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wellvillが開発する対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜の仕組み


「誰かと話したい。」

人には、ふとそんな気持ちになるときがあります。

辛い時、悲しい時、嬉しい時、周囲に話せる人がいるだけで、気持ちが軽くなったり、共感したり励ましてくれる人がいて安心できたりするものです。

ひとが話した言葉や内容を記憶して、対話を通じて必要と判断した情報を提供してくれる“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”は、時には友達のように、時には相棒のように、また時には家族のように、対話を通じて私たちを支えてくれる存在です。

私たちwellvill株式会社は“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”によって人々の暮らしが豊かになる世の中を実現するため、日々開発に取り組んでいます。

本記事では、“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”の仕組みや、対話を活用することで社会にどう貢献できるかについて、わかり易くお伝えします。

“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”の仕組み

━━━“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”は、どのような仕組みで作られているのか。

AIチャットbotや音声認識システムを活用

前回の記事では、AIチャットbotや音声認識システムなどと、LIFE TALK ENGINEについての違いについてご紹介しました。

おさらいになりますが、AIチャットbotや音声認識システムなどの“会話型AI”は、基本的に一問一答式で、「もう一度言って」や「さっきの続きを教えて」と話しかけても、答えられないことがほとんどです。

日本語は、英語をはじめとする外国語と違って話し言葉の中で主語を省略したり、話の流れから“こそあど”を多用したりします。対面している人間同士であれば、それらのニュアンスを会話の流れから理解できたとしても、日本語の場合はそれができないのが現状です。機械学習やディープラーニングによる“会話型AI”に、何億という質問のパターンを取り入れたとしても答えることが難しいのです。

一方で、wellvillが開発する“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”は、AIチャットbotや音声認識システムなどと仕組みが異なり、やりとりの中で会話に存在する言葉を分解し、更に足りない部分は補います。

『私/は/今日/公園(そこ)/に/散歩/に/出かけ/まし/た』といった具合です。

先述の通り、日本語は会話の中で主語や目的語を省略することが多く、文法を無視しがちであり、発話した言葉をそのまま展開するだけでは、情報としては不十分だからです。

私たちwellvillの“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”が、なぜそのような話し言葉に対応できるかというと、対話の中の『何が/いつ/どこで』などの複数の言葉から一番必要なことを見極めて重み付けをし、独自のアルゴリズムを作り上げているからです。

また、実際にAIを作る立場のエンジニアや関わる人間も、『自分だったらこの対話の一文のどの部分に重み付けをして答えるか』を常に考えながら仕事をしています。

「学習をした上でその膨大な情報量の中から近似値を探して回答をもたらす」というのはコンピュータ処理、つまり機械的なデータ処理です。

人は、「相手の話した言葉から何を伝えようとしているのか?」「何を言わんとしているのか?」1つ1つの言葉の意図や重みを無意識に読み取りながら相手と対話します。

この人間的な思考をコンピュータで如何に実現する?追い求めているのが“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”です。だから、膨大なルールやパターンの中から回答を探し出す仕組みのAIチャットbotや音声認識システムとは、大きな違いが生まれるのです。

“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”の活用

━━━LIFE TALK ENGINEを活用可能な自由会話と業務会話。その違いについて。

そもそも人はなぜ話をするのでしょうか。

人が話したいと感じる時、それは、寂しさやストレスを感じているとき、共感して欲しいときなど、自由に会話したい場合と、お願い事や用事がある場合の2つに分けることができます。同じ会話でも、会話することによって目指すゴールが異なります。

wellvillでは、これを「自由会話」と「業務会話」と呼んでいます。それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

自由会話と業務会話の違い

自由会話とは?

自由会話は、最初は対話ではなく会話からスタートします。会話と対話の違いについては前回の記事でもご紹介しましたが、会話が2人あるいは少人数で、向かい合って話し合うことを意味するのに対し、対話は2人が向かい合って話すことであり、その相手は意思表示が発せられると直ちにこれを了知できる状況にある人を指します。対話は会話よりも相手の意思を汲み取り、言葉のやり取りができる関係性であると定義できます。

「今日はいい天気だね」

といった会話は、その人と話したいという思いからコミュニケーションが発生します。何気ない会話のほとんどが、ゴールのない話し合いですが、もしも、話しかける人が、相手に対して明確な目標を持っている、相手の心情を知りたいと考えているのでしたら、対話に誘導する必要があります。

「今日の夜、一緒にご飯を食べない?」

このように、明確な目標があれば、天気の話からスタートして、好きな食べ物を聞き、今日の予定を聞き出した上で、食事に誘うという対話が必要になります。

また、相手が自分に対して好意を持っているかどうかを知りたければ、対話の中で食事に誘うことで相手の心情を探ることも可能です。

自由会話は、相手と話したいという思いからスタートするため、学習や定義がないのが特徴です。

業務会話とは?

