に落とすと、積極的に放ったシュートが決まりバニーズが1点を返す。追いつきたいバニーズだったが76分のハリマ、中野が中盤から裏にロングパスを供給すると走りこんだ内田が飛び出してきたGKの上を通すシュートが決まり3-1。そのまま試合は終了し内田の活躍もあったハリマが3-1で勝利した。


スフィーダ世田谷FC VS オルカ鴨川FC

今季無敗同士の優勝を目標とする両チームの一戦。前半はスフィーダペース。22分、左サイドで粘った倉富のクロスをニアで樫本が触りそのままボールはゴールへ。スフィーダが先制すると、そのまま28分には新堀がクロスをトラップして放ったシュートが決まり追加点。2点奪ったスフィーダが最高の形で前半を終える。しかし後半に入るとペースは一転してオルカへ。54分、CKを松尾が頭で合わせ1点を返すと73分にはゴールキックの流れから関口のクロスを鈴木が頭で合わせ同点に追いつく。勢いのとまらないオルカは80分、またしてもCKの流れからこぼれ球を山幡が押し込み2点差をひっくり返す。なんとか追いつきたいスフィーダだったが勢いに乗ったオルカを止めることはできずそのまま試合終了。セットプレーを制したオルカが逆転勝利をおさめた。


つくばFCレディース VS ノルディーア北海道

つくばのホームで行われた開幕戦。ノルディーアはベンチメンバー2人、GKがフィールドでプレーするという苦しいチーム事情。試合はつくばペース。内野が3本のシュートを放つなどチーム全体で7本のシュートを打ち多くのチャンスを作る。対するノルディーアは森が1本放ったのみと押し込まれる展開が続く。そして迎えた後半55分、左サイドを攻略したつくばは前半から何度もシュートを放っていた内野のシュートが決まり先制。その後も攻撃の手を緩めず前後半で19本のシュートを放ち圧倒したつくば。ノルディーアもチャンスを作るがシュートまで持ち込めない。試合はこのまま終了し1-0でつくばが開幕戦勝利で飾った。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS 岡山湯郷Belle

岡山ダービーとなった開幕戦。対戦成績では湯郷が大きくリードしているため一矢報いたい吉備国大。どのポジションからでも積極的にシュートを放っていくと23分古谷のゴールが決まった先制に成功する。対する湯郷は今年加入した期待の横山が気を吐き3本のシュートを放つもゴールは遠い。後半に入って湯郷のチャンスシーンも増えていくと53分、再三チャンスを演出していた横山のゴールが決まり1-1の同点に追いつく。その後は乱打戦となるもののスコアは動かず岡山ダービーは1-1のドローとなった。


ディアヴォロッソ広島 VS ヴィアティン三重レディース

昨季の成績が対照的となってしまった両チーム。ディアヴォロッソとしてはオフの大量退団により実質新チームの状態となっている。試合は戦術浸透が進んでいる三重ペース。FW山口を起点としてディアヴォロッソゴールを脅かしていく。前半でCK4本とチャンスを作るが1点が遠い三重。後半に入っても攻撃の手は緩まないがディアヴォロッソの体を張った守備の前に時間だけが過ぎていく。選手交代をしながら活路を見出したい三重だが交代枠を1枚も使わないディアヴォロッソの集中した選手たちからゴールは奪えず。逆にディアヴォロッソは攻撃らしい攻撃をほとんど作れず時間切れ。試合は進めていたのは三重だったが結果はスコアレスドローに終わった。


福岡J・アンクラス VS ヴィアマテラス宮崎

九州ダービーで開幕となった今年のなでしこリーグ2部。ヴィアマとしては初のなでしこリーグとなる。試合はヴィアマペース。前半17分、齊藤のゴールで先制するとその後もアンクラスゴールを脅かし続け前半だけで10本のシュート。対するアンクラスは防戦一方でシュートはわずか1に留まる。後半に入りギアを上げたヴィアマは立ち上がりの48分に齊藤、50分に福丸が立て続けにゴールを決め点差を広げると、60分にはまたしても齊藤が決めハットトリック達成。勢いが止まらないヴィアマは64分に齊藤が今日4点目を決め、80分には坂田が初ゴールを決めて6-0。終始試合を制したヴィアマが開幕戦を大勝で飾った。


JFAアカデミー福島 VS FCふじざくら山梨

昨年度2位の福島に挑む新規参入のふじざくらの一戦。試合は福島ペースで進む。新世代になって最初のなでしこリーグだが臆することなく攻める福島は18分に板村がゴールを決め先制するとその後も山梨ゴールを脅かす。対する山梨は辻野を中心に攻めたいところだがチャンスが少ない。後半に入ると板村が今日2点目のゴールで山梨を突き放す。なんとか点を決めたい山梨は終盤の85分に辻野のゴールで1点を返すが直後の89分に板村のハットトリックによりまた突き放される。試合はそのまま終了し板村の活躍が目立った試合は3-1で福島が勝利した。


今節のMVP

内田 美鈴(ASハリマアルビオン)

2ゴールの活躍でチームの勝利に貢献。チームも勝点7で2位につける。

齊藤 夕眞(ヴィアマテラス宮崎)

チームのなでしこリーグ初試合で4ゴールの大暴れ。チームも6-0で快勝し最高の開幕戦となった。


得点ランキング

内田が2ゴール、小川が1ゴールで通算4ゴールになり揃ってトップ。追うのが3ゴールで平田。

2部では齊藤が4ゴールの活躍で単独トップ。板村もハットトリックを達成し3ゴールで2位に。


アシストランキング

2アシストで千葉、鈴木、柏原、村上、水野の5名が並ぶ。


JWCRランキング

今節の結果によりなでしこリーグではつくば、湯郷が2ランクアップ。伊賀が2ランク、ノルディーアが3ランクダウンとなった。


順位表

1部ではオルカが3連勝で首位。大阪は3連敗スタートとなった。

2部では大勝したヴィアマが首位発進。同じく新規参入の山梨は黒星スタート。

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