「AT1債」から学ぶ。分からないものは買わない。
国内でも1400億円の損失
先月に経営破綻したスイス金融大手のクレディ・スイスについて、同行の「AT1債」というものを購入していた方々の総額が、国内で1400億円程度になると金融庁が公表しました。
主には富裕層や法人とのことでしたが、私たちがテレビでよく知る青山学院大学陸上部の原監督は、「自分もその債権保有者の一人だ」と告白していました。
原氏は「証券会社の営業マンに勧められるがまま、ローリスク商品だと思い購入したが、その際、リスクに関する説明はなかった」と言っていました。
他の一般投資家も同じだった可能性が高いかと思われます。
ところで、みなさんは今回話題になった「AT1債」というものをご存知でしたか?
僕は全く知りませんでしたので、この機会に少し勉強してみました。
「AT1債」とは
AT1債とは、銀行や金融機関が発行する債券の一種ですが、弁済順位がかなり低く、今回のような破綻が起きた場合などでは紙くずとなってしまう可能性が高いものだそうです。
このため、AT1債は通常の債券に比べてリスクが高い反面、高い利回りが期待できることから、投資家にとっては魅力的な商品となっています。
ちなみに、クレディ・スイスが2022年6月に発行した16億5000万ドル相当のAT1債は「年利9.75%」だったそうです。
破綻なんて、そんなに頻繁に起こることではないですし、クレディ・スイスは大企業ですので、今回の被害者の方々が「破綻するとゼロだけど、高利回りの債権と事前に知っていたら本当に買わなかったのか?」は疑問です。
とはいえ、今回は一部の投資家や資産運用をしていた方々の話でしたが、いつ私たちの身の回りでも、同様のことが起こるかはわかりません。
ナケナシの老後資金が、少しの欲のために無くなってしまうことだけは避けなければいけませんが、「何もしない」は最も良くない選択でもあります。
何かに投資する時には、ある程度自分の力で調べた後、納得した上で決断するようにしていきましょう。
参考動画
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