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お遍路ひとり旅 エピソード1 徳島編 「ドキドキのスタートで、いきなりインタビュー」
なぜに四国八十八ヶ所巡りをしようと思ったのか、いろんな人が尋ねる。
それもそのはず、根気も体力もない、楽なことしかしないわたしが、苦行と言われるお遍路をするはずがない、とみんな思っていたのだ。
40代ぐらいから、ぼんやりと頭の片隅に、いつかお遍路旅をしたいという願望があった。
それを行動に移した経緯と、第1番札所・霊山寺に入る前のエピソードを
四国八十八ヶ所巡り「イントロダクション」
に書いている。
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ここから、お遍路旅スタート!
徳島編、第一弾の印象に残ったエピソードを書いておこうと思う。
<2020.1.24-26 第1番札所・霊山寺〜第10番札所・切幡寺>
@第1番札所・霊山寺
必要なお遍路グッズを買い揃え、ドキドキしながら、いざ霊山寺へ。
仁王門をくぐって見渡すと、お池にきれいな鯉が泳いでいて、解放感があった。
冬の1月なのに、お遍路さんが思っていたより多い氣がした。
やっとここから始まるんだな、というワクワクした氣持ちで、ガイドブック通りの作法でたどたどしく参拝。
特に般若心経の読経は、恥ずかしいやら声が出ないやらで、終わると少々疲れた。
一通り境内を見て周り、仁王門から出ようとすると、中学生の女の子とお母さんに声をかけられ、インタビューを受けた。
聞くと、自由研究で四国八十八ヶ所巡りをテーマに選んだそうだ。
「どうして四国八十八ヶ所巡りをしようと思いましたか?」
「(お遍路旅の)どこがいいと思いましたか?」
という質問に、丁寧に、且つわかりやすく答えた(と思う)。
一度は回ってみたかった、どこから回ってもいいし、回る手段(歩き〜観光バス・タクシーツアー〜自家用車など)も自由というところがいいと思った、というようなことを話した。
あの女の子は、自由研究発表ちゃんとできただろうな。
賢そうな子だったもん。
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梅の季節だったな。
@第3番札所・金泉寺から第4札所・大日寺までのお遍路道
初のしんどかった道が、金泉寺から大日寺まで。
この頃は、約5kmの距離さえ辛かった。
しかし、昔からのお遍路文化がDNAの中に染み込んでいる地元の方々が、助けてくださった。
車道で分断されたお遍路道で、どの道へ進もうか迷っていたら、ミニバンのおばちゃんがわざわざ車を止めて、「どこ行くん?」とお遍路道を示してくれた。
竹藪のお遍路道を行くと、おじいちゃんが大日寺への道を教えてくれた。
このホスピタリティに感謝したわ。
@第8番札所・熊谷寺の仁王門
第7番札所・十楽寺から歩いて、もうすぐ熊谷寺というところで、ものすごい仁王門が建っていた。
昭和の時代劇や黒澤映画に出てきそうな、カッコ良くて迫力ある佇まいだった。
しばし見惚れて立ち尽くした。
(下の写真の左最下段)
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誰もお遍路旅してないだろうと踏んで、冬に始めた四国八十八ヶ所巡り。
道々、お遍路さんに挨拶したり、地元の方にサポートしてもらいながら、10番まで回れたことが奇跡のようだった。
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〜つづく〜