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2022J1第15節

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

盛者必衰の色が殊更強いJリーグを年間全試合観るにあたり、(DAZNの視聴期限が来ても)あとで振り返るための外付け・記憶の引き出し。個人的に好みだったシーン、"おっ"と思ったシーンを節ごとに格納していきます。需要は私自身にあります。

神戸×磐田

神戸:前節からの変更は右SHのみ。郷家からロティーナ・ヴェルディ時代の秘蔵っ子である井上潮音に。
磐田:前線をローテーション。上原はそのままに、大津と大森にシフト。右WBに鈴木雄斗、CHに山本康裕が戻ってきた。

75'45"
最後にイニエスタに打たせるための作り。
磐田の落としたボールがずれたところをリンコンが右から内に向かって運んでリカルドグラッサと遠藤を引き付けると、大崎が右外を回り、ボージャンが左のハーフレーンで脇のサポート。

リンコンがボージャンに預けて最前線に走ると、グラッサはそのままボールに対して二度追い。リンコンに呼応してラインを下げた伊藤に合わせ、グラッサの代わりに下がった鹿沼の動きで大崎へのパスコースが空く。

大崎へ展開したボージャンはやはり前方、ハーフスペース奥へ走ってグラッサを動かすとまた水平方向にパスコース。大崎からの横パスをバイタルエリアで武藤が落とし、ノートラップでイニエスタのシュート。

特筆すべきは前向きのアクションでDFラインを下げさせ、水平方向のパスコースを"空けさせた"リンコン、ボージャンと、鹿沼を中央から誘き出した大崎のフリーラン。
そしてボール奪取時にはリンコンと同じ高さにいたイニエスタの前にスプリントしない選択と、大外の酒井を含めた周囲の追い越すアクション。

清水×FC東京

清水:ホナウドの入っていたところに松岡。ほかは変わらず。
東京:両WGに変更あり。右に渡邊凌磨、左に永井。アンカーが青木から東に。SBは右が中村帆高、左が小川諒也。

44'00"
先制シーン、清水の前向きの矢印を逆用したサンタナの脇からの森重の運び出しと左足での縦パス、カルリーニョスジュニオの背後に立った小川。
簡単にDFライン手前のディエゴオリヴェイラへ差し込んだ後も動きを止めず、エリア内に侵入した小川がミドルシュートのこぼれを押し込む。
安部がFW陣を追い越したことで渡邊がシュートを放つ余裕が生まれた。

横浜FM×京都

横浜:最終ラインはエドゥアルドをそのままに、小池龍太が左に。右の2枚は松原と岩田。前4枚も仲川の配置換えを含めてそっくり入れ替わり、CHは喜田と渡辺皓太。
京都:福岡慎平が久々のスタメン。アンカーは金子。CBが井上と麻田のコンビとなり、左は荒木から荻原に戻る。

07'00"
高丘のフィードからレオセアラで起点を作って裏返し、左サイドの宮市からオープンなアタック。仲川が最終ラインを引っ張ってマイナス方向の西村。
15'30"
松原とのパス交換で京都のプレスを引き出した高丘はその背後に顔を出した岩田へ。京都の中盤を飛ばす対角のロングフィードを宮市が収め、数的同数を作っておいてミドルシュートの選択。
21'30"
左サイドの連携でポケットを攻略してレオセアラ。小池のスタート位置が内側、京都の中盤3枚と白井の間。エドゥアルドからタッチライン上の宮市に入れた速いパスをスイッチに内→外のランで裏を取る。
35'40"
高丘と最終ラインが低い位置で相手のプレスを引き出しておいて、ロブパスを何本か交えてスペースを繋ぎ決定機まで。相手がどこから出てきたのか、どこに穴を空けて対応しているのか認知し活用する意識が高い。

川崎×湘南

川崎:前節のターンオーバーから基本的に鉄板のスターターに戻した格好だが、CBのみ谷口を休ませて車屋と山村のペアに。
湘南:中盤3枚をすべて入れ替え。そのほかは瀬川→大橋が変更点。

23'15"
大岩がバックパスを匂わせてマルシーニョを釣ってからの縦パス、池田が潰れて大外に開いた山本、押し出した畑へ外→外のスルーパス。
53'00"
左サイドの連携、相手を片側に集めておいて自分たちは拡散、エリア内にクロスが上がった時には数的優位。大橋、池田のいずれもクロスを待つ動きの質が高い。
61'45"
こぼれ球へのアクションの速さで圧倒し、自陣方向へボールを逃すようなドリブルで相手の追う動きを引き出して大橋、米本、瀬川が逆をとる縦パス、エリア内に刺すパスと町野のポストワークを挟んで相手を集め、逆サイドでWBの石原がフィニッシュ。

C大阪×浦和

C大阪:アダムタガートと清武のコンビは継続。CBに西尾が復帰。
浦和:大畑が復帰し、ベースの442に戻した。江坂ではなく小泉をチョイス、CHは平野と岩尾をチョイス。関根を右に置いてシャルクが左の担当。

08'45"
ジンヒョンからシャルクを出し抜いた松田への正確なフィード。大畑と岩波の間をとった毎熊への浮き球で右サイドを完全に攻略。
25'50"
球際で優ったシャルク、小泉、ユンカーの個人技でカウンター。ユンカーが引っ張ってファーのシャルクがフリー、小泉がよく見ていてそこにクロス。足下に止めたシャルクは身体を開いて緩いシュートをファーに放つもポストに阻まれる。
60'50"
毎熊が松田に落としたところで浦和のCHが2枚ともボールサイドに、前線までプレスに出ていた関根らが絞りきれていないところに立った清武から逆サイドへの展開。
空いているところを松田と清武が高い技術で素早く活用したことで山中のクロスからハンドを誘発。

