HSK5級合格を目指して 〜②文法力強化〜
こんにちは。
今日は、以前投稿した〜①語彙力強化〜の続きとして、HSK試験対策その②文法力強化について書いていこうと思います。
①語彙力強化、②文法力強化、③リスニング力強化、④作文力強化
私が文法力を強化する際に行うことは3つあるのですが、基本方針は1つです。それは「ルールを覚えるのではなく実例を覚える」です。語学を学ぶ際に、まずは文法のルールを理解したり暗記しようとしたりする人は多いかと思います。実際に、私も中高時代、英語を学ぶときに文法を呪文ように覚えた記憶があります。ですが、それでは例外に対応しづらかったりそれぞれの文法がごっちゃごちゃになったりして、いざテストや会話で文法を思い出そうとすると、「あれ...あれってどっちだったっけ...?」となることがよくありました。それを回避するのに効果的だと思っているのが、実例をとにかく覚えることです。個人差は大いにあるとは思いますが、どちらも同じ暗記であれば、ルールを覚えるよりも実例(文章)の方が頭に入りやすく思い出しやすいと思います。詳しくは以降で説明していきます。
中国語に限らず語学に共通して言えるのですが、ルールによって言葉が使われているのではなく、使われている言葉がルールになっているので、ルールを覚えようとするよりは、使われている言葉の方をとにかく覚える方が効率的ではないでしょうか。(もちろん言語の専門家や語学の先生になるのが目的であればルールの理解も大事だと思います!)
私が文法力を強化する際に行っていること(ステップに近い)は3つあります。
1. 文法辞典を作る。
まずは文法辞典を作ります。これは、あらかじめ文法だけをまとめたような書籍を買うよりは、自分で買った100円程度のノートに参考書等で解説されている文法事項をまとめていく方がいいと思います。その際に、少しでも今後あやふやになりそうだと思った文法事項は、どんなに初歩的なことでもまとめるべきです。(例えば私は、副詞の「也」と「都」を同時に用いる際の順番ってどっちだっけ...?と思ったので、超初級の文法事項ですが文法辞書に加えました。)
まとめ方は自分があとで見返した時にわかりやすいようにするのが一番だと思いますが、基本的に自由でいいと思います。私は簡潔こそ至高だと思っているので、あまり余計な情報は入れずに、①番号(1行空白でもよかった...)、②文法事項の一言ポイント(「"也"+"都"の語順」)、③語順とか要素(「S也都V」)、④例文を1項目3行でまとめています。
実は、この文法辞典は基本的に使うことはありません。じゃあなんで作ったんだよ!!と思われるかもしれませんが、日常的に家にある広辞苑を読む人はあまりいないと思います。文法"辞典"というだけあって、あくまで普段中国語を勉強したり文章を読んだりしていて、よくわからない文法があったときに確認するために作ります。
また、文法辞典としてノートに文法をまとめる際の副次的な作用として、ある程度それらの文法について理解するようになることも良い点だと思います。ただ、この時に完全に理解しようとしなくていいです。(また、レイアウトや順番にこだわったりするのもあまりお勧めしません。)どうしても完全に理解しよう(細部にこだわろう)とすると、作成スピードが遅くなります。スピードが遅くなると当然ですが完成までに時間がかかり、次第に飽きたり面倒臭くなったりして途中でやめてしまうことがよくあるのです。何度も言いますが、文法はルールを覚えるのではなく実例を覚えるものなので、理解しようとしなくて大丈夫です。とにかく短期決戦で作り上げるのです。
もちろん「そんなことをする時間がない」、「自分でまとめるのは手間がかかって面倒臭い」といった理由ですでにまとまったものを買いたくなる気持ちはわかります。ですが、語学学習というのはそもそも手間も時間もかかるものなので、そこを惜しむのはべきではないのかなと私は思います。まあそうは言っても文法辞典を一から自作するのが大変なのは間違いないので、最後は自分の判断でいいと思います。
2. セトリを作る。
続いて実例を暗記するための準備をするステップに入ります。
セトリというのは、実例の暗記をする際に使うものです。例として、下にテキストエディットのスクショを載せましたが、これは別に手書きでも問題ありません。私の場合はこれを裏紙などに印刷して使います。なので、印刷機がない場合やインク代がもったいないという方は紙に直接ペンで書いてもらってもいいのですが、データとして残しておくと、時間が経って紙がボロボロになった時にすぐに新しいのを用意できるので便利だとは思います。
念のため書いておきますが、セトリとはセットリストの略で、本来は音楽業界で使われている用語です。ここでは、文章のセットリストという意味で勝手にセトリという言葉を使っています。
