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駆け出しセラピストに送る言葉⑩
日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。
今回は「症状の原因を1つ以上考えてください」です。
原因の数が多い人のほうが早く治る
「優秀な先生ほど1発で治せる」という言葉を、誤解している方がいますが、1発で治せるというのは、
・その症状が出る可能性(原因)をすべて考え
・目の前の患者さんに当てはめ
・適切な検査を行い
・絞り込んでいる
からできることなんです。
決して、長年の経験やセンス、直感で原因を当て、治療しているわけではありません。
考えてみてください。
もし、あなたが「1つしか原因の可能性を考えなければ」どうでしょう?
治る可能性が低いことは、容易に想像がつくと思います。
では100個なら?
100%治せるかどうかは別として、先程よりも治る確率が上がることは確実です。
治せる人は、この作業が早いだけなんです。
絞り込みまでに必要な知識・技術
治せるようになるためには、やはり知識と技術が必須になります。
<知識面>
・解剖学・生理学・生体力学・臨床医学各論・理学的検査
<技術面>
・理学的検査・各治療テクニック
知識面に関しては、教壇に立ったり、セミナー中心の「学者系のセラピスト」を目指すのであれば、マニアックな専門知識を習得する必要がありますが、「治療業中心のセラピスト」を目指す方は、習得は必要な知識のみでOKです。
解剖学のように全部必要というものもあれば、臨床医学各論のように一部のみで十分というものもあります。
臨機応変にいきましょう。
技術面に関しては、基礎がとにかく大事なので、徹底的に底力をつけることをおすすめします。
土台がしっかりしていないのに、上屋ばかり立派にしても何の役にも立ちません。
知識に比べ技術は、習得に時間がかかりますが、体で覚えてしまえば知識のように、忘れたり抜け出てしまうことはありません。
僕はとにかく【触診力向上】をすすめています。よかったら参考にしてください⇩。
システムテクニックは注意が必要
技術の中には、システムテクニックと言って
「〇〇の治し方」
「〇〇式」
などもありますが、これらは特定の原因にフォーカスしたものがほとんどです。
ハマれば早く簡単に治りますが、ハマらなければ、最悪の場合、悪化させる原因となります。
システムテクニックは、原因を絞り込んだ後、使うシステムが適用している場合のみの使用にしてください。
まとめ
駆け出しの頃は、頭の中で「症状の原因を1つにする事がカッコいい」と思っていたり、そうならなければいけないと思う時期もあると思います。
しかし、実際はそれで上手くいくことは、ほとんどありません。
これは数をこなすほどに、そう感じるはずです。
つまり、臨床経験が長い先生ほどそれを感じ、修正できなければ行き詰まります。
もし今、行き詰まりを感じているのであれば、まずは「症状の原因を少しでも多く考える」練習をしてください。
すでに100個挙げているのであれば、101個目を考えてください。
いくら優秀な車でも、目的地が分からなければゴールに辿り着くこともできません。
原因を考えることは、目的地を決めることと同じです。
大変かもしれませんが、ぜひ一緒に頑張りましょう。
今回の記事が、頑張るセラピストの参考になれば幸いです。
ではまた