2024なでしこリーグ1部第1節・2部第1節レビュー
今節の試合結果
試合レビュー
バニーズ群馬FCホワイトスター VS 日体大SMG横浜
オフの終盤まで監督やコーチが決まらず不安を抱えていたバニーズだったが開幕までには陣容を固めることが出来た。その中で迎えたこの一戦。開始早々にチャンスを作ったのは日体大。5分、森の浮き球パスに反応した窓岩がヘディングシュート。バニーズGK松本が弾くもののこぼれ球を自らしっかりと決めて日体大が幸先良く先制する。その後は両チーム拮抗した展開となりゴールが生まれず。前半を日体大がリードして後半に入るとバニーズは59分に現役復帰した澁澤を投入、69分にも佐藤を入れるものの攻撃の形はなかなか作れず。75分には藤澤の左からのクロスに野中がヘディングで合わせて日体大が追加点を奪うと試合終盤の88分に本田がゴールを決めて3-0。試合開始から優位に立った日体大が危なげない試合運びで開幕戦勝利を手にした。
静岡SSUボニータ VS オルカ鴨川FC
上位進出を目標とするボニータ。前年度チャンピオンのオルカをホームに迎えての一戦。試合のペースを握ったのはアウェイのオルカ。FWの寺尾を起点にボニータゴールに襲い掛かる。それでもボニータはGK安間を中心に粘りを見せると4分、山本のパスを受けた土屋がボールを持ち運ぶと、最後はパスを出した山本がゴールを決めて劣勢だったボニータが先制に成功する。そのまま前半を1点リードで折り返したボニータだったがこのまま黙って負けるわけにはいかないオルカは52分、並木の鋭いパスを受けた松尾がネットを揺らして試合を振り出しに戻す。追いつかれたボニータは中川、白井を投入し勝ち越しを狙うものの得点は奪えず試合終了。両チーム持ち味を発揮できず試合は1-1の痛み分けに終わった。
スペランツァ大阪 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ
エンブレムも新しくなり大野忍新監督初陣の相手はニッパツ。前半から試合のペースを握ったのはニッパツ。矢野、河野を中心に積極的にシュートを放っていく。それでも最後のところでスペランツァは体を張った守りを見せて得点を許さない。ニッパツは24分に足を痛めた渡部に代わって新井を投入する。誤算もあったニッパツは前半得点を奪えずに後半に入る。後半も防戦一方のスペランツァだが、ニッパツを決めきることができずにもどかしい状況に。攻め疲れによる疲労を見え始めると66分に前線の2人を交代。入った加田は3本のシュートを打つもネットは揺らせず。最後まで守りの苦しい展開となったスペランツァだがチーム一丸でなんとか守り抜き試合終了。ともに課題を残す試合となった結果は0-0のスコアレスドローだった。
ASハリマアルビオン VS 伊賀FCくノ一三重
優勝争いを目標とするハリマが伊賀をホームに迎えての一戦。前半開始早々の4分、伊賀は敵陣深くのスローインから秦がクロスボールを上げる。これはハリマDFがクリアするもののこぼれ球を常田が狙う。一度はブロックしたハリマだが再度常田に押し込まれ失点。伊賀は開始早々に試合をリードする展開に。そのまま攻勢を続ける伊賀は36分、中央でのパス交換から村上がネットを揺らしてリードを2点に広げる。後半に入ってもハリマの良いところを出させない伊賀はさらに追加点を狙う。下條が後半だけでシュートを8本放つなど猛攻の伊賀に対して防戦一方のハリマ。前半シュート3本で終わっただけに後半は巻き返したかったものの伊賀の圧力の前にボールをなかなか前に進めることが出来ずにタイムアップ。後半はシュート0で完全に封じこまれたハリマ、試合も0-2で敗れ悔しい開幕戦となった。
愛媛FCレディース VS 朝日インテックラブリッジ名古屋
昨季好成績を収めた名古屋が愛媛の地に乗り込んでの一戦。試合は両チーム締まった展開で始まる。ブロックを敷く愛媛に対して徐々に圧力を高める名古屋は18分、良い位置でFKを獲得すると、安部のキックにキャプテン三浦のヘディングシュートが決まってアウェイの名古屋が先制点を奪う。1点奪ったことで気持ちが楽になった名古屋はのびのびとしたプレーが目立つ。一方の愛媛は開幕戦特有の難しさにはまりはなかなか攻撃がつながらない。前半こそ1点で凌いだもののシュートは0本を苦しい。ハーフタイムに修正をしたかったものの流れを大きく変えることはできずに70分、水野のシュートのこぼれ球を渕上が押し込み名古屋が追加点。一気に試合を楽にすると愛媛の攻撃をしっかりと守り切り試合終了。初優勝を狙う名古屋が開幕戦2-0と白星を飾った。
ヴィアマテラス宮崎 VS スフィーダ世田谷FC
なでしこリーグ1部に昇格を果たしたヴィアマが王者奪還を狙うスフィーダをホームに迎えての一戦。試合は両チーム拮抗した展開となるものの最初のチャンスはスフィーダ。28分、エリア内での混戦から新堀のパスを受けた金子のゴールでスフィーダが先制する。前半をスフィーダの1点リードで後半に入るとヴィアマは福丸に代えて今蔵を投入。この交代策が的中したヴィアマは50分、GK馬場のロングボールを今蔵がヘディングでつなげると抜け出した嘉数がゴールに流しこんで同点に追いつく。これで勢いのついたヴィアマは69分に切通を投入すると、76分にその切通が嘉数のCKを頭で合わせて逆転に成功する。さらに84分には右サイドで切通のラストパスに合わせて嘉数が今日2点目を決めて3-1。スフィーダを突き放す。この1点が大きく試合はこのまま終了。ヴィアマが交代選手の活躍もありスフィーダ相手に3-1と上出来な結果となった。
