駆け出しセラピストに送る言葉⑥
日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。
今回から数回に渡り、『信じてはいけない情報の見分け方』についてシェアします。
多くの情報が無料で手に入る時代だからこそ見極めが必要なんだということを知っていただくきっかけになればと思います。
第1回目は、「デメリットがない治療法はない」です。
デメリットがない治療法はない
世の中には多くの治療法がありますが、どの治療法にも共通しているのは、必ずメリット・デメリットが存在するということです。
学ぶ前だと、当たり前に感じるかもしれませんが、学び始めると多くの方がこの事を忘れがちになります。
例えば、腹臥位で行う治療法であれば、その姿勢を取れる人には最高のテクニックでも、その姿勢が困難な方には最悪のテクニックになります。
<腹臥位になれない人たち>
・妊婦さん
・腹部のオペが完治していない方
・股関節伸展位がとれない方
・腹臥位でめまいが起こる方
・胸部圧迫で発症する方 など
今は姿勢を例に挙げましたが、どのテクニックも禁忌、デメリットは必ずあるので、それが公開されていない場合は問い合わせるか、少し疑うようにしてください。
メリットは重要ではない
治療法は、メリットが合って当たり前です。大切なのは、そのテクニックの適用外を知っておくことです。つまりデメリットです。
例えば、右から押すテクニックは、右にあるものを左に動かすには効果的ですが、左にあるものを右に動かすには適用外です。
場合によっては、同じことをして良い場合もありますが、今回の場合は「右から押すテクニックだから」というのが理由です。
デメリットを忘れてしまう主な理由は、ココにあります。
「右から押して結果のでるテクニック」ということを教えられると、「左から押しても結果が出る」と勘違いしてしまうんです。
「なぜ右からは押して良いが、左からはダメなのか?」を教えてくれるようなものでなければ、現場では使えません。
つまり事故につながりますので、気をつけましょう。
1つのテクニックに頼らない
1つだけのテクニックでは、目の前の患者さんに対応するには限界があるというのは、ココまでが理解できた方はなんとなく想像がつくと思います。
「だったら複数のテクニックを習得しよう」と思った方に、気をつけてもらいたいのが種類です。
メリットにばかりとらわれる方は、同じような系統のテクニックを学びがちになります。
しかし、同種のテクニックはメリット・デメリットが似ているので、手数が増えるだけで、デメリットを埋めるという目的は達成できません。
複数のテクニックを習得する場合は、自分の習得済みテクニックのデメリットを見つけ、それを埋めてくれるものにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
『信じてはいけない情報の見分け方』の第1弾は参考になりましたか?
セラピストである僕たちは、患者さんから大切な体を任せられる立場です。
インターネットで無料情報が自由に手に入れる時代だからこそ、偽情報や不完全情報の使いまわしを見極めなければいけません。
特にキャッチーなフレーズは、魅力的に感じることも多くありますが、本質が何かを必ず考え、そこから逸脱することがないかを見極めるようにしてください。
来週は第2弾を配信予定です。
ではまた