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自転車6ヶ月初心者が、自分でロードバイクを組んで、5年後に手放した話(上)

はじめに

2016年10月、ロードバイク初バラ完のエピソードです。結論から言うと「素人でもバラ完は出来るが、適切な工具を揃える・ロードバイクの構造の勉強は必須で、それなりに手間と時間を要する」「小型折りたたみ自転車=ミニベロカスタムから自転車の世界に入門した奇特な界隈には、700Cみたくタイヤ大きいロードバイク乗ってもイマイチ面白くない→あまり乗らない→処分」と至ります。舗装路を走行する上では、最も効率の良い自転車なんですけどね、車輪が大きいロードバイク。輪行メインで旅先運用が多いので、出番が少なかったのです。

ロードバイクのバラ完→パーツやフレームを自分で調達し自分で組み上げる行為は、自転車愛好家の間ではポピュラーですが、自転車は軽車両です。きちんとした整備と安全に街を乗れる状態である事が求められます。くれぐれも自己責任である事をご承知下さい。

ロードバイク導入のきっかけ

筆者は14インチの折りたたみ自転車を購入し、あれこれ改造し、装備も整え、佐渡島120kmや裏磐梯→会津若松雨天ダウンヒルをやったり大変サイクリング生活をエンジョイしていました。

新幹線で帰路についていると、自転車ノウハウを教えてくれた友人から、連絡がきました。

2016年佐渡サイクリングの時のFacebook

14インチカスタム自転車で走った様子をSNSにアップしたところ「700Cロードバイクに乗りなさいよ」「タダで105コンポの一式・鉄下駄ホイール・タイヤ・ステムとかハンドル周辺を提供するから、フレームは自分で見つけて調達してね!あとケーブルやSTIレバーの持ち手等の消耗品も揃えて!」とありがたい話がやってきました。提供先の友人は、チームメイトに電動アルテグラ一式を譲って貰いアップデートするそうで、玉突き的にコンポが不要になったものの、自前で自転車に組み付けできそうな私に声がかかったのでした。彼のチームには自転車屋さんがいるようで、メカニック兼ねてるそうです(草ロードレースチームあるある)

ロードバイク購入(700C)フレームを探そう!しかし…

早速、スポーツ自転車屋さんに行きます。フレーム単体が欲しいのですが…置いてあるのは”完成車”ばかり。それもそのはずで、フレーム単品売りだなんて20万円以上とか、いわゆる高級グレードの車体からなのです。店員さんにカタログをパラパラ見せてもらってがっくり。この時はそのような事は知らず「フレームだけ買おうとすると、50万円するのかぁ」と。仕方ないので、ロードバイク完成車を安く入手すべく、中古自転車ショップを巡ります。ロードバイクは身長とのサイズが合っている必要有り!と知識はあったので、可能な限り実物を見て、状態を確かめたかったのです。

欲しいロードバイクのフレーム条件

  • フレーム色は白系

  • カスタム情報の多いポピュラーな製品

  • SHIMANOコンポを積んでる≒105に換装する上で低難易度っぽい製品

Anker RFA600

ANCHOR RFA900 2011年製[仕様]
・メーカー:BRIDGESTONE
・モデル名:ANCHOR RFA900
・カラー:ホワイト
・フレーム素材:アルミ
・フォーク素材:カーボン
・コンポーネント:SHIMANO 8Speed
・タイヤサイズ: 700 x 25C
・シートチューブ:約480mm

自分の身長に合いそうで、価格も安く状態の良いモノを発見。アルミでもクロモリでも、材質、色、形状も何でも良かったので、即決購入。リアステーにスタンドが無理やり?付いてました。

BB下から撮影 水抜き穴の箇所も非常に綺麗だ

汚れがちなBB下も綺麗で錆なし。ワイヤーガイドも劣化ありません。全然乗らずに室内保管かな?って感じでした。

パイプでレンチを延長して時計回りに回す!

中古店で長年売れ残ったのか、グリスは乾燥しきり「右ワン外れない」「右足側ボトムブランケット外れない」というバラ完や中古自転車カスタムに頻発する通過儀礼も達成しました。折りたたみ自転車カスタムで不要になった、DAHONシートポストでレンチを延長して、回転トルクを増やして回して外しました。右ワン外れない問題は、車両メンテでも頻発するので、このアルミパイプは捨てずに工具として持っています。

フレームだけになったAnker RFA900

早速、全部バラしてフレームだけにします。フレーム以外の外したパーツ全部、中古自転車ショップに持参して売却=処分します。全部で1万円弱で売れました。5年前のフレームを40,000円程で入手出来た事になります。

実勢相場では、この自転車は完成状態で12万円程だった様子でしたから、ケーブルやSTIレバーのブラケットゴム、組付け工具などなど消耗品含めて、中古105コンポ譲ってもらって鉄下駄ホイールとタイヤ装着するにしても、総額5万円~6万円+気合の組付けDIY(Priceless)となります。ロードバイク入門には渡りに船です。部品を触れば、自転車の構造も分かりますしね。

