【音楽】追悼 坂本龍一氏(お勧め楽曲)
2023年4月2日の晩、音楽家の坂本龍一さんが、3月28日に死去された報道ががあり思わず絶句しました
2014年に中咽頭がんが判明、その後直腸がん・肺がんも見つかり治療されておられ、かなり厳しい症状であるということはネットニュースで知ってはいましたが、昨年12月にはオンラインコンサートを開催するなどの活動をされておられたので、死去の報道は衝撃でした
ご冥福をお祈りいたします
1月には、同じ「YMO」のメンバーであった高橋幸宏さんが脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎のため死去されており、「YMO」も年長者である細野晴臣さんのみとなり、細野さんの心中察すると、立て続けに仲間が泉下の人になったわけで、相当辛いと思います
坂本龍一さんといえば、80年代テクノサウンドで一世風靡した「YMO」での活動や映画「戦場のメリークリスマス」やアカデミー賞・音楽賞を受賞した「ラストエンペラー」等の映画音楽の分野、晩年では反原発・反戦の平和運動、私の大学生の時は「ZERO LANDMINE」(ゼロ・ランドマイン)という地雷ゼロキャンペーンの社会活動をされていた印象が強く、1つのジャンルでは表すことの出来ない、音楽家・社会活動家・文化人といった八面六臂な方でありました
やはり、色々な側面を持たれている中でも、坂本龍一さんといえば、やはり「音楽」であり、私見にはなりますが、携われた作品の中からおすすめ楽曲を紹介したいと思います
❶アメリカン・フィーリング(サーカス)
作詞:竜真知子、作曲:小田裕一郎、編曲:坂本龍一
坂本さんといえば「YMO」=「テクノサウンド」という方も多いと思いますが、そもそも東京芸術大学出身で演奏技術はもちろん、音楽の基礎や理論を研究されたスペシャリストです
なので、テクノだろうがクラシックだろうがファンクだろうが民族音楽だろうが歌謡曲だろうが、依頼された音楽にかかるオーダーを完璧にこなす職人肌の方のように思います
その坂本さんが1979年の「日本レコード大賞」で編曲賞を受賞した曲がサーカスの「アメリカン・フィーリング」
坂本さんの編曲がサーカスのコーラスワークとほどよく調和して、気持ちよく空を浮遊している感覚が聞く人に残る、まさに当時のJALのCMに相応しい楽曲となっています
❷くちびるNetwork(岡田有希子)
作詞: Seiko、作曲:坂本龍一、編曲:かしぶち哲郎
若くして伝説となってしまったアイドル岡田有希子さんが早逝される2ヵ月前に発表された最後の曲…
この曲は坂本さんの作曲、Seiko(松田聖子)さんの作詞という話題性よりも、岡田さんのある意味、早逝される前の何とも言えない不思議な輝きが勝った楽曲ですね
歌っている岡田さんがもの悲しげな何とも言えない表情だけれども歌声には色気があると言いますか…伝え方が難しい(語彙力がなくてすみません)
❸「以心電信 (YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF)」(YMO)
作詞:細野晴臣,ピーター・バラカン 作曲:坂本龍一,高橋幸宏 編曲:YMO
歌物の「YMO」といえば「君に胸キュン」が有名ですが、個人的にはこの楽曲が歌物の中で一番好きな曲です
曲調が高橋さんの声に一番合っていると思います
「まずは自分自身を見つめ直す・しっかり持ってから、誰かを助けてごらん」といった歌詞で、(高橋)幸宏さんから優しく諭されている感覚に浸ります
❹「少年」(GEISHA GIRLS(ダウンタウン))
作詞:売野雅勇 作曲・編曲:坂本龍一
楽曲はフォークですが、坂本さんらしい知的で瀟洒な部分も垣間見られます
詞の方は懐かしさとセンチメンタルが合わさり、一度は思春期にこんな経験や感情を持ったなと、あの頃の自分を俯瞰する感覚になります
歌唱は、GEISHA GIRLS=ダウンタウンであり、「H Jungle with t」とほぼ同時期のようです
浜ちゃんの少し甲高い歌声により、一段と心に響きます
❺戦場のメリークリスマス(Merry Christmas, Mr. Lawrence)
作曲:坂本龍一
坂本さん個人の楽曲といえば映画「戦場のメリークリスマス・略して<戦メリ>」が、まずは思いつく人が多いと思います
特にサビの部分がシンプルで覚えやすく頭に残ります
映画では、坂本さんも「ヨノイ大尉」の役で出演されており、主演の「デビット・ボウイ」と相対する妖艶な魅力を放っており、戦争映画ですが、国も宗教、民族も違う人間同士の友情・尊重・理解等が描かれています
紹介した曲は、私の独断と偏見で選んだ一部の楽曲ですので、他にも坂本龍一さんの素晴らしい楽曲は様々なジャンルで沢山ありますので、ぜひ聞いてただければと思います
死の着前まで、がんで症状が悪化していく中でも、自らの音楽を追究されておられました坂本さん、謹んでご冥福をお祈りいたします