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【漫画】手塚治虫先生:個人的傑作選

漫画の神様:手塚治虫先生

「鉄腕アトム」「ブラックジャック」「火の鳥」「アドルフに告ぐ」といった有名作品においては皆様も大変ご存じだと思いますが、本日は私がこれまで読んだ手塚作品の中で世間的にはあまり知られていませんが、私なりの手塚先生傑作選を紹介したいと思います

①MW(ムウ)

かつて不良で今は神父の賀来がらい
幼少期、不良時代の賀来がらいにもてあそばれ、今は銀行員としてエリート街道をひた走る結城ゆうき
賀来がらい結城ゆうきは昔、とある島に保管されていたアメリカ軍の毒ガス兵器:MW(ムウ)の流出事故の目撃者且つ生き残りで、事故自体も隠蔽されてしまった
時が経ち賀来がらい結城ゆうきの関係性も逆転し、結城ゆうき賀来がらいをもてあそび、同性愛の間柄へ…
結城ゆうきは毒ガスMW(ムウ)を突き止める復讐を開始するが、実はMW(ムウ)を奪い、日本中いや世界中を皆殺しにするのが本心であった…
賀来がらい結城ゆうきを止められるか?
日本は世界は救われるのか?

MW(ムウ)のあらすじ

ピカレスクロマン的な作品ですが、一言で言ってしまうには非常に勿体ない作品です
特に賀来がらい結城ゆうきの関係性に注目していただきたくて、不良時代の賀来がらい結城ゆうきを支配していましたが、今では結城ゆうき賀来がらいを支配しており、神父である賀来がらい結城ゆうきを手助けしたり匿ったり、肉体関係を持ったりと「賀来がらいの葛藤」もこの作品の魅力です
結末はもしかすると「エイリアン・コビナント」かもしれません…

②くろい宇宙線

火星から帰還したドリアン博士
過酷な環境の火星では5年も生きられないというのに30年も過ごし、見た目も若々しいまま…
なぜかその頃、街では急に人が倒れて死亡していまう「ぽっくり死」が頻発
なぜドリアン博士は火星で30年も過ごすことが出来たのか?
「ぽっくり死」とドリアン博士の帰還に因果関係はあるのか?
ドリアン博士の地球時代の同僚であった宇奈月博士の甥っ子:ボン太郎が事件を解明していく話

くろい宇宙線のあらすじ

日本のSFの最高傑作と言ってもよいでしょう
今から約65年前(昭和31~32年頃)にこのような優れたSF作品を文章ではなく漫画という形で表現されたことにも驚きです
子供向けの雑誌に連載されていましたが、大人が読んでも読み応えがある作品です
手塚先生初期のSF作品は「複眼魔人」「白骨船長」「狂った国境」と云った名作もあり、おすすめです

③おけさのひょう六

佐渡のひょう六は踊りの達人であり、雌猫と暮らしています
ある時、島の殿様の前で本人を風刺する舞いを演じ、踊りを禁じられ、両目を切られ、最愛の奥さん「おけさ」も売られてしまいます
そんな絶望の中、なぜか売られたはずの「おけさ」が戻って来て…

おけさのひょう六のあらすじ

手塚先生的な日本の寓話といったところでしょうか
真実を知らぬまま亡くなったひょう六(と猫ちゃん)が、ある意味幸せだったのかもしれません
因みにこの作品がある意味きっかけとなり、「三つ目がとおる」の連載へと繋がります

④安達が原

宇宙調査官である主人公ユーケイはとある星に降り立つ
目的はその星に一人の老婆が住んでおり、近くを通りかかる宇宙船をおびきよせては乗組員を殺し物資や食糧を奪っているようで、その老婆を始末すること
とうとう老婆を追い詰め、観念した老婆はユーケイに、冥途の土産としてユーケイの身の上を聞かせて欲しいと懇願する
ユーケイは自らの過去を話し始めるのだが…

Wikipedia:安達が原のあらすじを抜粋&アレンジ

福島県二本松市の「安達ヶ原の鬼婆物語」を題材にしたSFミステリーです
ユーケイは、かつては革命戦士で革命成功後は独裁者の手先となり、反逆者を粛正しに宇宙を飛び回っている
そのようなユーケイに老婆は何を思ったか…
手塚作品にはユーケイに似た人物がおり、それが火の鳥シリーズに出てくる「牧村」
永遠に終わることのない罪を背負いますが、なぜか女性に愛されます
ユーケイも牧村と似た運命をたどるのかな

⑤ゴッドファーザーの息子

手塚先生の戦時中の体験談
ヤクザの親分の息子で暴君の旧制中学生:明石あかしは、一言でいえば「ジャイアン」ですが、見た目とは裏腹で漫画が好きで漫画が描ける手塚先生に目をかけるようになります
運動神経も抜群の明石は手塚先生の校内マラソン大会のコーチ役を買ってでて、手塚先生と友情をはぐくみます
明石はその後、特攻隊へ志願
手塚先生が描いた「女性の絵:クミコちゃん」を巻き付けて飛び立った…

ゴッドファーザーの息子のあらすじ

戦時中の893の息子と手塚先生のある意味「絆」を描いた作品
根本は「反戦」がテーマです
手塚先生は明石とこれからもずっと親友でいたかったはずですし、特攻という非人道的な行為はあってはならないです


手塚先生の作品はこれだけではないので、皆様もぜひ様々な作品を読んでいただきたいです
また、手塚先生は漫画の枠にとらわれず、アニメにも積極的に挑戦されました
そのような「いつまでも挑戦」する姿勢を見習いたいです

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