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潰れてしまうオウンドメディアとは?   「立ち上げ前に決まる失敗」の原因と対策

オウンドメディアを始める企業や個人が増えています。一方で、立ち上げたものの、ネタ切れや方向性の迷走などを理由に、閉鎖・放置されるオウンドメディアが後を絶ちません。

この記事では「なぜ多くのオウンドメディアは潰れてしまうのか? 」をテーマに、潰れないオウンドメディアの作り方を解説します。

そもそも、なぜオウンドメディアを始めるのか?

オウンドメディアを始める理由

オウンドメディアを始めると、会社と顧客との繋がりを構築できたり、掲載した情報を自社の資産として残せたりするメリットがあります。詳しくは以前、記事「初めてでも分かるオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアを使うメリット・デメリット」でも解説したとおりです。

こうしたメリットに加えて、オウンドメディアは比較的低コストで開始できることから、「とにかく始めてみよう」と見切り発車で公開してしまい、具体的な効果が出ずに暗礁に乗り上げてしまうこともしばしばあります。

オウンドメディアの安定運営には、最初のプランニングがとても大切なのです。

【オウンドメディア立ち上げ前】気をつけたい失敗する3つの原因

オウンドメディア成功のカギは、立ち上げる前にあると言っても過言ではありません。潰れてしまうオウンドメディアには大きく3つの特徴があります。

失敗原因を並べてみる

失敗原因1) 目的が不明確

オウンドメディアが潰れてしまう理由のひとつは、運営する目的やゴールが曖昧なまま、運営を始めてしまうことです。

よくあるオウンドメディアの目的は以下の4つがあげられます。

  1. 企業ブランディング

  2. 新規リード(見込み客)の獲得

  3. 商品購入、サービスの利用

  4. 人材の採用

企業のブランディング目的のサイトが閲覧数や閲覧者数を目標として設定するのに対し、人材採用目的のサイトは応募数の増加や求職者とのミスマッチを防ぐことがゴールであるため、当然提供するコンテンツが異なります。

また、目的によってターゲット(ペルソナ)やサイトのデザインなども大きく変わってくるため、まずはどのような目的で立ち上げるサイトなのかを明確にする必要があります。

必ずしも目的をひとつに絞る必要はないですが、「流行だから」「同業他社が始めたから」という理由で何となく開始すると、サイトの運営が行き詰まった際に進むべき方向性を見失ったり、担当者のモチベーションが維持できなくなったりしてしまいます。

失敗原因2) ユーザー像(ペルソナ)が不明確

運営する目的のほかに、サイトを見てくれるであろう読者像(ペルソナ)を設定することも大切です。なぜなら、ペルソナ設定が曖昧であると、誰に何を伝えたいのかよくわからないサイトになってしまうからです。

また、設定が不十分のまま運営を進めると、複数の運営担当者間で記事のイメージにズレが生じ、一貫性のないコンテンツになってしまいます。

たとえば、ペルソナの設定が「10代〜20代の女性」だけだった場合、若い女性の多くが関心を持つ「美容」や「ダイエット」のコンテンツを制作することまでは決められるかもしれません。

しかし、同じ10~20代の女性でも、居住地や職業、家族構成、収入、趣味が異なるため、ターゲットとなる女性が持つ悩みや希望を絞り込めず、結果として、ユーザーに寄り添ったコンテンツが作成できません。ペルソナを明確にしないと、誰にも刺さらないサイトになってしまうのです。

失敗原因3) SEOの対策不足

オウンドメディアは、ペイドメディア(広告)と異なり自然検索での集客がメインとなります。そのためSEO対策が不可欠です。SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、自社サイト内で工夫することで、特定キーワードで検索したときにトップの検索結果に表示されるよう対処すること全般を指します。

目的とターゲットがしっかり設定してあったとしても、SEOが意識されていないオウンドメディアはほぼ失敗します。なぜなら、どんなに高品質な記事を作っても、誰も見てくれないからです。

SEO対策は、サイトを作る段階からSEOを意識したURLや構造、表示速度、デザインなどを実装する必要があります。サイトができあがってから対策を始めればよい、というわけではないので注意が必要です。

運用していく上で最も重要なのが、「マストキーワード」=特に上位表示を狙うべきキーワードの設定です。具体的には、ユーザーが何かを調べる際に検索窓に入力する文字を、SEO項目でいう「titleタグ」に設定する必要があります。

たとえば、美容液のサイト内購入を運用目的とする場合は、「美容液 おすすめ」や「美容液 比較」など、ユーザーが情報収集をする際のキーワードを選定するとよいでしょう。

マストキーワードを設定し、実際にコンテンツ作成する段階になったら、マストキーワードおよび、関連した情報をより多くコンテンツ内に盛り込みましょう。次項でも説明しますが、その際大切なのが、ユーザーのニーズに沿った内容を発信することです。

【オウンドメディア立ち上げ後】注目したい成功のポイント

オウンドメディアの「目的」「ペルソナ」「SEO対策」を万全に設定した上で、いざ運営をスタートしても、なかなか軌道に乗らないことがあります。そこで、ここから先は運営開始後に見直したいポイントを確認していきます。