鹿島×鳥栖

鹿島:前節と全く同じメンバー。
鳥栖:藤田をアンカーに置く352の採用。2トップは宮代と菊地。

10'15"
三竿から中央への縦パス、和泉がスルーして鈴木優磨とのコンビネーションで前を向く。
17'20"
関川からの斜めのパス、上田綺世のフリックでアルトゥールカイキ。
18'00"
小泉をコントロールで外した三竿からの縦パス、また上田のフリックでピトゥカ。
10分のシーンから、CBから中央に刺した縦パスで中盤に食い付かせ、フリックなりスルーなりで広く開く鳥栖の3バックの間、前に強く出る中盤との間にスクランブルを起こそうという狙いが続く。
47'30"
巧みな追い込みから相手の可能性の低い縦へのフィードを選択させて奪い、鹿島が戻るより早く間を取ってバイタルエリアまで。押し上げた小泉の素晴らしいフィニッシュ。
50'00"
三竿のボディフェイクで藤田を外してからカイキが巧みなコース取りのドリブルで福田を剥がし、上田綺世のダイアゴナルランを囮に使った鈴木優磨へのラストパス。
51'15"
ピトゥカからポジトラでオープンな右へ、和泉のクロスの選択はグラウンダー。相手を抑えつつ微かにタッチしてボールスピードを落とす鈴木優磨がうまい。開始から黒子に徹していたがここでポジションを上げている樋口の嗅覚。
67'10"
三竿から樋口へのフィードの正確さ、ポケットで受けた鈴木優磨の落ち着きと技術。球種とコース、GKから逃げるフィニッシュの選択。

札幌×柏

札幌:GKは中野小次郎。3バックは右から西大伍、宮澤、中村桐耶。福森がCH起用、駒井のゼロトップ。
柏:前節と同じメンバー。

25'20"
ルーカスが食いつきがちなところを狙った上島から大南へのフィード、サヴィオとのワンツーでの右の崩しと、小屋松と細谷が入れ替わって混乱を生み出すクロスへの入り方。
57'00"
札幌の食いついた裏を使って左サイドから押し込み、間を取って小屋松、落ち着いて中村の重心を崩して完璧なシュート。

名古屋×福岡

名古屋:レオシルバではなく宮原が中盤に入り、形も3421に変更。左のアウトサイドが相馬となり、最前線は柿谷。その下にマテウスカストロと仙頭が入る。
福岡:最終ラインは宮と志知が連戦。加えて湯澤とグローリが入った。左右のSHを金森と北島に代えたほか、山岸とルキアンが組んだ。

G大阪×広島

※コロナ影響で後ろ倒しの開催。18節からG大阪は中2日、広島は中3日。

G大阪:3421の形。3バックは右から福岡、三浦、クォンギョンウォン。ダワンの相方は齊藤未月、左WBに黒川。最前線に坂本一彩。
広島:野津田が累積警告で出場停止。塩谷がCHに移り、野上が右のHVに。塩谷と組むのは松本泰志。ジュニオールサントスの1トップで、ベンカリファはベンチスタート。

02'40"
藤井と森島のワンツー。森島からのリターンは待ち受ける相手のいないところに落とすために深くはないが、藤井に近い相手との速度差を引き出せる絶妙な高い浮き球。またその時間で出した森島本人のスプリント。
18'25"
ギョンウォンと黒川、石毛の三角形に相手を寄せておいて藤井・野上の背後に浮き球。
30'45"
前からハメにきた広島により、最終ライン右で詰まったように見えるガンバのビルドアップ。
福岡がボールの持ち方と身体の向きで外を見せて満田を動かし、その脇から向かっていくドリブルでダワンにつく松本の足を止めさせる。
満田と松本の奥にバックステップで距離を取ったダワンに預けると、福岡はそのままセンターサークル方向へ抜け、持って下がるダワンとスイッチ。満田と松本を剥がす。

下がってもらいにきた石毛を気にした森島の動きもあり、空いたパスコースをダワンからクォンギョンウォン、ワンタッチで質の高い縦パスを斜めに動いた坂本へ。石毛に落としてオープンにボールを持つ。

37'50"
右サイドのタッチラインに立った福岡から左大外の黒川まで最終ラインをボールが横断。広島の前向きの守備を誘発。
ダワンが松本の注意を引きつけ、藤井との距離が空いたところに顔を出した石毛とのワンツーで黒川が藤井の背後をとる。ワンタッチでのリターンでなく、石毛が前を向いて溜めたことで塩谷のカバーを許さず。

黒川は進路を斜めに内へ取って長い距離を持ち運ぶ。最終ラインを引っ張って深さを取る坂本、立ち止まって浮く山見、黒川と交差するように走ってスペースを使う齊藤。
引き取った山見が逆サイドにフリーで開く小野瀬、前の坂本を囮にノールック気味のラストパスを斎藤へ。

79'30"
大迫のセーブ。味方でブラインド、ボールが手元に到達する高さがまったく変わるようなリフレクションに完全に反応して止めている。足の運びも咄嗟に速い。

今節のMyベストイレブン


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