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ウイングマンの桂正和先生トークイベントが「伝説のライブだった」レポート『噓でしょ!!?』(桂先生談)

11月9日浅草「カフェ『オカオカ』with漫画ギャラリー」にて。
実写ドラマ放送中の「ウイングマン」原作者の桂正和先生のトークイベントが行われた。そのスタッフでなぜか「イベント演出」をさせていただきましたウェルダン穂積(ダメ沢直樹)です(;^_^A

⇧桂先生のXにまで載せていただき恐縮の謎手作りコスプレウイングマン(本当は翼もいろいろあるんす、その壮絶な理由も本文で(;'∀'))」

45秒で完売したチケット、さらにVIP席まで抽選で販売し、それも応募多数で

Xの中で
「どうか40年前から好きだったウイングマンの桂先生に連載当時からずっと大好きでした、とお伝えください」と私もメッセージを託されるほど(ちゃんとお伝えしました(*'▽')

とにかく来てくださったみなさま、スタッフ、さらには抽選や先着に間に合わず(だって1分でもダメだったんだよ)悔しい想いをされたみなさま、その全ての想いがあってのライブでした。
本当にみなさまと桂先生に感謝申し上げます。

そして、来れなかった方々にも熱くお伝えすることで感謝に代えさせていただきたいと思います。

それは絶望からのスタートでした。
コスプレの衣装を短い期間で一気に5着造らねばならず、(結局使ったのは4着)
完成しきらないまま当日、現場で作業をするも、
漫画家タレント「浜田ブリトニー」さん(今、私とコンビ「浅草ぱねえ」を組んでます)

の衣装が本人と身体合わせながら造らねばならないのに、
当日のメニューやあらゆる対応でずーーーーっと空かない。
当日リハすんぜんでも空かないのだ。

なので、キャストが揃うのもギリギリでリハーサルがほぼできていない状態で
行列ができたお客さんを入れる、という状態。

直前でやっぱり演出のオープニングアクトは、なしで、あるいは大幅変更カット、も
検討されるほどピンチだったのだ(;'∀')

さらにお客さんを入れる、ということは丁寧にご案内をしていかねばらず、
広野役(私、ウェルダン穂積)、ミクちゃん役(浜田ブリトニー)
がずっとお客さんの案内で練習も、準備も全部、作業しながらせねばならない。

で!ここで実は「ウイングマン」らしい演出がバッチリあってくるのだ

ドラマ「ウイングマン」で藤岡真威人(ふじおかまいと)さんが演じる広野が
ピンチの時こそ燃える
「きたきたきたー!ヒーローのシチュエーション!」
こう考えるしかない。

前日くらいに、もうこうなったら、
広野が着替えるシーンを再現して(アニメ版第一話でトイレで手作り衣装に着替える広野)
それをお客さんに見てもらい、

おい、これ大丈夫なのか?着替え終わるのか?どんな仕上がりなんだ?

とライブ感を演出に入れてしまおう、ということに決めていたので
不安や不出来が、そのまま推進力になる確信があったのだ。

これはウイングマンでなければ成立しなかった。

さぁ、そしてさらなるピンチ。
準備がギリギリというか間に合ってないだけでなく、
桂正和先生が大幅に遅れるという情報が(;'∀')・・・これが伝説を起こす。

お客さんも待ちに待っているだけでなく、
お店の方もオペレーションが完成していない状態(今ちょうどコンサルで変革中)
でみんな一生懸命、つぎはぎだらけのシステムで頑張っている。

もう待たせるわけにはいかないので、
コスプレイヤーチーム出撃

アオイさん(アヤミーさん)
SHADOWLADYアイミメイド版(マジョノカ渚さん)
I'sの伊織ちゃん(カムクラさん)
司会のIKKANさんも場を繋ぐ

あらゆる対応に追われるミクちゃん(浜田ブリトニー)
すべてがそれどころではない状態で、

ついに桂正和先生ご到着!
よし、行くしかない・・・・スタンバイ!!
全部がほぼぶっつけ本番(全員そろってのリハどころか場当たりも一度もしなかった)

