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2024なでしこリーグ1部第8節・2部9節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

ニッパツ横浜FCシーガルズ VS スフィーダ世田谷FC

4連勝中のニッパツがホームにスフィーダを迎えての一戦。30℃を超える暑い中で行われた一戦は両チームゆっくりとした立ち上がりに。それでも前半チャンスを多く作ったのはアウェイのスフィーダ。新堀を中心にニッパツゴールに迫るがDF陣の体を張った守備が光る。前半は両チームチャンスを決めきることが出来ずにスコアレスで後半に折り返すと、ともに1枚の交代を使用して迎えた後半。中盤での主導権の握り合いとなる。それでも両チーム得点を狙いに交代カードを切りながら勝負を仕掛けるものの試合終盤は疲労も見え始めミスが散見。ともに決定機を決め切る事が出来なかった後半は両チームともネットを揺らすことが出来ず。結局このまま試合は終了しスコアレスドローに終わった。ともにリーグ戦無敗記録は伸ばしたものの首位ヴィアマとの勝点差は開いてしまった。


ヴィアマテラス宮崎 VS ASハリマアルビオン

皇后杯で一度対戦のある両チーム。その時は3-3の結果だったが今回の対戦では決着がつくか。試合の流れはホームのヴィアマ。圧倒的なポゼッションでボールを支配しチャンスを作るもハリマの粘り強いDFの前に得点が奪えない。前半は0-0とヴィアマにとっては上手くいかないものであった。それでもハーフタイムに板倉、今蔵を投入したヴィアマはより攻撃に迫力が出る。62分、嘉数が左へサイドチェンジをすると板倉のクロスに齊藤が頭で合わせてヴィアマが遂にリードを奪う。その後も押し込むヴィアマは82分にPKを獲得するとキッカーの嘉数がこれを落ち着いて決めて追加点。一気に勝利を手繰り寄せる。一方のハリマは前半シュート0で終わった攻撃陣が一矢報いたいものの後半もシュートを打たせてもらえず試合を通してシュート0と完全に封じ込まれてしまった。終盤の強さを見せたヴィアマが2-0でハリマを破り開幕8連勝。これで地域リーグ時代から続くリーグ戦無敗記録を50に伸ばした。


オルカ鴨川FC VS 愛媛FCレディース

ホームで連勝中のオルカが現在3連敗中の愛媛を迎えての一戦。試合は立ち上がり早々の7分、高村のサイドチェンジのボールをキープした浦部が自らドリブルでも持ち込みロングシュート。これがネットに突き刺さりオルカが幸先良く先制に成功する。相手のゴラッソによりリードを許した愛媛だったが次第にチャンスを作り始めると39分、松岡のパスを受けた俣野が仕掛けてシュート。強烈なシュートが決まって愛媛が同点に追いつく。前半はともにミドルシュートが決まり1-1で後半に折り返すとアウェイの愛媛が押し込む展開に。途中出場の小島、田子と積極的にゴールを脅かすものの決めきることが出来ない。後半は防戦の時間が続くオルカはなかなか交代に動くこともできず苦しい状況に。それでも最後の部分では相手に自由にさせずなんとかタイムアップ。守り切ったオルカが1-1の引き分けとなった。終始攻めていた愛媛としては痛い引き分けとなった。


静岡SSUボニータ VS バニーズ群馬FCホワイトスター

今季まだホームでの勝利がないボニータが今季初の勝点3を狙うバニーズを迎えての一戦。先制したのはホームのボニータ。19分、渡辺のCKを白井が頭で合わせてリードを奪う。さらにボニータは前線の3枚を中心に追加点を狙うも耐えるバニーズ。前半は何とか最少失点に抑えたバニーズだったが攻撃に転じることはできず。ハーフタイムに2枚替えを行ったボニータが後半も主導権を握る。63分、中盤でボールを握ったボニータは白井のスルーパスに反応した土屋がしっかりと決めてリードを2点に広げる。追いつきたいバニーズだったがベンチメンバーを5人と苦しい状況。選手交代を最後まで1枚しか使うことが出来ずに試合終了。ホームのボニータがバニーズを2-0で破りホーム初勝利。敗れたバニーズは開幕から8試合勝利なしとなってしまった。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS 伊賀FCくノ一三重

