大人気連載【先月のニイダくん】アーカイブその1
先月のニイダくん第57回より
ウエルネス21・名物社員の新井田淳、通称ニイダニイダ。
弊社会員様向けニュースレター「きずな通信」の人気コーナー【先月のニイダくん】より反響の多かった回を特別に無料にて公開いたします。
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ニイダくんは彼女がいない。そんなニイダくんにも彼女がいた時期があった。それは、今をさかのぼる事20年前。ニイダくんにも若い頃はあった。
新井田淳23歳の頃。本当にかわいく愛おしい彼女だった。彼女とは色々な所へ二人で行った。
「君が一番お気に入りの場所はどこ?」「ぼくは君が横にいればどこでもいい!」そんな20代の甘い恋。
それはしかし唐突に終わりを告げた。
ニイダくんはその彼女と富士急ハイランドにでかけた。青空の元、楽しむ二人。
「このお化け屋敷に入ってみない?」「いやぁ、怖いなぁ」「私が横にいるからダイジョブ♡」「そうだな!入ってみよう!」長い列で待つ時間も全く苦にならない。凝った演出があるのか遠くで悲鳴が聞こえる。ドキドキする。
ニイダくんは意外にも「お化け屋敷」が怖くてたまらないのだ。しかしかなり長く並んでしまっており今更やめようとも言えない。
順番が来て中にそーっと入ると病院のようなにおいがする。薄暗い部屋。
「俺が先に行くからついてこいよ」
普通なら並んで手をつないで歩くもんだが「驚いた顔を見られたくない」という事と「先に行くほうが男らしい感じ」というエゴ丸出し、ナルシスト剝き出しのニイダくんの脳内CPU・ver.昭和がフル稼働してそう彼女に告げた。
「・・・うん♡」とニイダくんの計算通りの表情をする素直でかわいい彼女。
ヒヤッとした空気。
不自然な静けさ。
嫌な湿度。
緊張感。
予感と言うか、気配を彼は感じ・・・
「ふーっ」
息を吐いたその瞬間だった!!
「ドァウア~ン!!!!」幽霊が突然現れた!!
「グギャ~!!」
驚きのあまり叫ぶニイダくん!!
基本的にカッコつけたがりで、自分が全盛期の江口洋介と同じくらいハンサムだと思っているニイダくんは瞬時に「こんな時に江口なら、そのさらさらとした長髪をなびかせて彼女を守るはずだ!」と考え、勢いよく振り返った!!
その時に悲劇が起きた‼
振り返ったはずみでニイダくんの野球で鍛えた肘がサモハンキンポーと同じくらいの破壊力で彼女の美しき鼻に叩き込まれてしまった!!
ドン!!
「ギゃ~ン!」とのけぞりながら倒れた彼女の鼻から飛び散る血。
ニイダくんの脳内で流れるBGM!
「恋をした夜は~すべてが~うまくいきそうで~♪まよいのぉかけらぁを吹きとばぁすぃ~」
ひざをつきうずくまる彼女。
驚く幽霊役のユンピョウ似の男性!!おもわず「大丈夫ですか・・・」と声をかける。
「大丈夫です!!」
と自分は痛くもかゆくのないので幽霊に気遣うニイダくん。
全く大丈夫じゃない彼女の顔は血だらけだ。もはや楽しくもなんともない。
その日を境に何かが狂ってしまった。若き恋は儚く、楽しい日々が戻る事はなかった・・・。
ポッカリ空いたニイダくんの横の場所と心。それを埋めてくれる女性はいつ現れるのだろうか!!きっと現れるよ!多分!!
♫キンポした夜は~すべてが~ダメになりそうで~♪鼻血ィのぉかけらぁを吹きとばぁすぃ~
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~先月のニイダくん第57回より~
☆そんなことを書いていたら、その数年後に彼女ができました。おめでとうニイダくん!!