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2023 皇后杯2回戦レビュー

2回戦の試合結果


試合レビュー

伊賀FCくノ一三重 VS 日本大学

皇后杯制覇に向けて初戦となる伊賀は日本大学との一戦。最初にチャンスを活かしたのは日本大学。16分、右サイドを突破した片山のクロスを久保が合わせて先制点を奪う。リードを許した伊賀だったが慌てることなくチャンスを作り出すと、28分に村上のクロスを常田がヘディングで決めて試合を振り出しに戻す。その後は両チーム決定機を作ることが出来ずに前半を1-1で折り返す。後半に入ると伊賀のペースで試合が進む。51分、相手のクリアボールを処理した秦のゴールで逆転に成功すると、一気にギアが上がる。途中PKを獲得するも決めきることはできなかった伊賀だったが、ここで流れを日本大学に渡すことなく試合を進めると、相手のシュートを1本に抑えた伊賀DFは最後まで集中を切らさずに1点のリードを守り抜いた。試合巧者だった伊賀の前に敗れた日本大学は2回戦を姿を消すことになった。


福岡J・アンクラス VS ノルディーア北海道

なでしこリーグ2部のチーム同士の一戦。ノルディーアとしては来季の地域リーグへの降格が決まっているだけに1試合でもここで多く戦いたい。試合は両チーム決め手を欠くシーンが目立ち、中盤でのボールの支配争いが目立つ展開に。それでも41分に中央から上手く崩すと原のゴールが決まってアンクラスが先制する。前半はこの1点を守り抜いたアンクラスは持ち前の守備力でノルディーアの攻撃をシャットアウト。どうしても点が欲しいノルディーアだったが課題の攻撃力にアンクラスの守備力が合わさり最後までネットを揺らすことができずに試合終了。ロースコアが予想されたこの一戦は戦前の予想通り1-0でアンクラスが逃げ切り3回戦へコマを進めた。敗れたノルディーアはこれで今季の公式戦が終了。来季は1からの出直しとなる。


日体大SMG横浜 VS マイナビ仙台レディースユース

目指すは姉妹対決、マイナビユースの初戦はなでしこリーグ1部の日体大。キックオフ後から流れは日体大にあったものの15分、マイナビユースはGK瀬戸のキックからチャンスを作ると最後は津田がゴールを決めて先制点を獲得する。しかしここで気のゆるみがあったか、直後の16分に日体大は金子のゴールですぐさま同点に追いつくと36分には北沢のゴールで試合をひっくり返す。その後も積極的な攻撃を見せる日体大に対して防戦一方となったマイナビユース。前半を2-1で日体大リードで折り返す。追加点を狙う日体大は68分に渡部のゴールで点差を広げると一気に勝利に近づいた日体大。2点が必要なマイナビユースだったが日体大の守備を攻略することが出来ずにタイムアップ。先制したものの逆転されたマイナビユースは2回戦敗退となった。


静岡SSUボニータ VS 帝京平成大学

なでしこリーグ対大学生の構図となったこの一戦。前半は両チーム一進一退の攻防が目立つ。決定機を作りながらも決めきることができずに前半をスコアレスで終えると、後半入ってすぐの47分。帝京平成大学はCKを獲得すると、佐藤のキックからのこぼれ球を最後は山田が押し込んで帝京平成大学が先制する。さらに68分には、早い崩しかた佐藤のダイレクトシュートが決まって追加点。なでしこリーグとして負けられない静岡も71分、相手のミスから梅津、金丸とつないでネットを揺らし1点を返す。しかし、その後は帝京平成大学の体を張った守りの前に同点ゴールを奪うことはできずにタイムアップ。先制して試合の流れを掴んだ帝京平成大学がなでしこリーグの静岡を破って3回戦進出を決めた。