ウイングマンのアニメ版オープニングを再現する!というオープニングアクト
変身衣装が間に合わず
制服アオイとウイングガールズ版ミクちゃん、制服広野、が
「異次元ストーリー」のイントロで揃う

IKKANさんが歌いだし、広野がポーズ。
(あえて生歌でやるというのも手作り演出)
まさに歌詞のように「決まり切らないポーズ」なのだ

ミクちゃんがお花を広野にあげて、浮かれた広野がコケてズボンの裾がずり落ちる、
これも再現する(家でなんども練習して、当日すね毛を剃りました(;'∀')

サビに入って、SHADOWLADY、I’sとキャラクターが夢の共演を始め、
広野が後ろで「ウイングマン(赤)に早着替えを始める」

ここでお客さんがすごかったのが、
アニメで広野は手作りスーツに着替えるとき、テープで張り付けた腕の部分がベロンと剥がれて
「やっぱテープじゃだめかぁ」と
ボヤくシーンがあり、それを一瞬、演技で入れたのだけれど

それにキチンと気づいてた、と終わった後聞いたのだった(ファンすげーヾ(゚д゚ll)
「あれを入れてきてくれて嬉しかった」
というのだ。

あれはあえて手作りと不安を煽る演出だから、別に知ってなくて良い部分だったのに、すごい。

そしてアニメでは一人で着替えるんだけれど、
至らない現実を他作品のキャラクターが手伝って完成する、
というのが一応、演出のイメージでした。

初期構想とはどんどん変わって行き着いた演出。
もう、羽もうまく広がらないまま・・・・!

悪!烈!!ウイングマン!!!

一応できたー(;^ω^)という温かい拍手、、、そして
桂先生登場!!!

出てくるまでで
ちょっと長々と書きすぎました

こっからすごいトークが始まる!
嫌われてもいいから、たくさん意見出しをした桂先生。

「総監督もできるんじゃないですか?」と
言われるほどの奮闘ぶりだった、という。
(この総監督といわれたことは事件レベルにすごいことではないか。
なぜなら桂先生が今やりたい夢の一つが「映画を撮る」とインタビューで答えているから)

リアリティに拘った桂先生のイメージは
ヒーローものを深いものにする。それが見事にドラマに反映されている。

異世界や敵の設定にも論理的整合性を求めるようになっているのを
台詞のひとつひとつに落としこむ。

その感度を持ってみるとドラマ版「ウイングマン」がすごいのだ。

そして予算の問題の話になり、
「私が映画を撮っても予算がないようなものを小さいところでやられても嬉しくないでしょ?」

というが休憩中にお客さんに
映画版ウイングマンをみたいか?と聞いたらほぼ全員手を上げていました(´▽`*)

だって今は、例えば再現できなかったキャラクターを入れて、ドラマ版を映画にまとめる、とか
いろんな手法もあるんです、とプッシュする。

ウイングマンと桂正和先生は重要なキーマン、あるいはターニングポイントになると
ドラマを見て、そして打ち合わせで顔合わせさせていただいた時に確信した。

ファンの方もいっていたが
桂先生はご自分の影響力がすごいことをご存じない、かもしれないのだ。

さらに
初代仮面ライダーの藤岡弘さんの息子、藤岡真威人さんがウイングマンでヒーロー初主演になったことは運命としかいいようがない。
ウイングマンが東映ヒーローの垣根を超えようとしているように、
いろんな垣根をぶち壊せるゲームチェンジャーとして最適なのだ。

「デッドプール&ウルヴァリン」をみたときに、かつてのヒーローを「レガシー」として蘇らせることの
大切さを想う。
それは二番煎じと言われようがやらねばならない日本ヒーローの使命だと私は思う。
だからガシガシ映画の手法の話を聞いていく。