つくばFCレディース VS 吉備国際大学Charme岡山高梁
2年連続の開幕ダッシュを見せたいつくばがホームに吉備国大を迎えての一戦。試合は開始早々の5分、吉備国大は中村のゴールで先制点を奪う。その後も攻撃を増やす吉備国大がつくばゴールに襲い掛かる。一方のつくばは前半チャンスらしいチャンスを作ることが出来ずにいると、45分に中村が今日2ゴール目を決めて吉備国大がリードを広げる。後半に巻き返しを図りたいつくばは徐々に押し込む時間が増えてくるとセットプレーを中心に吉備国大ゴールを狙うが決めきれない。対する吉備国大は79分に古谷がダメ押しとなる3点目を決めて勝負あり。最後までつくばの攻撃をシャットアウトした吉備国大が3-0で最高のスタートを切った。
ディオッサ出雲FC VS 福岡J・アンクラス
なでしこリーグ初戦となるディオッサがアンクラスをホームに迎えて開幕ゲーム。試合はホームのディオッサがわずかに攻める時間が長い展開となると28分、ラッキーな形で原のゴールが決まりディオッサが先制点を獲得する。アンクラスは33分に松本が交代し柳田が投入されるなど苦しい展開に。それでも前半を1点で抑えると後半はアンクラスペース。62分に小林のゴールでアンクラスが同点に追いつくと、立て直しを図るディオッサは68分、74分と立て続けに2枚替えを行うが試合のリズムは取り戻せず。それでもアンクラスに逆転を許すことはなくタイムアップ。結果は1-1のドローという形となった。
ディアヴォロッソ広島 VS JFAアカデミー福島
勝負の年となるディアヴォロッソが福島をホームに迎えての一戦。両チーム攻撃的な試合展開を見せるも最初にチャンスを活かしたのは福島。25分、エースの板村のゴールで先鋭点を奪う。リードを許したディアヴォロッソだが追加点は与えずに前半を0-1で折り返す。リードしている福島はハーフタイムに3枚の交代カードを使うと53分に板村の今日2ゴール目でリードを広げる。点が欲しいディアヴォロッソは66分に前線の選手を交代したものの効果は表れず。試合巧者の福島がアウェイでクリーンシートを達成し勝点3を獲得した。
SEISA OSA レイア湘南FC VS ヴィアティン三重レディース
なでしこリーグ参入初戦の湘南は三重をホームに迎えての一戦。先制したのは三重、13分にエースの片野田のゴールで湘南になでしこリーグの洗礼を浴びせる。しかし動じなかった湘南は29分に鈴木のゴールで試合を振り出しに戻す。前半は両チーム1-1で五分だったものの後半は湘南ペース。開始直後の47分に国吉のゴールで湘南が逆転に成功すると81分に鈴木が今日2点目となるゴールを決めて3-1。点差を2点に広げ勝利を手繰り寄せる。86分にはGKを交代する場面があったもののリードをしっかりと守り切り試合終了。三重相手に3-1で勝利しなでしこリーグ初勝利を飾った。
FCふじざくら山梨 VS 岡山湯郷Belle
なでしこリーグ2年目の山梨は昇格を狙う湯郷をホームに迎えての開幕戦。前半は攻撃に特徴のある湯郷に対して徹底した守りで耐える山梨。エースの横山に仕事をさせないDF陣の活躍により前半をスコアレスで折り返す。後半に入り勝負を仕掛けたい山梨だったが均衡を破ったのはアウェイの湯郷。56分、遂にエースの横山のゴールで湯郷がリードを奪うと、山梨は追いつくべく交代カードを続々と使う。それでもなかなか決定機が作れないでいると湯郷は落ち着いた試合運びを見せて時間を上手く使う。そして最後までボールを支配して試合終了。アウェイでの開幕戦となった湯郷が苦戦しながらもしっかりと勝点3を手にした。
FC今治レディース VS 大和シルフィード
クラブ初のなでしこリーグとなる今治が1年での1部復帰を狙うシルフィードと対戦。試合は互いに堅い展開に。中盤での主導権の争いがほとんどでシュートシーンを作ることができない。前半今治はシュート2本、シルフィードもシュート1本と得点の匂いがしない前半となった。後半に入っても試合展開は大きく変わらないもののワンチャンスを仕留めたのはシルフィード。63分にチームのエース濱本がゴールネットを揺らして先制に成功する。リードを許した今治は前線の選手を投入するも目立った変化は生まれず。シルフィードも裏を徹底的に狙うサッカーで勝負しゴールからボールを遠ざける。最後まで得点を狙った今治だが1点が遠く試合終了。少ないチャンスを決めきったシルフィードが1-0で勝利を手にした。
今節のMVP
嘉数 飛鳥(ヴィアマテラス宮崎)
2ゴール1アシストの大活躍でチームの逆転勝利に貢献した。リーグ優勝に向けて幸先の良い勝利となった。
鈴木 陽笑(SEISA OSAレイア湘南FC)
リードを許した展開から同点ゴールを決めると試合終盤にはダメ押しゴールで2得点。チームもなでしこリーグ初勝利を手にした。
得点ランキング
1部では嘉数が2ゴールを記録し首位に立っている。
2部では板村、中村、鈴木の3名が2ゴールで首位となっている。
アシストランキング
8名が今節アシストを記録して首位に立っている。
JWCRランキング
今節の結果、なでしこリーグのクラブではアンクラスが2ランクアップ、スフィーダと今治が2ランクダウンとなった。