【音楽】TMNETWORK初期の作詞家:麻生香太郎の世界(2024/3/9追記)
TMのファーストアルバム『RAINBOW RAINBOW』とセカンドアルバム『CHILDHOOD'S END』で歌詞を手掛けた作詞家さんといいますか
その後、コラムニストや評論家としても活躍され、雑誌「日経エンタテインメント!」でもコラムを連載されていましたが、惜しくも2018年、癌により他界されました
彼の作詞が何とも抽象的かつ、どことなく哲学的で考えさせられると言いますか、受け手によりとらえ方が異なる歌詞で
当時のTMのエレポップと相まって、若干SF的な星新一「ショート・ショート」にありそうな世界観です🖋️
麻生さんから見たTMの楽曲やビジュアルの「印象」をそのまま歌詞にしたのかもしれません📡
手掛けられた作詞は以下の曲です
アルバム『RAINBOW RAINBOW』より
🔹「カリビアーナ・ハイ」(CARIBBEANA-HI)
🔹「クリストファー」(CHRISTOPHER)
🔹「パノラマジック (アストロノーツの悲劇)」
アルバム未収録であったが後年発表
🔹「OPEN YOUR HEART」
🔹「グリニッジの光を離れて」←2024/3/9追記
アルバム『CHILDHOOD'S END』より
🔸永遠のパスポート(Seymour名義)
私の独断と偏見で、それぞれの楽曲の特に印象に残ったフレーズを紹介したいと思います
「カリビアーナ・ハイ」(CARIBBEANA-HI)
冒頭のいきなりサビの歌詞で、いたってありそうな普通の歌詞ですが、
カリビアーナハイって何なんでしょうか
カリブ方面のビーチでパリピが盛り上がってるイメージでしょうか🏖️
「クリストファー」(CHRISTOPHER)
麻生ワールドが展開し始めました
シュールレアリズムの絵画の世界ですね
昔の向精神薬の広告デザインを思い浮かべます💊
冷蔵庫開けるとおばあさんが中に入っていて、家賃の催促…
冷蔵庫を開けている時、振り返ると家主の老婆が催促しているということでしょうか🪦
(それはそれで怖いですが)
冷蔵庫開けると中におばあさん入っている説も捨てきれないのが 麻生香太郎
「パノラマジック 」(アストロノーツの悲劇)
副題の「アストロノーツの悲劇」より、宇宙飛行士のカップルがスペースシップの制御が効かなくなり果てしない宇宙の彼方へ進んでいるんだけど、それは絶望ではなく、永遠の二人だけの世界へ向かっていく…
なので、曲の雰囲気も絶望ではなく、どこか淡々としています
残り1つのエアロビクスは、酸素カプセル?ボンベ?でしょうか
「OPEN YOUR HEART」
別れ際で未練はあるけど、歌詞の退廃的な印象は、どうしようもなく若干の絶望感も感じます
24時を2つに分けるとは、時間の概念を壊してまで、初恋からやり直したいんでしょうね
「グリニッジの光を離れて」:2024/3/9追記
こちらもTM初期の未発表曲で全歌詞を掲載しました。
「グリニッジの光を離れて」と言う題名なので、ものすごくSF感を期待しましたが、イギリス・グリニッジの秋の終わりの夕方の風景を切り取った内容に感じました
作曲が木根さんということもあり、メロディアスな曲調に合っています
多分ですが、初期のSF的なコンセプトから外れたしまったので、未発表曲となったのでしょう…
歌詞で気になるのは、「Phoebe:フィービー」とはなんぞや
個人的には女性のような気がして、彼が彼女(Phoebe:フィービー)にグリニッジにある公園の風景を見ながら語りかけているように捉えました
「永遠のパスポート」
こちらいたって普通のJ-POPの歌詞です
夏の夜明けに都心に向かって車で帰っていますが、ケンカをしたのか、少し彼女が拗ねて、「一人で帰る」と言い出して、でも彼氏はそんな彼女を受けとめている…
全体的にはそんな内容だったかな
本当の事は誰も知りたくはないさ 全てを許せるほどやさしくなれない
誰だってそうですよね。
皆何かしら知られたくない隠したいことを背負ってますし、知ったとして許せないといいますか引っかかる部分はあります
(お互い様といえばそれまで)
それを受け入れて、永遠に一緒にいたい…ということでしょうか
あくまで私の独断と偏見の解説なので、リンクのYouTubeで楽曲を聴いていただき、皆様それぞれ感じたことを思い浮かべていただければ幸いです
最近、SONYの「otonano」という音楽サイトのTMNETWOKのページに藤井徹貫氏によるTMの元プロデューサー小坂洋二氏へのインタビュー記事があり、その中で麻生氏に言及した発言がありましたので抜粋します
初期の少しの間でしたが、TMの楽曲に独特の世界観を表現してくださった麻生香太郎さん、ありがとうございます
ご冥福をお祈りいたします