優勝を射程圏内に捉えている名古屋が調子が上がらず徐々に順位が下がってしまっている伊賀を迎えての一戦。前半の主導権はホームの名古屋。どの選手をチャンスと見たら積極的にシュートを放つなどゴールへ意識が強い。対する伊賀は受け身に回る時間が長くチャンスが作れずにいると45分、サイドチェンジからチャンスを作った名古屋は髙島の浮き球にキープした三浦がシュート。これは伊賀GK後藤が弾くことが出来ず名古屋が先制する。前半を1点ビハインドで折り返すこととなった伊賀はハーフタイムに平田と篠原を投入し勝負に出る。この交代が功を奏したが伊賀が押し込む時間も見られるこの一戦。それでも強かな名古屋は交代カードをしっかりと使いながら時計の針を進める。アディショナルタイムに入って決定機を迎えた伊賀だったが最後まで名古屋ゴールを割ることが出来ずに試合終了。1-0で名古屋に競り勝った。


スペランツァ大阪 VS 日体大SMG横浜

ホーム連勝を狙うスペランツァが日体大をホームに迎えての一戦。最初のチャンスは29分、相手のパスミスからチャンスを作ったスペランツァは南山のスルーパスに走りこんだ木龍が相手DFを交わしてシュート。このコントロールシュートが決まってスペランツァが先制点を奪う。前半をこの1点でリードして折り返したスペランツァに対してなかなかチャンスが作れなかった日体大はハーフタイムに大矢と岡本を投入。しかし、後半も最初のチャンスはホームのスペランツァ。54分、木龍のCKに谷口が頭で合わせて追加点。しかしここで諦めない日体大は65分、相手のパスミスからチャンスを掴むと窓岩のグラウンダーのパスに篠田がダイレクトで打ち込んでリードを1点に迫る。このまま追いつきたい日体大は73分、86分と交代カードを切ると後半アディショナルタイム、左サイドでボールを持った渡部のグラウンダーのボールに浅香が先に触りボールはゴールの中へ転がる。この劇的ゴールによって2点差を追いついた日体大。なんとか勝点1をもぎ取り3連敗を回避した。一方のスペランツァはまたしてもラストプレーに泣く形となった。


大和シルフィード VS ヴィアティン三重レディース

前節久しぶりに勝利を手にしたシルフィードと堅い守備に定評のある三重の一戦。最初のゴールはホームのシルフィード。6分、濱本のゴールでシルフィードが良い時間帯に先制する。さらに26分には松浦のシュートも決まって2-0。試合を一気に有利に進める。5試合ぶりの複数失点となった三重は後半に入り少しずつゴールに迫る時間帯も見られたものの最後の部分で決めきることが出来ず。81分には黒澤にダメ押しゴールを奪われ万事休す。シルフィードの勢いを止めることが出来なかった三重は3-0で完敗となった。勝利したシルフィードは浜田の現役復帰の効果もありチーム状況は上向きになっている。


つくばFCレディース VS ディオッサ出雲FC

粘り強い試合で2連勝中のつくばに対してディオッサは初対戦。先制パンチを繰り出したのはアウェイのディオッサ。7分、岩下のゴールでリードを作ると、32分には友近のゴールで追加点。前半からつくばを圧倒したディオッサ。41分には柳瀬のゴールで3点目。前半で試合を大きく決定づけた。一方のつくばはホームで無様な姿は見せられない。67分、78分と選手交代でフレッシュな選手を投入したが状況は改善せず。逆に最後まで戦い抜いたディオッサが3-0でつくばを破りアウェイ2連勝を達成した。一方、やぶれたつくばは3連勝とはならず。DF面での工夫が必要なのかもしてない。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS FC今治レディース

3連敗中の吉備国大は今季まだ勝利を手にしていない今治と初対戦。前半は両チームチャンスを多く作り見ごたえのある展開に。吉備国大が3トップに注目が集まる一方今治は首藤にボールを集める。そんな中でアクシデントは25分、今治はGKの藤田が負傷により交代を余儀なくされる。それでも交代で入った田中の好守もあり両チーム合わせて18本のシュートがあったが無得点。ハーフタイムに2枚替えを行っている吉備国大は後半も勢いを持って攻め続ける。岩田、古谷と交代で入った選手が躍動するシーンが目立つものの今治はしっかりと吉備国大の攻撃を耐えきる。タイムアップの笛まで耐え抜いた今治が0-0で試合を終了し勝点1を確実に持ち帰った。一方の吉備国大はホームで攻め込む時間が続いたものの得点が遠く辛い引き分けとなってしまった。


