【漫才.123】一人称
井口 はいどーもー!ウエストランドです!よろしくお願いします!
河本 お前この前、『俺の才能はマジで凄い』って後輩に言ってましたよね?
井口 なんだそれ!そんなこと言ってねーよ!
河本 いや、言ってたじゃないですか。これはマジで。
井口 言ってねーよ!
河本 ホントに言ってよ。
井口 言ってねーよ!自分の事、俺なんて言ってないから!
河本 え?
井口 俺って絶対言わないから。一人称、僕だから。
河本 いや、そこはどうでもいいでしょ。言ってる内容の問題だから。
井口 よくねーよ!大切だろ!そこが間違ってたら何にも入ってこねーよ!僕は絶対僕としか言わないから!
河本 そんなことないでしょ。俺っていうときもあるでしょ
井口 ないよ!!!!絶対言わないから!俺なんて言ったこと一回もないから!!!
河本 そんなにムキにならなくても…
井口 なるよ!一回も言ったことないんだもん!僕は僕としか言わないから!なのになぜかインタビューの記事とか漫才の文字起こしとかで、俺にされてるんだよ!なんでなんだよ!僕なのに!
河本 まぁ男は俺って言う人が多いから。
井口 勝手な事するなよ!僕は僕のアイデンティティなんだから!僕が僕であるために、僕であり続けなきゃいけないんだよ!
河本 そんな尾崎みたいに言われても。
井口 そもそも、みんないつ僕から、俺に変えたんだよ?
河本 いつって、普通小学生くらいとかじゃないですか?
井口 そのタイミングが僕にはなかったから!なんで俺って言い出すかわかるか?
河本 さぁ?
井口 かっこつけなんだよ。みんなかっこつけて俺って言い始めてんだよ。俺って言うのかっこいいでしょって感じなんだよ!かっこつけんな!
河本 別にかっこつけてないと思うけど。
井口 俺って言い出すのはかっこつけなんだよ!大人への背伸びなんだよ!不良になるのと同じなんだよ!
河本 俺って言うのは悪い事じゃないでしょ。
井口 悪くないけど、かっこつけてはいるから。よし、今日から俺でいくぞ、って思うわけだろ?
河本 そんな事思わないでしょ。
井口 僕は今日から俺でいくんだ!だってその方がかっこいいから!僕だとかっこわるいもんな。よし、俺にするぞー!って考えてんだよ!わー、勇気いるなー。お、おれはー。わー!俺って言っちゃった!みたいな感じなんだよ!
河本 だとしても別にいいじゃないですか。
井口 よくねーよ!何がよくないって、そのときかっこつけて俺にしたのに、目上の人の前とかちゃんとした場所では、僕にするだよ!貫けよ!!!
河本 みんなそんなこだわりないから。
井口 こだわり持てよ!!僕は僕にこだわり持ってるから!僕のセリフを絶対俺にするなよ!!
河本 …どうでもいいでしょ。
井口 良くないよ!僕は僕だから僕なんだよ。僕が俺だったら僕じゃないだろ。
河本 は?
井口 だから、僕は僕だから僕なんであって、僕が俺だったら僕じゃないだろ。逆に僕が俺だとして考えてみろよ?俺が俺だったら俺だけど、俺が僕だったら俺じゃなだろ?
河本 何言ってるんですか?
井口 だから、僕は僕だから僕であって、僕が俺だったら僕じゃないし、僕が俺だとしたら、俺が僕だったら俺じゃないし、俺が俺だったら俺だけど、僕は僕だから僕なんだよ!!わかったか!!
河本 わかりましたよ。だから、『僕の才能はマジで凄い』って後輩に言ってたんですね?
井口 そうだよ。そう言ってたんだよ。…いや、言ってねーよ!もういいよ!
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