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駆け出しセラピストに送る言葉⑪

日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。

今回は「願いを叶えると、言いなりになるは全く違う」です。

患者さんからの願いとは

患者さんの願いは、大きく2つに分かれます。

① 症状を治して欲しい
② 疲れを癒やして欲しい

<①症状を治して欲しい>
症状を改善するためには、原因にアプローチすることが必要になります。もし、原因以外にアプローチしてしまうと、予想以上に症状が長引いたり、状態が以前以上に悪化してしまいます。つまり、「原因の心当たり」「状態の詳細」などを患者さんに確認する必要があります。
症状を治すセラピストのことを、【治療系】といいます。

<②疲れを癒やして欲しい>
疲れは自覚症状です。「疲れていますね」などのリップサービスをすることはありますが、基本的に疲れを癒やすためには、「どこが」「どれくらい」疲れていて、「どうすれば癒やされるか」をお客さんに確認する必要があります。
疲れを癒やすセラピストのことを、【癒やし系】といいます。

このように、患者さんの願いによって、セラピストのやることは全く異なります。

患者さんの言いなりになるとは

<患者さんからの要求例>
・もっと強くして
・もう少し右
・もうちょっとだけ長くやって

「言いなり」というと聞こえは悪いですが、つまり「どこが」「どれくらい」疲れていて、「どうすれば癒やされるか」を教えてくれることです。

察しのいい方なら、すでに気づかれたかもしれませんが、患者さんの要求に応えなければいけないのは、【癒やし系】だけです。

【治療系】は状態などから判断し、セラピスト自身が「いつ」「どこに」「どれくらい」の刺激を入れるかを判断しなければいけません。

セラピストの仕事は、【癒やし系】【治療系】でも異なります。

運命の分かれ道

どんなセラピストでも、一度は経験すること…それは【治療系】と【癒やし系】の分岐路に立つことです。

何の経験もない時や、未熟な間は、

「症状を改善すること」と「癒やしを与えること」を両立できると信じてしまいますが、経験を重ね成熟するにしたがい、それは夢でしかないことを知ります。

つまり、両者には矛盾があることに気づくんです。

そして、どちらの道に進むのかの選択を迫られる日がきます。

最初から癒やしを追求する場合や、【治療系】から【癒やし系】に移行する場合は何の問題もありません。

しかし、【癒やし系】から【治療系】に移行するときは苦難の道を進むことになります。

もしいつか【治療系】という選択をする可能性があるのなら、それまでは【癒やし系】の道をすすまないという選択をし続けてください。

今回のnoteが、いつか来るその日に役立てば幸いです。

ではまた

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