漫画の中で圧倒的にコマ割りと構図、効果音の入れ方が一線を画しているのは

『映像として頭に浮かんでいるから』だといい、
『実写にこだわりがあるわけではなく、それは漫画でもいい』という。
ドラマのウイングマンにどんどん制作として関わっていくうちに「絵コンテ」まで書き始めたという。
もうこれは完全なる「映画監督フラグ」が立っている。

ウイングマンを始め、タイガー&バニーも含めたデザインの話になり、そこで重要なワード
「色気」が出た。

デザインに色気を持たせるために気を使っている、のだという。
これは後半の好きな映画を聞いた時に、
「映画は良く見てますよ・・・・でも、バックトゥザフューチャーかなぁ」
80年代の映画には色気があった。
「工夫と愛に満ちていた」
というのだ。

さらにおススメのヒーロー映画を聞くと(これは大事ヾ(゚д゚ll)
「うーん、ないかなぁ」
というのだ。そう、やっぱりヒーローのディティールでまだ、これ!というのがない。
厳しさが現れている。

ウイングマンのキャラをドラマ衣装にしたときに、足元を完全再現ではなく
シンプルに作り替えた、という話がXであったが、それについて聞いてみると

「造ってみるとデザインがうるさかったりするすよ。
デザインナーのような感覚を持って結構、ヒーローの衣装などは考えたりしてるんです。
胸の手前でいったん途切れてドレスの様になる感じなんか気に入ってます。」

今もって第一線のすごい感性の発露。

教えて桂先生!という電影少女コミックの巻末に合ったような質疑応答を生でやる、というコーナーでも
広野は桂さんご自身をイメージしているのですか、という問いに、
「そうです、僕もあんな感じなんです。」
という。
これだけ人を惹きつけて、勇気づけている先生はヒーローそのものだろう。

そしてオークションが始まる・・・
控え室で、オークションの作品を出したときにキャストから悲鳴があがった・・・

会場に姿を現し、さらにどよめく・・・オークション作品はなんと、
桂先生の手描き(最近はデジタル以外で描かない)。それに水彩で行こうということになり
水彩画として色づけした原画。
それとそのラフ画である。

アクリルに閉じたその絵画を持ったコスプレイヤーさんが会場を巡る様は、本当にオークションが始まるドキドキと息をのむ緊張が走る。

集計結果待ちとなる間、サイン会が始まる。
この時間がとても素敵で、先生に想いのメッセージをぶつける来場者のみなさんが輝いているのだ。

ドラマ版ウイングマン第三話で宮野真守さんが演じるキータクラーが
「認知革命」
というワードを意味深な演出で残すのだけれど、これ専門用語の一つであり、要するに
「フィクション(虚構)を信じる力」なのだ。
(宮野真守さんの話を振ろうと思っていたのにごめんなさい、忘れていた(;'∀')このワードを放り込んだドラマの意気込みがスゴイ)

それを信じる素敵な人たちがここにいるだけで、嬉しい。

そして!オークションの結果発表。
落札者の番号と金額が読み上げられる・・・・

桂先生が
「金がない・・・」と書かれたネタトレーナーをなぜか着ていて会場が爆笑だったのだけれど、

さぁ、落札金額を聞いて先生が発した言葉は

『噓でしょ!!!?』

ということで、
「ウイングマン&アオイ」水彩画と「ラフ画」
「電影少女のアイちゃん」水彩画と「ラフ画」
「I'sの伊織ちゃん」水彩画と「ラフ画」
この6店が落札されていった。

「色気」のある画を描きたかった、という。
その言葉をトークライブ中の端々から辿ると意味が分かってくる。
手描きの画特有の線の流れ(これは生やライブの意に近い)
つまり、リアリティや生の躍動感、ということになる。

これやっぱり「シン・仮面ライダー」で庵野秀明監督が追及していった究極の美意識に近しく思える。
綺麗だったらいいわけではない。

そして、後に発覚するが、
オークションの作品を作り上げるために桂先生、
寝ずにぶっ続けで9時間近く朝まで作業をしていた、というのだヾ(゚д゚ll)

