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いまさら翼と言われても/米澤穂信
古典部シリーズの第6弾である本作。古典部シリーズは短編集と長編があるがこれは6つの短編で構成されている。今回はホータローのポリシーの理由や摩耶花の退部理由など、これまで謎だったものが明かされていき、「そうだっのか」と思いながら読み進めていた。
あらすじ
各短編のあらすじを全て書くわけにはいかないので、印象に残ったものだけ書く。
・わたしたちの伝説の一冊
文化祭後から漫画を「下手でもいいから書いてみたいグループ」と「読みたいだけのグループ」の亀裂が大きくなっていった漫画研究会。前者のグループに属する浅沼は文化祭に同人誌を出そうと摩耶花を誘う。摩耶花は無事に描ききることができるのか、、、
・いまさら翼と言われても
地域の合唱祭でソロパートを担当することになったえる。しかし、集合時間になっても姿が見えない。どこにいるのか?何故このタイミングなのか?ホータローはえるを捜索する。
感想(ネタバレ有)
わたしたちの伝説の一冊
この編で最も印象に残っているのは、自分は何のために絵を描いているのだろう?と自問自答したシーンである。退部する決心をつけたのは先輩からの誘いだったが、この時から退部の選択肢は頭にあったのではと感じた。
こう考えると先輩は気が利く人である。摩耶花が本当にしたいことを汲み取りそれを後押しする。
こんなことをできる人は滅多にいない。
2人で作る漫画が楽しみだ。
いまさら翼といわれても
この短編はやはり最後のシーンだろう。私は千反田のレベルで「やるはずだったものをやらなくていい」と言われたことがない。なので気持ちが分からない。その描写がないが、おそらく千反田はソロパートを歌ってはいないだろう。今まで千反田にこんな事があっただろうか?つまりホータローとは別の休憩期間に入ったような気がする。彼女はこれからどのような将来を歩むのか気になる。