愛する過程のリフレイン、ヨンジュンさんのミックステープについて
「あなたは誰」
少し考えあぐねた後、PCを落とした。
ベッドに入ってSNSでみんなの感想を見ながら、自分がいま何を考えているのか、息を潜めて注意深く、潜って潜って探してみた。
結局、言葉は見つからずに夜が去った。
* * *
世界でいちばん大好きな人の、ずっとずっと彼が温めてきたミックステープの、そのintro。
まさかfilmで来るとは予想していませんでした。
嘘です。少し予感はあった。
指先まで熱のこもったダンス、一小節ごとに変わる表情。もうこの人の表現は「ヨンジュンさん」というフレームに収まりきらない気がしてたから。
これまでもMVや番組で彼の演技を見ることはあったけど、でもそのほとんどがヨンジュンさんというフレームの中での演技だったと思う。
でも今回はそれが全て取っ払われてしまった。
画面の中にいるのは、ヨンジュンさんと同じ風貌の、なのに全く違う世界で生まれて育って命を燃やす、全く別の青年に見えたんです。
だからすごく戸惑いました。ちょっとおかしいくらい感傷的で情緒が脆い私が、このfilmを見て泣かなかった。これはどういうことだ。
見たことのないヨンジュンさんの挑戦に興奮する自分がいる。でもその横から、目の前にいるこの人は誰?と訝しむ自分が覗き込んでいる。自分の正しい感情すら掴めない、完全な思考エラー。どこまでいっても行方不明の言葉たち。
半日を経て、ようやく少し整理がつきました。同時に気がつく、これはとんでもないことなんじゃないかって。
私はヨンジュンさんが本当に好きです。誰かと比較したらまだまだかもしれないけど、少なくとも自分の中で熱量に疑いはない。そしてこれは当然、私が愛している彼のパフォーマンスと地続きの道で、彼の努力の果てのもの。
なのに、こんなに大好きで想いを巡らせている私が咀嚼できない別のものだと認識している。それはそれだけ、作品として、演技として、研ぎ澄まされているからに他ならないじゃないか。
揺さぶられているのに何かが邪魔をして愛を綴れない。「大好き最高!」ってシンプルなレイヤーで応えられない。なんで?って一晩悩んだ。
でもそれって当たり前なんだ。
だって目の前にいるのは、私がまだ愛したことのないヨンジュンさんなんだから。
私は以前、ヨンジュンさんを「光」に例えたことがあります。
柔らかくも眩しくも、どんな姿にもなれる、光。
光は色で言えば白だと思います。何にでもなれる白という色は、その内側に世界にある全ての色を隠している。
今回のfilmで、私は知らない色のヨンジュンさんに「初めまして」をしたんです。
こうやって大好きになった後も、誰かを知ってどんどん好きになるというたった一度しかないはずの過程を何度でも味あわせてもらえるなんて、こんな稀有なことありますか。
しかも、まだほんのカケラをもらっただけ。すごい人を私は好きになったんだ。
いま、私は画面の中の、ヨンジュンさんによく似た少し猫背の青年を、これからもっと知っていくところ。その過程にいる。
ヨンジュンさんのミクテに込めた本気が伝わるからこそ、愛することが決まっていたとしても簡単に愛しているとは言いたくない。
私が見ているあなたは誰なの、何を言おうとしているの。
確実にヨンジュンさんの血肉から生み出された存在。短い前髪も無垢な瞳も衝動も、あなたの中のヨンジュンさんを一つ一つ掬い上げて、一つ一つ愛していかないといけない。
ゆっくり愛させてくれ、もういらないって言うほど愛するから。
* * *
正直まだintroで、これからどう展開していくのかわからなくて。この調子ではこのミクテを無邪気に楽しむのに1年かかるかもしれません。でももしかしたら次の公開では脳直で「大好き〜〜〜〜〜!」って言ってるかもしれないし。
わからないけど、私は画面の中のヨンジュンさんが魂を分け与えた存在を全部愛していくんだ。結局全てが大切になるんだ。
幸せだね。9/19が待ち遠しいです。