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2024なでしこリーグ1部第21節・2部20節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

スペランツァ大阪 VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

後半戦になって勝利の増えたスペランツァが今季のホーム最終戦を迎えた。現在3位と良い位置にいる名古屋に対して自分たちのサッカーをしたかったスペランツァだったがボールをほとんど握られてしまい攻撃ができず。名古屋の猛攻を受ける展開となった前半だったが守備陣の奮闘で何とか無失点に抑え前半を折り返す。状況を変えたいスペランツァだが思い通りにはいかず後半も名古屋の攻撃が続く。それでも何とか耐えていたスぺランツァだったが81分、長谷川のクロスボールに水野が頭で合わせて名古屋が遂にスペランツァゴールをこじ開ける。終盤での痛い失点をしてしまったスペランツァ、同点に追いつくことはできずにタイムアップ。終始攻め続けた名古屋が何とか得点を奪い1-0で勝利し2連勝を飾った。


愛媛FCレディース VS 日体大SMG横浜

今季ホームで2勝しかできていない愛媛が最後のホームゲームでサポーターに勝利を届たい一戦、前半は4戦負けなしの日体大相手に互角以上の内容を見せてチャンスを作る愛媛だったがゴールには結びつかず前半をスコアレスで折り返す。後半も流れを相手に許すことなく攻める愛媛は69分に安齋、横山を投入して攻撃の厚みを増す。一方の日体大は77分に岡本を投入すると79分、渡部のロングボールに抜け出した窓岩が愛媛GK濵田の飛び出したところをループシュート。これが決まり日体大が均衡を破った。この1点で十分だった日体大は最後までしっかりとリードを守り抜き試合終了。少ないチャンスをものにした日体大が1-0で勝利し3連勝とした。


静岡SSUボニータ VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

逆転優勝には勝利が絶対条件のニッパツは静岡でのナイトゲームに挑んだ。立ち上がりから試合を有利に進めたのはホームのボニータ。6分、CKの流れから三輪のゴールで先制点を奪うと11分にはエースの土屋のゴールで点差を2点に広げる。連続失点で苦しい展開にしてしまったニッパツは河野にボールを供給することができず攻撃が思うように機能しない。そんななかボニータは前半アディショナルタイムに土屋が直接FKを決めて大きな3点目を奪い前半を折り返す。こうなると後半はリスクを負ってでも攻めなければならないニッパツはハーフタイムに室井、小須田を投入するもボニータの組織的な守備を前に攻撃は停滞。77分、84分と攻撃のカードを使い切ったいニッパツだったが最後までボニータからゴールを奪うことができずに試合終了。前半のリードをしっかりと守り切ったボニータが勝点3を手に入れた。一方、優勝へ勝利が絶対条件のニッパツはこの結果により優勝の可能性が消滅、ヴィアマのなでしこリーグ1部優勝が決まった。


ASハリマアルビオン VS スフィーダ世田谷FC

勝利すれば自動降格回避が確実となるハリマはスフィーダをホームに迎えての今季ラストホームゲーム。前半から押し込まれる時間が続くハリマは11分に藤原にゴールを許し先制点を献上すると勢いに乗るスフィーダの攻撃を止めることができず、15分には荒川が今季初ゴールでリードを広げたスフィーダ。前半シュートを1本しか打てなかったハリマはハーフタイムに3枚替えを行うも効果は出ず。後半もスフィーダに自由にやらせてしまうと76分に堀江のダメ押しゴールで3点差にされてしまったハリマ。スフィーダ相手に良いシーンをほとんど作れず0-3の完敗。自動降格回避はバニーズの試合結果次第になってしまった。一方のスフィーダは良い形で最終戦に挑むことが出来る結果となった。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS 伊賀FCくノ一三重

