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♯003/レタッチャーの仕事の流れ(僕の場合)


レタッチャーのお仕事の流れです。
案件によって流れは様々ですが、広告媒体で一番過程が多いとき。
あくまで僕の場合です!

項目の後ろに「※」がついてるものは案件によってあったりなかったり。

仕事依頼
フォトグラファー
フォトグラファーのマネージャー
広告代理店
デザインプロダクションのプロデューサー
などから
メールや直接電話で連絡がきます。
どういう案件か、
レタッチのスケジュールや予算の確認など。

打ち合わせ※
どれくらいの人数で、どこで打ち合わせするかはさまざま。
フォトグラファーとだけのときや、アートディレクターさんとだけ、
代理店などで衣装、ヘアメイク、美術さんなどオールスタッフの場合も。
撮影をどこまで詰めて、
どこまでレタッチで対応するかなど、
合成素材の撮影方法など、
レタッチの方向性などを打ち合わせます。
電話打ち合わせだけのときも。

撮影現場へ行く※
レタッチャーが撮影現場へ行く必要がある場合は、
現場で仮合成をしたり、
合成素材が大丈夫かなどチェックが必要な場合です。
撮影最初から最後までいることも、
チェックが必要なタイミングだけ撮影現場にいることなど様々です。
打ち合わせがなく、初めて会って仕事する人がいる場合など、
顔合わせ的な意味でいくこともあります。

撮影データをもらう※
撮影現場でデータをもらうことも、
後からファイル便などでもらうことも。
セレクトが決定したrawデータだけ、現像したものをもらったりなど状況によります。
カット数が多かったり合成点数が多い場合はrawデータ(撮影したままのデータ)ごと全部もらう場合も。
僕の場合、セレクトが急に変わったり素材が急に必要になったりなど、こちらで臨機応変に対応できることも踏まえ、撮影データ全てrawデータでもらうことの方が多いです。

使用カットが決まる※
人物の場合、撮影後に使用したいカットをいくつかに絞り、クライアントやタレント事務所などへの確認を経て、使用カットが決まります。撮影から入稿までの納期が短い場合など、最近は撮影現場で決定カットが決まることも多いです。
同時に修正指示などがメールなどで送られてきます。

レタッチ開始
レタッチ開始します。

メールチェック
写真の方向性のチェックなどある程度のタイミングで、フォトグラファーやアートディレクターにメールなどで画像を送りチェックしてもらいます。
直接送ることもあれば、プロデューサーに送って、関係各所にメールを展開してもらいます。クライアントへ途中経過のチェックなどで送ることも。
特に合成する点数が多いもので、詰めてレタッチする前に細かく詰めずに写真の大きな方向性を決めた上で細部を詰める場合など。
やっぱり違うものを合成したい、、など指示が後からあった場合に、
細部まで詰めてしまうと時間が無駄になってしまうので。

モニタ校正(レタッチ立ち合い)※
主にレタッチの会社や個人のレタッチ事務所で、
フォトグラファーやアートディレクター同席の元、
直接モニタを見たり、プリントを出して校正台の下でプリントを見ながら最終のチェック、修正、調節作業をします。
まれにクライアントがくることもあります。
カット数が多ければその分長いときも。
10分で終わることもあれば半日かかることも。

色見本やデータでクライアントやタレント事務所チェック※
モニタ校正を経て完成したビジュアルをチェックしてもらいます。
タレントさんなどの場合は、事務所チェックや本人確認と言ってレタッチのチェックをします。メールでチェックすることも、印刷での色見本となる出力でチェックすることもあります。状況によってはモニタ校正前に事務所やクライアントへ行うことも。ここから各所から修正指示が来て、修正することも。

納品
チェックのOKがでたら、一枚に統合した実データ(主にTIF)や、ある程度動かせるようになっていて、デザイナーさんが媒体によっていじれる簡易的なレイヤーが残っているデータ(psd)で納品します。
色見本が必要な場合は色見本を必要な枚数出力して、広告代理店や直接印刷会社などに送ります。



1番工程が多い場合で上記が全部ある感じです。
打ち合わせがなかったり、レタッチ立ち合いがなかったり、色見本を出力する必要がなかったり、撮影だけ行ったり、ビジュアルの難易度によってメールチェックを何度もしたり、打ち合わせが何度かある場合もまれにあったり、ビジュアルが多点合成の場合や色々な理由で撮影が1日で終わらない場合は撮影現場に何度も行くこともあります。
案件が発生と同時にデータが送られてきて修正してメールチェック、納品、などものすごく短期間で終わるものもあります。
仕事依頼の連絡は、マネージャーやプロデューサーなどがいるレタッチ会社などではその人が窓口になる感じでしょうか。

特に特殊なことは、現場に行って仮合成、とレタッチ立ち合い。
現場で仮作業することをプレオペレーションと呼んだりします。
現場で略してプレオペ。
撮影スタジオやロケ地など撮影現場で
撮影と同時進行でデータをもらいつつphotoshopで仮合成をどんどんしていきます。
ざっくり合成してみて、
アングルが合っているか、
素材として使えるか、
合成しながら使用カットを決めていったり、
その場でみんなであーだこーだ言いながら画像をチェックしていく感じです。
すごい稀ですが過去にそのまま納品データを作らなきゃいけないことも。
最近はフォトグラファーやデザイナーさんのスキルも上がっていたり、ある程度合成の知識も増えているので、現場に行って仮合成することも減っている気もします。

レタッチ立ち合いは、
アートディレクターやフォトグラファーと実際にモニタやプリントを見ながら指示をもらい、最終のイメージを仕上げる作業です。
僕の場合、フォトグラファーと詰めたものをアートディレクターに提案する、という形が多く、フォトグラファーだけ1時間早くレタッチ立ち合いに入ったりします。

どちらも時間が限られていたり、見られながらの作業なのでプレッシャーもありますが、僕は割と楽しくて、直に見られてその場で判断して修正するので力量が試される作業だったりします。


コロナの影響もありますが、誰にも合わずに仕事が完結する、こともあります。電話で話しただけで、一度も会ったことがないお客さんもいます。
全体のスケジュールは平均で1週間から2週間くらいでしょうか。1日で終わるものもあれば一ヶ月かかるものも。

20代の会社員時代は年間100件くらいプレオペに入ってスタジオやロケに無駄についていっていたのでいろんな場所にいけたりしてすごい楽しかった思い出。
プレオペで2日徹夜する、、などつらいときもありましたが今は良い思い出です。
最近は予算の都合もありあまり遠くに行くこと少なくなったような気もします。。プレオペで海外ロケとか行ってる方たまにいましたよね。

ではまた!

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