対策1) ユーザーが求める情報を掲載する

SEO対策にも共通しますが、Googleでは、以下の条件を満たすものを「ユーザーが求める情報」と定義しています。

  • 高品質であること

  • 信憑性があること

  • 有益であること

星の数ほどある類似サイトの中でユーザーに選んでもらうには、上記ポイントをおさえた、中身のしっかりしたサイトであることが必要不可欠です。そのためには、ユーザーが求めているであろう情報を探り、ニーズにあった内容を発信しなくてはなりません。

最も大切なことは、サイトを訪れるユーザーが満足できる内容になっていることです。特によくあるオウンドメディアの失敗例では、「自社の日記」としか言いようのない、読者にとってメリットの少ない日報を発信してしまっています。会社で毎日起きていることは、読者のメリットとは無関係です。

上記の条件を意識して良質なコンテンツを作成しましょう。ときには、良質なコンテンツの提供を続けるために、外注業者に企画立案を依頼するのもよいでしょう。外注業者を使うと、以下のプロセスをバラバラに、または一括で依頼することができます。

  • メディアのブランディング

  • 記事ごとの企画立案

  • 記事のSEO対策

  • 記事の執筆

  • 記事の編集

  • 記事の投稿

たとえば、執筆する社員がいてもネタ切れに悩んでいる場合は「記事の企画立案」だけを外注するのも効果的です。社内にそもそもオウンドメディアに注力できる人材がいないのであれば、一括で運営を外注するのも効果的でしょう。

リソースが限られているときは本数を限っても、高品質なコンテンツ提供をコツコツ続ける。これがオウンドメディア運営のキモと言えます。

対策2) 自社の宣伝に終始させず、有益な情報を提供する

ユーザーは、知りたい情報や解決したい問題があってサイトを訪れています。訪れたサイトが自社の宣伝ばかりで知りたい情報が掲載されていなかったらどうでしょうか?

多くのインターネットサイトがあふれる昨今では、ユーザーはサイトを見る目が養われているため「広告記事」に敏感です。広告色が強すぎると感じれば、ストレスを感じて去ってしまうでしょう。

商品購入やサービス利用目的のサイトであっても、ただ単純に商品購入リンクを設置するのではなく、たとえばどのように商品を活用すればよいのか?   どんなアレンジができるのか? などをていねいに紹介していくとよいでしょう。

対策3) コンテンツ「数」も十分に提供する

良質で有益な記事が掲載されていたとしても、そもそもコンテンツの数が足りていないとユーザーとのつながりが生まれません。

また、Googleに評価されて検索上位に表示されるには、コンテンツ数で100記事ほど投稿すると、サイト全体が記事が出てくる場合が多いようです。

最初から効果が出ることを期待しすぎず、記事の反響や効果のあったキーワードを見極めながら、まずは100記事投稿することを考えてみましょう。

数と質の話をすると、すぐに問題となるのが「そこまで質の高いコンテンツを、継続的に発信するネタがない問題」かと思います。そこで意識していくと良いのは「同じネタでも、切り口を変えれば何度でも投稿できる」という、コンテンツの半リサイクルです。

たとえば「ペルソナ」について記事を作るとしましょう。たとえキーワードは「ペルソナ」一つであっても、

  • ペルソナの作り方

  • ペルソナを作る上での失敗あるある

  • ペルソナマーケティングの成功事例

  • ペルソナを使っても閲覧数が伸びない場合の対策

  • ペルソナを複数作る場合の注意点と対策

といった、複数の切り口を編み出すことができます。
すべての記事に「ペルソナとは何か」を説明する冒頭文は必要になりますが、それ以外はオリジナリティの高いコンテンツを提供できます。同じテーマであっても、複数の記事を提供することは十分に可能なのです。

オウンドメディアの成功までに必要な時間

本記事冒頭で、オウンドメディアの立ち上げは比較的低コストで行えると説明しましたが、結果はどのくらいで出てくるものなのでしょうか?

実は、オウンドメディアの「目的」「ペルソナ」「SEO対策」をひと通り設定したとしても、運用を開始してすぐには結果は出ません。

なぜなら、オウンドメディアを新しいドメインで立ち上げる場合、SEOで正当な評価を受けられるようになるまでに、一般的に半年~1年かかるからです。

このことを理解して、結果や成果を焦らず地道に良質なコンテンツ作りを継続していきましょう。なかなか成果が出ないからといって早期に撤退してしてしまっては、時間や手間、コストを無駄にしてしまいます。

一度プロに相談してみたい場合は

今回解説したように、オウンドメディアの立ち上げ自体は比較的簡単にできるものの、成果が出るサイトを制作するのにはさまざまな専門知識やノウハウが必要です。

しっかり勉強して人的リソースを備えた上で始めるのもよいですし、まずはプロに相談するのもよいでしょう。

このほか、オウンドメディアの立ち上げ前にやるべき具体的な方法については、「オウンドメディアを「作る前」に使いたい!3種の神器となるフレームワーク」ご覧ください。

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