#いいねの数だけうちの子の実在しない小説の台詞を書く

#いいねの数だけうちの子の実在しない小説の台詞を書く

memo

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) September 8, 2020

始まりは見つけたタグ。2021年1月現在：13件中6人済。

うちの子自体は私のゲーム遍歴の数だけいるので、割とネタ出しは平気なのですが、如何せん脳みそと手が追い付きません。
ゆっくり書き足していきます。

1,梅千代匡辰

「そんな見つめちゃァ失礼ですよお嬢サン。」
　からからと笑う声も軽やかに己の髭を撫でつければ、お道化るようにしっぽも揺れる。
　――久方ぶりの逢瀬なのだと出会った町で彼女は愛おしそうに笑った。まるで花開くように緩んだ頬は薄く色付いていて、どれほど特別なのか厭というほど伝わってくる。

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) September 12, 2020

2,ハヤヘット・ヴォイトン

慈しむように布に触れて星のように宝石を鏤めて、踊るようになぞるように裁ちばさみを走らせて。　――ル、リラ　♪　手元を照らすには心許ないけれど、彩られた燦星が灯を受けてチカチカと瞬くよう。
　「まぁ、まぁ！なんて美しいのかしら。なんて眩しいのかしら！」

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) September 12, 2020

3,エルヴァ・オルヴァ

若干の引き笑いを上げる姿は顔を上げなければ泣いているようにも見て取れるが、お構いなしに笑う声はどんどん大きくなっていく。
不意に、笑い声が途絶えた。
口角を吊り上げるように笑みを浮かべた彼は、その体躯からは想像もつかぬ低く冷えた声を響かせた。
　「――お前の願いは聞き入れられた。」

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) October 18, 2020

4,シュエホア・ユン

手に馴染んだ柄を握りしめて、力いっぱいに振り被る。
カコンッと小気味のいい音が響くと眼前に据えられた幹は適当な大きさの薪へと姿を変えていく。ある程度の作業を終えて一息を吐くと傍で見守っていた銀色のコヨーテが面を上げた。
　「はいっ！そろそろお腹が空きましたね！」

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) October 18, 2020

5,ク・ルシュカ・ニル

「君は、とても不思議なことをしているね？」
ひょこりと覗かせた顔は猫のように目を細めて笑う。
普段は露出を厭う彼女が珍しく汗ばんだ両腕を露わにするように捲り上げていた。そこまでなるほどに今の作業がとても過酷なものなのかと、先の自分を想像して思わず息を呑んだ。

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) October 18, 2020

6,夜玖晟廿狼

雲間から差す月の光が声の主を浮かび上がらせるも、錆びた羅紗切り鋏がぽつねんと不自然に道の真ん中に転がっているだけだった。背筋を冷たい汗が伝い身震いをして踵を返す。
　「そんなに早足でどこいくのォ？」
とたん耳元で場違いなまでに甘い囁き声と――シャキン。刃の空振る音が聴こえてきた。

— 🌈Nil（にる） (@vaskavil) October 18, 2020