このセトリの見方ですが、(A)などのアルファベットは1セットの区切りを表しています(なので別に①とかでもなんでもいいと思います)。その横の数字3:00~9:00はそのセットが対応する時間帯を表しています。この例では日中は時間帯の幅が狭く早朝夜間は幅が広いように設定していますが、ここは自分の行動パターンに合わせると偏りが少なくなると思います。そしてセット内容の実例です。経験則からですが、私は1セット4文くらいがちょうどいい量だと思いますが、ここも自分に合う数でいいと思います。
また、このセトリ1つだけでは24文だけしかカバーできないので、さらに対応するセトリを増やして総文量を増やしていきます。上のセトリは週次対応のパターンの例で、このほかに第2週〜第4週のセトリを作ることで96文、曜日対応のパターンなら168文までカバーできます。ほかにももっとカバーできる方法があるかもしれないので、何か思いついたら教えていただけると嬉しいです。
忘れてはいけないことなのですが、このセトリに加える実例には、ステップ1で作った文法辞典に書いた文法事項を含んだ例文を用います。もちろん、そうでない定型の挨拶や慣用句などの実例を加えてもいいのですが、セトリにも容量があるので自分にとっての優先順位を理解しておくことが大事です。私の場合は、このセトリは文法力強化を目的に作るものなので、定型の挨拶や慣用句などは入れません。
なお必要であれば、このセトリを紙に印刷した後に、+αを書き加えていくと導入段階で挫折しづらくなると思います。例えば、発音の仕方がわからない単語の近くに赤ペンで拼音を書く、覚えるべき文法事項もわかっておきたいから該当部分に下線を引く、などちょっとした要素を加えるのがお勧めです。
3. 「お手洗いセトリ」で暗記を習慣にする。
さて、最後に実例を暗記するステップに入りますが、一番難しいのが毎日継続的に暗記をするという習慣をつくることだと思います。「1日に何文読む」とか「1日何分読む時間を取る」というようなノルマ形式での習慣を身につけようとするとなかなかうまくいきません。人は面倒臭いことは後回しにしてしまうからです。これを後回しにしない効果的な方法が、既に行っている習慣に「暗記をする」という新しい習慣をくっつけてしまうことです。そしてそれが、ステップ2で作ったセトリを活用した「お手洗いセトリ」です。その名の通り、セトリをお手洗い中に読み上げるというだけのことなのですが、お手洗いは全人類・全生物共通で誰しもが必ず行っている習慣なので、誰もが活用することができるスーパーウェイ(英語力...)なのです!!
具体的には、ステップ2で作ったセトリを印刷した紙をお手洗いのドアの内側や壁に貼ります。お手洗いをするたびに、対応する時間帯(場合によっては週や曜日なども)のセットの文を読み上げる。お手洗いから出る。以上!!!簡単ですね!!!
この方法にもデメリットはあります。一つは、お手洗いの中がセトリだらけになってしまうことです。もしお友達が家に来たとしてもお手洗いを貸せなくなってしまいます。もう一つは、男性の方が小の方をするときにセトリが背の方にあって読めない、という問題です。これに関しては座ってするようにしてください。最近は座って小をする男性が増えているとかいないとか。石田三成が関ヶ原で敗れたのは座る派だったからだという逸話(ん?)もあるくらいポピュラーな方法です。大も小も座ってすれば万事解決です。
ちなみにですが、私はこの「既習慣←+新習慣」の既習慣の部分を色々な方法で試してみました。例えば、部屋のドアに貼り、「毎回部屋のドアを開ける前にセトリを読む」とか、ベッド脇の壁に貼り、「ベッドに座る・横になるたびにセトリを読む」だったり、ノートPCの上部に貼り、「PCを使うたびにセトリを読む」などなどたくさんやってみました。ですがどれもうまくいきませんでした。ドアの場合は途中から「今回は急いでいるからやらなくても仕方ない」という言い訳を念じることでやらない習慣へとなっていき、ベッド脇の場合はあまりにも「横になる→起き上がる→横になる→…」のスパンが短いことが多く、途中から面倒臭くなってしまいやらず、ノートPCの場合は比較的続いたものの、外でPCを使う際に見られてしまうことの恥ずかしさが勝り剥がしてしまいました。
一方で「お手洗いをするたびにセトリを読む」という習慣であれば、お手洗い中は出すものを出してしまうまでは急ごうにも急げないので①読む時間が確保されている、どんなに頻度が高い人でも数分に一度のスパンで行く人はいないため②適度な頻度で行う、家の中であれば友達でも呼ばない限り他人の目に晒されないため③恥ずかしくない、またお手洗い中はスマホを持ち入らなければ他にすることがないため、暇つぶし感覚で壁にある文字をついつい読んじゃう=④努力だと思わない(私だけ?)、その他にも⑤毎日する、⑥1日の中で何度も行う、などメリットが豊富なので最終的に「お手洗いセトリ」という方法に落ち着きました。
次回は、③リスニング力強化について書こうと思います。
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