自動降格圏内のバニーズはこの試合最低でも勝点1をとらなければ降格が事実上確定してしまう状況。失点しないことが優先のバニーズは調子を落とし気味の伊賀相手にしっかりと守備ブロックを敷いて対応。相手のアクシデントもあり前半は何とか0に抑えることに成功し後半を迎える。後半に入ると少しずつ伊賀の攻撃力が増す中でバニーズはシュート0のまま耐える展開が続く。しかし伊賀にPKを献上してしまったバニーズはそのPKを決められリードを許すと得点が絶対に必要な状況に。塩谷が前線でキープしてチャンスを作ろうとするバニーズは80分、スローインの流れから塩谷のクロスボールに佐藤が何とか足で合わせるとこれが決まってバニーズがワンチャンスをものにして同点に追いつく。伊賀としてはこの1本に泣き1-1の引き分けで試合は終了。バニーズはハリマとの勝点差を2に縮め最終戦で逆転を狙う。


ヴィアマテラス宮崎 VS オルカ鴨川FC

前日に行われた他会場の結果により優勝が確定したヴィアマ。そんななかでも3500人近い観客が集まって迎えるホームゲーム。このまま勝利で優勝を味わいたいヴィアマだったが、先制したのはアウェイのオルカ。14分、並木が直接FKを沈めて先制する。しかし優勝チームヴィアマは21分、永野のゴールで同点に追いつくと29分には嘉数のゴールであっさりと逆転に成功する。しかし前年度優勝のオルカも36分に新田のゴールで同点に追いつき維持を見せて前半を2-2で折り返す。後半最初のチャンスをものにしたのはヴィアマ。49分、板倉のパスに齊藤がダイレクトで合わせて勝ち越しに成功すると71分に先ほどアシストをした板倉が今度はゴールを決めて4-2。その後78分に河野にゴールを許したヴィアマだったが最後はしっかりと守り抜き4-3で試合終了。勝利で優勝に華を添えたヴィアマがなでしこリーグ参入2年目にして完全制覇を成し遂げた。


JFAアカデミー福島 VS ヴィアティン三重レディース

3位につける福島が過去の対戦成績で負けていない三重をホームに迎えての一戦。最初にチャンスを掴んだのはホームの福島。15分に板村のゴールで先制すると24分にも板村のゴールで一気に2点差をつけた福島。対する三重も42分に佐々木にゴールで点差を1点に縮めてハーフタイムを迎える。ハーフタイムに3枚替えを行った三重だったが49分に木村にゴールを許し1-3。苦しい展開となったものの56分に北久保の今季初ゴールで差を縮めると、71分には市川のゴールで同点に追いつく。2位浮上には勝利が欲しかった福島だったが後半はシュートシーンをほとんど作ることが出来ず、2点差あったリードも守れず結局3-3の引き分けに終わった。


大和シルフィード VS SEISA OSA レイア湘南FC

残り3試合となったリーグ戦、3戦勝利がないシルフィードが3連敗中の湘南をホームに迎えての一戦。ボールを保持し主導権を握るシルフィードに対して湘南は手数をかけない速い攻撃でチャンスを作りだす。それでも双方得点が生まれず迎えた40分、シルフィードは松浦のゴールで前半をリードして折り返すことに成功する。ハーフタイム先に動いたのはリードしているシルフィード。北田を投入し迎えた後半は追いかける展開の湘南が少しずつ押し込むシーンが増え始める。それでもなかなか得点が奪えずにいると試合終了間際の後半アディショナルタイム、シルフィードは途中出場の杉浦のゴールで勝利を決める2点目を奪った。このまま2-0で試合は終了しシルフィードが4試合ぶりの勝利を手にした。