中古105コンポ類、青パッケージは消耗品や工具

はじめてのバラ完開始

譲り受けたパーツは、中古の中古です。表面的には油汚れは拭いてもらいましたが、クリーニングはされてないので、可能な限り綺麗にします。

STIレバーの簡易分解し清掃

STIレバーは、ロードバイクのコンポートの中でも、最も複雑な機械的部品のひとつだと思います。シマノのマニュアルに分解手順が書かれているので、参照しながら分解し、アルコールで汚れを拭き取り、組付け時にはギア屋可動部に注油します。正直初見の者には、STIレバーの構造は複雑すぎて、全バラしはしていません。バラすにもコツが要るようで、六角レンチで全部バラせる程簡単ではありませんし、外し方が分かりにくかったりシビアで難しい箇所もありました。
しかし、STIレバー特有の横縦に動くレバーと、それを構成する歯車の構造には惚れ惚れしました。自転車の機械的な美しさに触れたような気がして、とても楽しく勉強になりました。構造を理解すれば異音や渋い動きの箇所の原因特定にも役立てることが出来ますしね。

変速機調整の様子

最も難しかったのは、リアディレイラーの調整。リア10速なのですが、シフトアップ、シフトダウンが途中までしか出来ません。調べたところ、原因はワイヤーの取り回し。STIレバーから、物理的にワイヤーを引っ張りディレイラーのプーリー移動をさせているので、このワイヤーがスムーズに引っ張れないと、ディレイラーも動いてくれないのでした。
これはバラ完において最も解決に時間を要した点で、原因はハンドル周囲のケーブル取り回しのやり方でした。一度リアディレイラー=ワイヤー=右STIレバーを伸ばした状態で変速チェックをし、10速が綺麗に変速されるようリアディレイラーの調整を行ったあとで、ワイヤーを組付けていき、問題箇所を探した為にかなり時間を要しました。ワイヤーの取り回しは、ハンドルに緑の養生テープを巻いて剥がしてを繰り返して確認しています。

完成(仮)したのでテスト走行

近所を軽く走ってブレーキ、変速に問題ないことを確認したあと、軽く試運転に遠出をします。アップダウン含めた丘と景色を求めて、横浜の山手の丘へサイクリングに行きました。

みなとのみえる丘公園まで初ロードバイク

東京の山の手エリア、横浜市しかり、川崎市の多摩方面しかり、場所はどこでもよいのですが、傾斜がある所で変速機チェックしたかったのと、交通の少ない道を選んだら横浜を走ってました。何かトラブルがあったら輪行して帰宅できるよう、鉄道沿線沿いです。

Ankerなので日の丸🇯🇵テーマにアッセンブリ

よくロードバイクの走りを形容する様として「翼を得たような軽快な走り」がありますが、素人がバラ完した未調整の自転車がそうなるはずはなく、走行しては都度都度、工具を取り出し、クイックの締めつけを変えてみたり、ブレーキシューのアタリ調整、前後の変速機の調整、トルク足らずで緩みが出た箇所の増し締めを行い、徐々に走れるようにしていきます。

テスト走行まとめ

  • テスト走行時に判明し修正したこと

    1. 前タイヤの装着は回転方向が逆のまま走ってた

    2. 振動に負けてスポークに当たりまくるリアリフレクター。粘着テープで対応

    3. ダウンチューブ下に設置したボトルゲージにフロント変速のたびにチェーンが擦れてボトルが削れていく。第3のボトルゲージ位置調節はシビア

    4. 前後ブレーキシューの位置調整は都度行っていたが、タイヤのサイドウォールに当たったり、ブレーキ鳴きが起きたり。ガレージでやるべき

  • テスト走行時に組んだ装備について感じたこと

    1. 役に立たなかった視野の狭いバックミラー

    2. コルク素材のバーテープは巻くのが難しく、ポリマー素材のものは引っ張りに強いので簡単

    3. バーテープを二重巻きした為、外側に巻く日の丸テープの長さが足りない

    4. 柄物テープは巻くのが難しい。引っ張りすぎると日の丸が楕円に歪む

  • 14インチ折りたたみミニベロと700Cロードバイクの体感差

    1. ロードならスプリントかけても40km/hが限界、前を風避けに追尾し速度が乗れば45km/h巡航できる!

    2. 加速性能とスプリント時の最高速度は14インチ折り畳みの時の方が上

    3. やはり不格好でも自作チャリで走るのは愛着あるし至高

バラ完してみた結論

  • ロードバイク乗ったことのない初心者がフレームバラ完組みとかするもんじゃない。

  • 主な工具が揃っている環境だからできる技であって、時間かかるし超大変である。車とかバイクとか機械いじりが趣味でないとやってられない。

次の記事、(中)では700Cロードバイクでの初ロングツーリングを綴ります。

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