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TEACCHプログラム


Yが幼稚園の年少さんの秋頃、近くの病院で診断を受けました。

「自閉症スペクトラムの疑い」

疑いっていうのは先生が「・・・・・・・かな~」と語尾につけたので。

病院に通うつもりも、自治体の療育に行くつもりもないと最初に話していたので、先生も特別こちらから言うことはないと言った感じで「それならもう(来なくて)ええよ~」とこちらの考えをあっさり受け入れてくれました。

診断を受けて良かったのは、私はここで初めて児童発達支援が利用できることや、療育手帳の存在を知ったのです。その後取得するのにかなりスムーズに手続き出来ました。


そして、自治体の方と今までのことを話していると、「隣の市のもので、別にすすめるわけではないんだけれど・・・」と前置きしながら、こんなのもあるよと一枚のチラシを持ってこられました。

隣の市では民間の療育施設を紹介するらしく、その中の1つとのことでした。私は内容を見て、せっかく教えていただいたのだからと行ってみることにしました。

そこはTEACCHプログラムを採用していました。(私がこの施設でやっていたことがTEACCHプログラムに基づいていたとか「構造化」という言葉などは後から知りました。)

TEACCHについての説明は四谷学院のHPがわかりやすかったので一部引用させていただきます。

TEACCHとは
「Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children」は、アメリカのノースカロライナ州の州立機関です。
この頭文字をとって、TEACCHプログラムと記載します。
日本語では、「自閉症及び、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育」と訳されます。
TEACCHプログラムに基づいた実践として「構造化」という方法があります。構造化とは、学習や生活場面において環境設定やスケジュールの提示などによって、何をすべきかをわかりやすく提示する方法のことです。

マンツーマンで1時間。

作業 → 休憩 → 遊び → 作業・・・のような感じで、タイマーで時間をきっちり計ってやります。その際、場所も変わりますので移動するときに次の場所までカードを持っていきます。タイマーが鳴ったらカードをもって移動、また鳴ったら移動・・・1時間の中で何回か繰り返します。

作業は全て手作り教材で、同じものを分けたり、ねじ回しをしたり・・・考えさせるものや手を使って細かい作業をするものなど、1つひとつが本当によくできていて、それが難易度の順?に用意されていました。小学生用まであったので何十種類、もしかすると100を超えるぐらいあったかもしれません。

息子はなんとか、こなしていたように思います。緊張していたからか、静かに黙々とやっていました。

電車に乗っていくので、電車好きの息子は嫌がらずに通いました。

何か月か通ったある日、「今日はお母さんにビデオを見てもらいます。」と言われ、視聴することになりました。

そこには家でTEACCHプログラムを取り入れているご家族の小学生のお子さんの様子が映っていました。

机で勉強している → 時間になるとカードを持って移動 → カードを「カード入れ」にいれる → 歯を磨く → 終わるとカードを持って移動・・・

保護者の方は学校にもお願いして支援級にも同じように作ってもらった(構造化してもらった)とのこと。

机で勉強 → 移動 → 休憩場所 → 移動 → 作業or身体を動かす場所→・・・
学校ではカードを持って移動ではなく、床にラインがひいてあったように思います。

ひと通り見終わった後に、先生が言いました。

「すごいでしょう。Yくんも、今から頑張ってやっていけば、こんな風に出来るようになりますから。」

え!?

その時、気づいたんです。先生のゴールと私が望んでいることが明らかに違うことに。

TEACCHって構造化することによって自立支援を行うもので、確かに親が関わらなくても、構造化された中では一人で行動できるようになります。それが目的。

一人でやってくれるから、親としては助かるでしょうってことなんだと思います。(本当はもっと目的はいろいろとあるんだろうけど、その時はそう思いました。)


私は息子と普通に会話できるようになりたい。普通に生活したい。


TEACCHの場合、療育中も映像の中でも子供が言葉を発することが少なく、一人で行ったり来たり・・という風に私には見えました。

息子はその時園児でしたが、映像の中のお子さんは小学校中学年~高学年でしたので、この状態がゴールなのかなと・・

その後辞めることにしました。

手作り教材はすばらしかったし、先生はやさしく熱心でした。そこに通っていれば良くなることもあっただろうけど、めざすゴールが違いすぎて・・・先生ごめんなさい。

(あくまでも個人的な感想であってTEACCHプログラムを否定するとかではないです。TEACCHに関して全く知識がなく通ってましたし、息子ができることで新しい発見があったり、良い経験になりました。先生方には感謝しています。)

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