オルカ鴨川FC VS 岡山湯郷Belle

1回戦を突破した湯郷がリーグチャンピオンのオルカとの2回戦に挑んだ。試合は立ち上がり早々の4分、高村の右サイドのクロスに鈴木がヘディングで合わせてオルカが先制ゴールを奪う。その後も鈴木を中心に湯郷ゴールに襲い掛かると24分、今度は河野が左サイドからクロスが上げると、中で鈴木がまたしても頭で合わせてオルカは追加点を獲得。試合を一気に有利に進める。対する湯郷はエースの横山がマークに苦しみ持ち前の攻撃力を発揮することが出来ない。前半をオルカの2点リードで折り返すと、ハーフタイムにオルカは2枚替えを行い変化をつける。後半に入ると徐々にオルカの攻撃が落ち着き始め試合は拮抗した状態となる。ゴールが欲しい湯郷だが後半もチャンスをなかなか作ることが出来ずに苦しい時間が続く。83分にはFW2枚を投入し捨て身の勝負に出るものの得点にはつながらずに試合終了。前半の2点を守り抜いたオルカが湯郷を破り3回戦に駒を進めた。


藤枝順心高校 VS リリーウルフF石川

高校生チームの藤枝順心と、なでしこリーグ参入を逃したリリーウルフの一戦。前半から藤枝順心が攻勢を強める。フレッシュな選手が物怖じしないプレーを披露すると17分、リリーウルフはGKの松本が負傷により交代を余儀なくされる。これもあり歯車が嚙み合わない中、36分に辻澤のゴールで藤枝順心がリードを奪う。対するリリーウルフは劣勢の時間が続き前半はシュート1本とチャンスがまったく作れない状態だった。後半に入ると、藤枝順心の攻撃は増していき、52分に久保田のゴールをきっかけに78分に下吉の直接FK、82分に前線からボールを奪うと望月が自ら決めて4-0。勝利を一気に決定づけた藤枝順心。一矢報いたいリリーウルフだったが後半もシュートは2本と厳しい状況は続き無得点のまま試合終了。藤枝順心が高校生チームながら3回戦進出を決めた。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS 大阪体育大学

両チーム攻撃力が光ったこの試合。先に決めたのはバニーズ。25分、PKを獲得すると大矢が左足で決めて先制する。その後は両チームとの前からの積極的な攻撃が目立つがバニーズも追加点とはならずに前半を1点リードで折り返す。後半に入ると53分にゴール前での混戦から平岩のパスを受けた矢野がネットを揺らして大阪体育大学が同点に追いつく。終盤に入るとオープンな展開となったこの試合だったがどちらも2点目を取ることが出来ずに後半終了。1-1で延長戦に突入する。延長に入るとバニーズが徐々にボールを支配する時間が増え、防戦になる大阪体育大学。しかし攻めるバニーズも決定機を決めきることが出来ずに、そのまま1-1のまま120分でも決着つかずにPK戦となる。両チームともしっかり決めきる中、バニーズは3人目のキッカー小暮が外してしまい大阪体育大学が1歩リードする。そして先攻のバニーズの5人目まで終わった段階で4-4。大阪体育大学の5人目のキッカーはキャプテンの長谷原。これをしっかりと決めきって大阪体育大学がPK戦を制して3回戦進出を決めた。


愛媛FCレディース VS 十文字高校

なでしこリーグ1部の愛媛に高校生の十文字が挑んだ一戦。試合が動いたのは3分、CKのチャンスから小島がシュートを放つとポストに当たるもののこぼれ球を田子が押し込み愛媛が幸先良くリードを奪う。その後も試合を優位に進める愛媛は23分、田子のラストパスを受けた小島のゴールでリードを広げると32分には相手のミスを突いて小島が今日2点目を決めて3-0。浮足立つ十文字高校を前に愛媛の攻撃は止まらず、40分にはCKの流れから最後は桜井が決めて前半だけで4得点。試合を一気に決めにかかる愛媛に対して防戦一方の十文字高校。大量リードを奪った愛媛は後半に入って上手く時間を使いながら試合を進めると十文字高校の攻撃陣を完全にシャットアウトし試合を締める。前半の4点が決め手となった愛媛、無失点での快勝で3回戦進出を決めた。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS ヴィアマテラス宮崎

