色塗りを変える!
というわけで、以前(https://note.com/wevip/n/nb1a63b402b39)線画を変えたのでそのお知らせをしたわけですが、今回より改めて、色塗りの方法も変えることにしました。これまで使ってきたゑびっぷ式色塗り法も気に入ってはいるのですが、何せ新しい線画にはどうも合わないと感じまして。
新たに挑戦する色塗り法は「グリザイユ画法」でございます。
イラストを学んでいる方なら耳にしたことも多いと思いますし、実際に使って色を塗ってる方もいらっしゃるかと思います。
まあ簡単に説明しますと、最初に灰色や白や黒などの無彩色で明暗を表現してからその上に色を合成する塗り方でございます。
そのグリザイユ画法に俺なりのアイデアを織り交ぜて色塗りをしてくことにします。
まあ見てもらった方が早いですね。
今回描くのは俺の好きな漫画、芦奈野ひとし先生作「ヨコハマ買い出し紀行」の初瀬野アルファさんだ!
ラフ
というわけで早速ラフです。
ラフだとわかりにくいかもしれないけど浴衣を着てます。夏祭りに一緒に行くイメージです。アルファさんと夏祭り巡りなんてまるで夢のようだ…
夢を現実に変える第一歩だ!
線画
以前紹介した新しい線画にて描きました。外側の輪郭線を太くし忘れたのですが、グリザイユ画法を使うにあたりこれでもいいかもしれません。
さあいよいよグリザイユ画法を使っていきますよ!
グリザイユ画法
まずは新しいレイヤーに灰色で一面塗っちゃいます。
まずは黄色で光が当たる部分や出っ張ってる部分を水彩を使って塗っていきます。色を置いたら広げてくって感じで塗っていきます。こういう塗り方はエアブラシではなく水彩じゃないとできません。
塗る前にしっかりと立体をイメージしておくといいかもしれません。
あと、白でなく黄色を使ったのは光そのものの色をつけたかったからです。
物体の端っこに輪郭線をつける感じで黄色を置いていきます。反射光や光の回り込みの表現です。これで存在感がグッとアップしますよ。
同様に髪以外の部分に黄色を塗りました。
服に塗る時は黄色のかたまりを置いてく感じにすると服のしわを表現できます。
髪も塗っていきます。髪の毛の流れを意識して細い水彩筆を使って塗っていきます。
髪も輪郭を塗ります。後でハイライトを付けることを意識して、ハイライトを付けたい部分を強調します。
青で陰になる部分を塗っていきます。大胆に顔や体の半分は青くするイメージで塗っていきます。
ゑびっぷ式色塗り法の説明(https://note.com/wevip/n/n6d9416190337)で「光が当たってない部分は全部影」と説明しましたがここでもその考え方を生かします。灰色が残る部分を極力少なくしていきます。
更に暗く彩度の低い青を使ってより暗い影の部分を塗っていきます。業界的には「2影」と呼ばれてる塗り方ですね。
白を使ってハイライトを入れます。基本的には黄色の輪郭部分をなぞるだけですが、あらかじめハイライトを入れることを想定した髪などの光沢のある部分には大胆に入れていきます。
これでグリザイユ画法のキモとなる明暗部分は完成です。正直言ってこれだけでも十分見栄えがして完成品と言いたくなります。
ですがこれで完成と言ってはいけません…!まだ色がついていないのです!!
色塗り
色塗りはまあ簡単と言えば簡単です。実際に色を置いてみて、色んな合成法を試してみてしっくり来るものを採用していけばいいのです。
まずは肌色です。実際にはかなり赤に近い色を置いてハードライトで合成しました。そうするとこんな色になります。色や合成法、透明度を色々いじることで色んな表現ができますので、正解はありませんから皆さんには色々お試しいただきたいです。
一旦肌を非表示にして浴衣を水色で塗りました。これもハードライトで合成しました。白く見えるでしょ?
浴衣に模様を描いて肌と一緒に表示です。一旦合成モードを通常にしてからレイヤーを統一してまたハードライトで合成しました。事故防止のために合成レイヤー同士の統一は通常モードにしてからの方がいいと思います。違う合成モードのレイヤーは色塗り終了まで統一しない方がいいです。
髪を塗りました。かなり青みの強い緑で塗ったらこんな感じの鮮やかな緑色になりました。合成モードはハードライトにしたらハイライトの白が生きなかった…だけど他の合成モードだとどうも色がしっくりこないので仕方ありません。ハイライトはまた後で追加します。
で、ハイライトを追加。元々ハイライトだった部分の色を生かしていい感じのツヤを表現しました。怪我の功名。
細かい部分も同様に塗っていきます。
色塗りはざっとこんなところでしょうか。
色トレス
さて、これまでは線全体を一色で統一してきましたが、今回は色トレスをします。やり方は簡単。
新規レイヤーを追加して線の上を直近の色で塗ります。
で、クリッピングして透明度を調整すれば色トレス完了。
仕上げ
目やイヤリングの描き込み
背景&グラデーションレイヤーで完成!
やっぱアルファさんかわいいっす。あーっ!マジでアルファさんと夏祭り行きてえ!!!
てなわけで、グリザイユ画法を使って描いてみたわけですが、思ったんですが、ゑびっぷ式色塗り法で培ったノウハウが結構役立ってるんですよね。立体感だったり細かい凹凸だったりと言った部分の勘どころがわかるというか。上でも言いましたが「光の当たってない部分は全部影」っていう感覚をつかめていなければグリザイユ画法をここまで上手く使いこなせていなかったかもしれません。そもそもこの「光の当たってない部分は全部影」って感覚は芦奈野先生の画法を研究した結果行き着いた境地ですので。やっぱ「ヨコハマ買い出し紀行」は神漫画だ…
というわけで、グリザイユ画法を獲得しまた神絵師へ一歩近づいてしまいました。また次回をお楽しみに!
アルファさんと夏祭り
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