ディアヴォロッソ広島 VS FCふじざくら山梨

連敗でまたしても下降気味のディアヴォロッソはなかなか勢いの衰えない昇格を目指す山梨を迎えての一戦。この試合は中盤でのボールの奪い合いが目立つ。ディアヴォロッソはボランチを中心にサイドが高い位置を取って攻撃を展開するのに対して山梨は早い攻撃でディアヴォロッソゴールに迫る。両チーム異なった攻撃スタイルの中で迎えた41分に山根のなでしこリーグ今季初ゴールが決まってリードを奪ったディアヴォロッソ。後半に入っても試合の流れは大きく変わらず。追いつきたい山梨は56分、66分と早い段階で交代カードを使って勝負に出るもののスコアを動かすことができず。ディアヴォロッソは75分、87分と上手く時間を使いながら選手交代を行い逃げ切りを図る。最後まで攻める姿勢を見せた山梨だったがディアヴォロッソの集中した守りの前に無得点。1-0で勝利したディアヴォロッソは勝点を8に伸ばした。対する山梨は昇格に向けて痛い敗戦となってしまった。


福岡J・アンクラス VS JFAアカデミー福島

勝点5と下位に沈んでいるアンクラス。それでもホーム連勝に向けて優勝候補の福島を迎えての一戦は開始早々の2分に柳田のゴールでアンクラスが先制に成功する。立ち上がりにやられてしまった福島は普段の様な攻撃的なサッカーがなかなか行えず苦戦。厳しいメンバー事情もある中でも果敢に攻めると前半終了間際の45分、長縄のゴールで同点に追いつく。なんとか前半のうちに追いついた福島は後半立ち上がり早々の50分に板村のゴールで一気に逆転に成功。アンクラスは立ち上がりを突かれてしまい試合をひっくり返されてしまった。リードを奪った福島は落ち着いた試合展開を見せると、リスクを背負って前がかりになるアンクラスの背後を狙う。そして試合終盤の90分、高橋のダメ押しゴールで3点目を奪った福島。持ち前の強さで逆転勝利し首位湯郷を猛追する。一方のアンクラスは先制したもののその後は相手にペースを握られ敗戦。なかなか下位から脱出できない。


SEISA OSA レイア湘南FC VS 岡山湯郷Belle

首位の湯郷相手にどこまで通用するのか。湘南がホームに迎えての初対戦。前半からチャンスを多く作ったのは湯郷だったものの先制したのはホームの湘南。34分、成長株の鈴木のゴールでスコアを動かすと。さらに39分には国吉のゴールでリードを2点に広げた湘南。前半は最高の形で終える。このままでは終われない湯郷は後半開始直後の47分、内田のゴールで点差を1点に縮めると、52分には山下のゴールで試合を振り出しに戻す。連続失点で浮足立つ湘南に対して攻め込む湯郷は55分に横山のゴールで試合をひっくり返す。わずか8分で3点を奪った湯郷。一方の湘南は経験の少なさを突かれてしまい形成は逆転。一転して追いかける展開となった湘南は遠藤、黒古を投入するも3点目を奪うことはできずにタイムアップ。経験値の差を活かした湯郷がしっかりと勝負所を見定めて3-2で勝利。これで今季8勝目。勝点も25に伸ばした。


今節のMVP

白井 未来(静岡SSUボニータ)

1ゴール1アシストの活躍でチームの勝利に貢献。残留へ向けて大きな1勝を手にした。

山根 夢乃(ディアヴォロッソ広島)

上位山梨相手に決勝点を奪い勝利に貢献。チームも今季2勝目をあげた。


得点ランキング

1部では浦部が1ゴールを追加し5ゴールで単独2位になった。

2部では横山が首位の15ゴール。2位に板村が9ゴールで追う展開となっている。


アシストランキング

上位勢では大きな変化がなかった今節。渡部が1アシストを追加した。


JWCRランキング

今節の結果、ニッパツと今治が2ランクアップ。バニーズは3ランクダウンとなっている。


順位表

1部はヴィアマと名古屋の優勝争いが続く。

2部では湯郷が首位を走り昇格が近づく。

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