来季の1部リーグ同士の一戦。ヴィアマとしてはどこまでやれるのか試される場ともなる。前半はヴィアマのペースで進むと7分、島田の右からのクロスに齊藤が右足で合わせて先制点を奪う。リードを奪ったヴィアマはその後も攻撃の手を緩めないと、38分に福丸の右サイドからのクロスボールに嘉数が頭で合わせて追加点。このまま前半をヴィアマの2点リードで折り返すと、後半は一転して名古屋が盛り返す。守備に比重を置き始めるヴィアマに対して攻勢を強める名古屋は77分、江﨑のクロスを神谷がヘディングで落とすと途中出場の加藤が押し込んで1点を返す。点差が縮まった名古屋は追いつくべく攻勢を強めるがヴィアマが体を張って守る。終盤はパワープレイも仕掛けながらゴールを狙う名古屋だったが、最後までリードを守りぬいたヴィアマがなんとか逃げ切り2-1で勝利し3回戦に駒を進めた。


東洋大学 VS JFAアカデミー福島

大学生と高校生の強豪チーム同士の一戦。試合は両チーム一進一退の攻防が続く。福島は日本代表に初選出された古賀と谷川が攻守でチームを引っ張る。前半は両チーム無得点で終えると、後半に入って67分、東洋大学はPKを獲得すると、これをキッカーの宮本が落ち着いて決めて先制に成功する。リードを許した福島だったが78分、こちらもPKを獲得すると、キャプテンの谷川が冷静に決めて試合を振り出しに戻す。その後は福島の逆転を狙う前がかりなプレーに押される東洋大学。しかし逆転は許さずに試合は90分で決着つかずに延長戦へ。延長に入ると経験値のある東洋大学が少しずつ押し返す時間が増えるもののゴールにはならず。両チーム最後まで力を出し尽くしたものの120分終わって1-1でPK戦となる。両チーム3人目まで成功させると先行は東洋大学4人目は宮本、1度PKを蹴っているだけに難しい場面であったがこれを決めると、後攻の福島はエースの板村が失敗し東洋大学がリード。これを決めれば勝利の5人目はキャプテンの北村。しかしこれを決められず最後のキッカーは日本代表に選出された古賀。古賀のキックは惜しくも決めることはできずに東洋大学がPK戦を制して3回戦進出が決まった。


ASハリマアルビオン VS エナジック琉球デイゴス

初顔合わせとなった両チームの2回戦。試合は立ち上がりすぐの2分、裏に抜け出した内田が落ち着いてゴールを決めてハリマが先制する。いきなりリードを許したデイゴスはプランが崩れてしまったか、なかなか攻撃を組み立てることができない。それでも少ないチャンスを狙うが安定した守備を見せるハリマ。そして相手のスキを突くと38分に亀井のヘディングゴールで追加点を奪うと40分にはきれいな崩しからゴールを決めて3-0。前半に大きくリードした状態で後半へと向かう。早い段階で点差と縮めたいデイゴスだったが相手DFを攻略することができず、77分に坂入がヘディングゴールで1点を返すものの前がかりになったところを89分に亀井に決められて万事休す。終わってみれば4-1でハリマが試合を圧倒し勝利した。


スペランツァ大阪 VS 帝塚山学院大学

大阪を拠点とするチーム同士の一戦。前半からスペランツァの攻勢で試合が進む。今季終了後の引退が決まっている浜田を中心に前から圧力をかけ続けるもののゴールは遠く前半をスコアレスで折り返す。後半に入っても勢いの落ちないスペランツァは79分、途中出場の増田のシュートがバーに直撃すると、こぼれ球を浜田がヘディングで押しこみ遂に先制に成功する。リードを奪われた帝塚山学院大学だったが効果的な攻撃を展開することができずに押し込まれる時間が続く。最後までスペランツァの攻撃を跳ね返すことで手一杯だった帝塚山学院大学、シュートも試合を通して2本に抑え込まれてしまい試合終了。スペランツァがエース浜田のゴールで勝利し3回戦進出を決めた。