業務会話は、要件を満たすための会話です。自由会話との大きな違いは、お願いしたいことが明確ですので、事前に対話誘導ストーリーを決定することができます。

「荷物の再配達を依頼したい」

このような、業務上必要な会話であれば、ある程度会話が想定できます。

「お荷物番号を教えてください。」

「11111-11111」

「再配達の希望日を教えてください。」

このようなやりとりは、さまざまな場面で発生します。定型化できる対話パターンであれば、AIチャットbotや音声認識システムの活用も可能です。各業務で応用が可能で、機械学習を必要とせず定義だけで自動化することが可能です。

業務会話にAIを活用することで、業務効率化が実現します。それによって、コスト削減や生産性向上も見込めることから、さまざまな企業が取り組んでいます。

しかし、業務会話であっても自由会話が発生する可能性があります。

「明日その時間はいないかもしれないから、その時は置き配してください。」

このようなケースにおいては、AIチャットbotや音声認識システムでは対応できないことがほとんどです。さまざまな分野で実装が進んでいる人とAIの対話ですが、このような事情から、自由会話における活用が難しいことが課題といえます。しかし、AIチャットbotなどと仕組みが異なるwellvillの“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”であれば、自由会話においても対話を成立させることができるのです。

対話でできることを応用し、社会に役立てる

━━━LIFE TALK ENGINEは企業にも個人にも活用可能なのか。

AIを活用した自由会話と業務会話の大きな違いは、その目標に違いがあります。お願い事を達成したいという業務会話に対して、自由会話の場合、暇潰しをしたい、気分転換をしたいなどが目標になります。

誰かと話して気分転換をしたいという気持ちは、業務会話では解決することができません。この欲求を満たすためには最低限の対話や共感、逆の質問などの雑談機能が求められます。

「今日はいいお天気ですね。」

「そうですね。しかし夕方からは雨になるそうですよ。一昨日は傘を忘れてしまいましたね。今日は傘は持ちましたか?」

相手の問いかけに沿った話題を提供するだけでなく、過去のコミュニケーションを記憶し、それに基づいて発言します。相手の興味を誘発することで会話が成立し、結果として「暇潰しをしたい」、「気分転換をしたい」といった目標を達成することができます。

人と人であれば当たり前に行われるこのような会話を実現するのは、wellvillの他社とは異なる考え方、技術力があってこそのもので、これまで試行錯誤を重ねてきました。

LIFETALK ENGINEを搭載したロボットやAIアバターを暮らしに役立てる

この技術は、介護の領域においても今後活用が期待できます。例えば、独居老人の話し相手として“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”を搭載したAIアバターやロボットを設置することで、ストレス解消や認知症予防、見守りなどに役立てることができます。また会話の内容をデータ化することで病気の早期発見などへの活用も見込めます。

AIチャットbotや音声認識システムでは実現不可能である信頼関係を構築するのが“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”なのです。

ここ最近、大手企業をはじめ様々な企業がAIによる会話の仕組みの実現に取り組み始めました。より自然で高度な音声対話を目指したものですが、その多くがディープラーニングを主な技術として取り入れています。

しかし、wellvillはディープラーニングなどの技術のみに頼らず、独自のアルゴリズム(特許出願中)を作りあげることに成功しました。

何故、wellvillはあえて独自の道を歩んでいるのか?そこには理由があります。

「人間と信頼関係を築く対話の実現」ー
こういった世の中には無い技術を生み出す為には、「ゼロから作り上げる気概と今までの知見を結集した独自の発想」が最も大きなパワーとなります。この「実現する力」がwellvillの最大の強みだと自負しています。

次回は、“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”の強みについて、ご紹介します。

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