福岡J・アンクラス VS FC今治レディース

現在最下位のアンクラスと11位の今治の残留争い直接対決。直近2試合で勝点を稼いでいるアンクラスが前半から今治ゴールを脅かすシーンが増えるものの得点には繋がらず。今治は最低でも勝点1を持ち帰りたい状況の中で前半をスコアレスで折り返すと後半はともに攻撃の手数が少なく拮抗した展開に。なかなか効果的な攻めが出せない両チームは限られた戦力で打開を試みるものの状況は改善せず。決定機を作れなかった後半もスコアを動かすことはできず試合は0-0のスコアレスドローで終わった。残留へ勝利が欲しい両チームだったが痛み分けとなってしまった。


FCふじざくら山梨 VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

1部昇格へ向けて福島が引き分けたことにより絶好のチャンスとなった山梨は前半から5連勝中の吉備国大ゴールに迫ると9分、内田の今季初ゴールで先制に成功する。しかしリードを許した吉備国大も慌てることなくチャンスを伺うと、34分に根本のゴールで同点に追いつき前半を折り返す。後半に入ると試合は一進一退の攻防が続きチャンスを決めきった方が勝利に近づく展開に。その中でゴールネットを揺らしたのはアウェイの吉備国大。70分、西山のゴールで逆転に成功すると、負けられない山梨は前がかりになりゴールを狙う。それでも好調の吉備国大はリードを奪った後の試合の進め方はスムーズで山梨にチャンスを作らせずしっかりとゴール前を固めて試合を締める。逃げ切りに成功した吉備国大は6連勝を達成し昇格圏の2位の可能性がわずかながらに見えた。一方の山梨はチャンスを掴むことが出来ず痛い敗戦となってしまった。


ディアヴォロッソ広島 VS つくばFCレディース

残留を確定させているディアヴォロッソに対して残留争い中のつくばが乗り込む一戦。アンクラスと今治の一戦が引き分けたことにより勝利すれば優位に立てるつくばは28分、赤嶺のゴールで先制点を奪う。そのままリードを守り抜いた前半のつくばに対してディアヴォロッソは69分に大西、濵田を投入し前線を入れ替えるとつくば陣内に押し込む時間が増える。それでもつくばは集中した守りでゴールを許さず、後半アディショナルタイムにはディアヴォロッソの決定機をしっかりと守り抜きウノゼロで勝利をもぎ取った。連勝としたつくばは順位を10位に上げて残留へ一歩前進した。一方のディアヴォロッソは3戦勝ちなしとなってしまった。


岡山湯郷Belle VS ディオッサ出雲FC

優勝、昇格を決めている湯郷が前回対戦時に勝利することができなかったディオッサを迎えての一戦。すべての相手から勝利して1部に上がりたい湯郷は前半から主導権を握るもののディオッサの守りの前にゴールを奪うことができない。前半を0-0で終えたディオッサは55分、岩下のゴールで湯郷相手に先制点を奪うことに成功する。まさかのリードを許した展開となってしまった湯郷だったが78分に栫井のゴールで同点に追いつくと82分には横山の今季30ゴール目で逆転。今季無敗の底力を見せた湯郷がこのままリードをしっかりと守って試合終了。2-1で逆転勝利した湯郷は前回対戦のリベンジを果たすことができた。


今節のMVP

堀江 美月(スフィーダ世田谷FC)

3ゴール全てに絡む活躍でチームの勝利に貢献した。

赤嶺 美月(つくばFCレディース)

残留争いをしているチームにとって大きな意味をもたらす決勝ゴールを決めた。


得点ランキング

1部では土屋が2ゴール、齊藤が1ゴールを追加し二人の差が2ゴールとなって最終節を迎える。

2部は順位に変動はなかったものの横山がゴール数を30の大台に乗せた。


アシストランキング

松尾が7アシストで首位に立った。残り1試合で動きはあるか。


JWCRランキング

今節の結果、ヴィアマが2ランクアップ、伊賀、ディアヴォロッソが2ランクダウンした。


順位表

1部はヴィアマが昇格1年目で優勝を成し遂げた。また、バニーズがハリマとの勝点差を2に縮めて最終節に挑む。

2部では福島が2位に浮上し山梨は痛い連敗となった。

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