スフィーダ世田谷FC VS 早稲田大学

なでしこリーグの強豪スフィーダと大学リーグ強豪の早稲田大学の一戦。試合は両チーム一歩を譲らない互角の展開に。それでもスフィーダは相手DFの裏を積極的に狙って攻撃のチャンスを増やしていく。早稲田大学も自由にはやらせずに0で抑え、前半はスコアレスで折り返す。そして後半にはいって早々の47分、スフィーダは渡辺の直接FKが決まって遂に均衡を破る。このリードが大きかったスフィーダは追加点を狙うべき攻撃の圧力が増していく。それに対応するので精一杯だった早稲田大学は攻撃のチャンスをほとんど作ることができずに試合終了。ウノゼロでスフィーダが勝利し3回戦進出を決めた。


周南公立大学Vinculum VS 日テレ東京ヴェルディメニーナ

勝ち続ければ5回戦でベレーザと当たるメニーナ。そこまでは負けられない試合が続く。その勢いもあってか試合は開始8分、CKを獲得すると眞城のキックをキャプテンの青木がピンポイントで合わせてメニーナが先制する。リードされた周南公立大は攻撃が嚙み合わずに相手ゴールまで攻め込めない。互いに中盤でのポゼッション勝負となった前半はこのままメニーナの1点リードで折り返す。このままだと敗退が決まってしまう周南公立大は65分、82分と選手交代を行うものの打開ができない。対するメニーナも追加点を狙うもののシュートを決めきることが出来ずに苦しい時間は続く。互いにあと1歩が出ずに後半はスコアが動かずに試合終了。立ち上がりの1点で決着がついたこの試合はメニーナが勝利し3回戦に進むこととなった。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS FC今治レディース

来季のなでしこリーグ参入を決めた今治が先輩であるニッパツに挑んだ一戦。試合を優位に進めたのはニッパツ。片山が中心となり今治ゴールに迫ると、37分にその片山のゴールで先制する。リードを奪われた今治だったが前半アディショナルタイム、安河内のクロスに森瀬が合わせて同点に追いつく。前半を1-1で折り返すと、徐々に攻撃の回数を増やしたニッパツは、70分に小須田のゴールで勝ち越しに成功すると、わずか1分後には蔵田のゴールで3点目。勢いに乗ったニッパツは73分に片山の今日2点目を決めると、83分にも片山がハットトリックを達成し5-1で快勝。前半こそ互角の戦いをしていた今治だったがニッパツの試合巧者に対応できず皇后杯は2回戦敗退に終わった。


大和シルフィード VS 柳ヶ浦高校

なでしこリーグ所属のシルフィードに挑戦する形となった本選初出場の柳ヶ浦高校。気を付けたい立ち上がりだったが9分に根府にゴールを決められシルフィードが幸先良く先制する。その後も果敢に攻めるシルフィード攻撃陣に対して防戦一方の柳ヶ浦高校。CKからチャンスを作り出すもののゴールとはならず、前半をシルフィードが1点リードで折り返す。後半に入っても攻撃を手を緩めないシルフィードは58分に相手のミスを突いて濱本のゴールで追加点を奪うと、プレーにも余裕が出てくる。その後も終始試合を支配したシルフィードは柳ヶ浦高校の攻撃を完全にシャットアウトし試合終了。なでしこリーグとしての違いを見せたシルフィードが3回戦に駒を進めた。対する柳ヶ浦高校は憧れのなでしこリーグのチームとの対戦は今後の成長につながるものになっただろう。


得点ランキング

片山がハットトリックを達成し3ゴールで得点ランキング2位。首位は齊藤が4ゴールとなっている。


トーナメント表

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