070地球/宇宙法/アルゴリズム✳球体コアスペース✳都心中央区探索✳バナナジュース✳オソラナ
私たちは新しく創造された、仮想超重力世界の超重力球体ビルに到着した。
球体フリースペースはこれまでと変わりがなく、無重力状態なので私たちは浮いている。
「じゃあフリースペースを出ましょう」
シェリーのイメージングにより、丸い出入口が現れて私たちは外に出る。
新球体ビル内覧ツアーの時に、着替えは済んでいる。多くはスカートの下にスパッツかレギンスを履いているが、中にはショートパンツの子もいた。
超重力球体ビルは、新球体ビルとほぼ同じ構造をしていて、中心のフリースペースがゼロ層で、その次の外側が一層その次が二層と、ロシアの民芸品マトリョーシカ人形のような構造。
くり返しになるが、無重力で天井も床も無く、あるのは壁または透明壁。最も外側の九層壁から八層壁までの距離は三三メートル。次層は一三メートル。七層は九メートル。六層からゼロ層までの各距離は四メートル。
一層から三層が私たちクランの居住スペース。
四層が屋内自然公園と拡張用の空きスペース。
五層がギルド仮想世界本部とそのメンバー居住スペース。
六層はギルドネットワークス支部と居住スペース。
七層はリゾートホテル/ゲストハウス/アーティストインレジデンス。
八層は球体ビルと同様のポートエリア設置。
九層はショップ。以上は予定。
一層から三層までは私たちクラン専用居住スペースの為、壁で隔てる必要が無い。その為、取り払われた。
部屋とテナントも球体型をしている――。
吹き抜けは一層から九層まであり、専用層には入れないようセキュリティが施されている。
吹き抜けで九層から一層まで来られるが、七層から一層のレイヤには入場できない。反対にそれらのレイヤから吹き抜けには出られる。
無重力の為、吹き抜けはそのまま通路になる九層から中心を通って反対側の九層まで。xyz軸でそれぞれ三つ。これで出入り口は六つ。
球体に正方形を重ねると八つの頂点が球体に当たる。これで出入り口が八つで合計十四……になりそうだったが、流石に多すぎるとのことで、xyz軸の計六つになった。
今後アップデートもあるのだろう。
しかしながら、この世界はしばらくは公開されそうにない気がする。
「さて戻りましょ」
私たちは超重力球体ビルから球体ビルに戻り、着替えも一瞬で終えた私たちは、さて何しようといったところ。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
その頃、現実世界の私たち――私とソファとシェリーとシカナティアは都心の中央区探索をしていた。
東京まで行く予定が、思いつきで八丁堀めぐりをすることに。
主要施設と各駅には『転移クリスタル』が配備されている。
自動に空中移動できる『シェアドローン』は、とこでも呼び出せて乗り捨ても可。空中混雑緩和の為、東京を始め大都市では個人所有が認められてない。
今回は転移クリスタルで移動しそこからは徒歩徒歩することにした。
町あるきが面白い地域というのは、古くからあるお店や、個性的な面白いお店があるところなのかもしれない。
「このお店入ってみない?」
「いいよ」
カランコロンカラン
「ちょっと見させてください」
「はいどうぞ」
オーダーメイドな靴屋さんに入店。私たちはメタスキル『物質解放』によって、楽器と同じように靴、衣服もその都度最適化される。
気に入った靴を履くと、デザインは反映されつつ物質解放によって最適化されるのだ。
もし私たちの仮想世界の場合は、デザインを購入するか、オープンライセンスの場合はフリーで利用できる。
購入の場合は二次創作、アレンジができるかどうかもデザインによって決められている。
先客がいたので、スタッフと話さずにお店を後にした。
二件先に、噂を聞いていたバナナジュース専門店を発見。私は『甘酒バナナジュース』を注文。
ソファはモンブランミックスがないので、ココアバナナジュース。シェリーはヨーグルトバナナジュース。
シカナティアは私と同じ甘酒ミックス。
「「「おいしーーい」」」
うん、おいしいけれど、冷えてるので頭がキンキンする。
ヒューマノイドロボではないスタッフさんに、頭が痛くならない飲み方ないか尋ねてみる。
「ないです」
だそうです。
とはいえ調べればありそうだけれど、このくらいいいかーと飲み続ける一同。
私たちクランに最近紐づけされた『オソラナ』の三人も、先程合流している。
オソラナの三人はお魚が好き。とはいえここはバナナ専門店であり、お魚屋さんでもお寿司屋さんではない。
「マグロバナナジュース下さい。トッピングはイクラで」
「ないです」
「シャ「ないです」ケ」
「オ「ないです」」
圧倒的にないらしい。
オソラナはしょぼんとしながら、それぞれ何らかミックスされたバナナジュースを飲んだ。
カウンター席の隣に座している、外見は女性の方に話しかけてみる。
「お昼休みですか?」
「いえ、旅行中です。愛知から」
聞くところによると、この後は東京駅辺りに行く予定らしい。
「レアバナナジュースはまたの機会にしましょう」
と、私はそう話して、全員が飲み終わった為、ご挨拶して移動。
道中、共有施設にて、近くにプラネタリウムがあることがわかり、向かうことに。
共有施設とは、誰のものでもない施設のこと。誰のものでもなく、ほぼ誰でも利用できる。
旧来では公共施設と呼ばれていた。管理は有志スタッフと寄付ヒューマノイドロボで、寄付金により運営されている。
旧地方自治体の持っていた地域の自治権は他のギルドと共有され、自治体もギルドとしてネットワーク化されていた。そのギルドメンバーも有志で運営に参加している。
便宜上、行政区画はそのまま利用されている。
私たちのクランはギルドに紐づけされ、ギルドはより大きなギルドネットワークス(以下、Nets)に紐づけされている。ギルドNetsは広義のエクスファミリアと私たちは認識していて、そのギルドNetsは他のギルドネットワークスも紐づけされている。
決まった名称はないが、スーパーギルドNets、エクスギルドNets、アースギルドNets、またはまとめてスーパーアースエクスギルドNetsと呼ばれている。
そして各Netsのシェアルゴリズムもネットワーク化され、地球のシェアルゴリズムとしての『地球法/アルゴリズム』がほとんどの地球民族に適用されている。
『宇宙法/アルゴリズム』も存在するが、どのくらい言語化し認識できているのかわからない。
これらはまさに『最適神秘解』に通じるばかりかそのものとも言える。
これらの根本シェアルゴリズムをコアアルゴリズムなので『コアルゴリズム』と呼ばれる。
コアルゴリズムを根本、基本、デフォルト法とし、共通する法律も多い。無論、条例や慣習はギルドやクラン毎に最適化されている。
スーパー/アース/エクスギルドNets紐づけされていない者もいるが、同様に権利は保障される。
道中、神社をみかけてご挨拶。
《球体ビル中心部の球体フリースペースを球体コアスペースと名称するのはどう?》
突然、シェアルゴリズムから各クランメンバーに『Sync/共有』された。
反対もなくほぼ賛成で、決定。
球体ビル中心の球体フリースペースは、球体コアスペースとなった。
(「地上吹き抜けの球体フリースペースはとりあえずAスタ、地下のはBスタにしとく?」)
(「「「「「オッケー」」」」」)
聖ルカ通りを抜けながら――私たちはプラネタリウムのある施設に到着した。