雑誌「マイカレンダー」魔女特集から考える、日本における魔女

割引あり

はじめに

   雑誌「マイカレンダー(現在はウェブに移行)」は、2019年刊、Vol.3秋号で、「あなたも今日から魔女になれる・最新魔女入門」という特集を組みました。このnote記事では「最新魔女特集」に関して私の正直な感想と意見を述べたいと思います。
   ただ批判をするような性質の記事ではありません。良い部分も取り上げていますし、特集の分析を通じて、魔女として意識すべきこと、進む方向性などについて、読者が考えるきっかけになるように書いています。その意味で、「マイカレンダー」の特集に関する意見という形を取った、「特に日本人に向けた、魔女としての意識の持ち方、在り方に関するガイド」であるとも言えます(なぜ私が敢えて「日本人」と書いているかも、記事を読めば分かるでしょう)。
  「マイカレンダー」該当の号は、現在、出版社でもバックナンバーは販売していないようです。もちろん、該当の号を読んでいるほうがこの記事は面白いと思いますので、まだの方は何かの形で読むことをお勧めします。しかし、魔女特集を読んでいない方でも、この記事を問題なく理解出来るはずです。
 こういう記事を書くと、「商業雑誌の気軽な特集なんて、流し読みしていればいいのではないか。わざわざ真面目な意見を言うなんて、大人げない」と言う人が出てくるものです。もしかしたら、そうなの「かも」知れません。
 それでも私は、約40年ウイッチクラフトに関わってきた者として、この特集に関して思うことや、言いたいことがあります(別に、「長年、世界レベルでウイッチクラフトに関わってきて、恐らく現代の魔女について最も情報を持っている日本人の1人」である私に、この企画に関して「まったく」声がかからなかったことへの不満ではありません!まあ正直、私に声をかけたほうがよほど「最新魔女入門」になったとは思いますが・・・。編集者は私のことを知らなかったのか、知っていて故意に無視したのかなのでしょうか?)。
 なぜ意見を言いたいかというと、私がウイッチクラフトという体系に対して本気だからです。
 まず最初に、私がこの企画、そしてこの企画に限らず、現代のウイッチクラフト実践者としての魔女を取り上げた企画に、ある種の不満を持つことが多い理由をお話ししたいと思います。同じことをはっきり言った人を他に見た記憶がありませんが、私は重要な点だと思っています。

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