すごい。

そう、つまりこの日、先生が遅れた理由はそれで疲れていたからだったのだ。
すげーー、そう考えるとさらにこの画がすごいものに思える。

トークでも次に何を描きたいか、考えているか、などの話の時に
「とにかくカロリーがすごいんすよ。ZETMANなんかは・・・体力が持つかわからない」

当たり前だが、絵を描くのはとてつもないエネルギーを消費する。
漫画家の苦労は想像を絶する、というのは有名すぎる話だが、
その集中力も体力も、意欲も本当にすごい。
この創作論だけでずっとトークを聞いてみたい。

そしてオークションを最高額で落札したお客さんがめちゃめちゃ愛に溢れた方で、
「温度管理も徹底して死ぬまで、死んだ先まで保管する」
というのだ、

もはや歴史的価値持ってるヾ(゚д゚ll)
と、いうことなのだ。

もしかしたら転売目的の人に手に渡ったりしないように、
絶対に落としたい額を書いた、それでも「落とせないんじゃないか・・・?」とずっと
ドキドキが止まらなかった、というのだ。
すごすぎる。
何かを守る、正義のヒーローみたいだ。

そんな化物みたいな愛が渦巻いていたライブだから、
「伝説のライブ」だったのだ。

押した時間もあったので遅くなった打ち上げも終わり、
お店の大量の片づけをしながら、

大音量で「ウイングマンのオープニングとエンディング」
「異次元ストーリー」と
「Wing Love」を流していると

『100%のヒーローなんているわけないよと、わかってるのに~』
とか『
「イメージ通りに行かなくたって、わかってくれる、きみならきっと』の二番とか、
もう泣けてくるのだ。
もうこのライブそのものだ。いろんなところがうまく行かなかったけど、
「わかってくれたお客様」

『ほとんど夢でも、いつかはなりたい君だけのヒーロー』
ということなのだ。と無理やり締めてみました。

サインをもらうときに自分の書いて欲しい名前を小さなメモに書いて先生に見せるのだけれど、
その紙が落ちていても、捨てられない・・・
その紙に想いが籠っているのだ。
そんな気持ちにさせられるライブでした。
ライブに生の絶望を挟むなんてやろうと思ってできないし、しちゃあいけない(;^ω^)

終わった後に思ったのが
「ウイングマン」って昔の作品も含め
ファンが「補完する部分を多く残した夢の余地のある作品」に思える。
そうじゃなきゃこのライブの説明がつかない。

参加いただけなかった方も、凄まじい空中戦となったオークションに手も足も出なかった方も、
こんな風に想いを共有していただければ幸いです。
新規も古参も、SNSも、みんなの想いが全部繋がっている。

みんながヒーローだ。
これは当てずっぽうな言葉ではなく、
最後の哲学。
ウイングマン漫画のラスト付近で、みんながウイングマンになるというシーンがあるのだけれど、
結局、自分が映す世界を救えるのは自分の努力と根性だけ、
目の前の世界を救うのは君の認識だけである、という
心理科学に沿った考えだ。

広野のコスプレ用に買った運動靴にも見える白いスニーカーが
ZETMANのアルファスの正義の白にも見えて気に入っている。
これを履いて走って頑張ることにします(*'▽')

次回『ドラマ版ウイングマンと桂正和先生が深すぎる。キータクラー(宮野真守)が放った「認知革命」が世界を変える』
に続く。長々と書いてまだ続くんかいヾ(゚д゚ll)

⇧司会IKKANさんもさっそく燃えてます。

⇧ケニアにコスプレ文化を広める遠征を終えたばかりのアヤミーさん。本当はアオイ変身衣装だったんですが、衣装の制作も手伝ってくださり感謝。これからも頑張りましょう

⇧素敵な衣装にチェイングしている渚さん。
見よ!この世界を飛んで培ってきたロケーションの活用(;^ω^)
素敵すぎるでしょ!

⇧カムクラさんの桂先生愛が伝わった写真(;^ω^)
とにかく本番直前なのに雑務を手伝ってくださったり、
差し入れくれたり、本当に献身的な超タレント気質のエースといった感じでした。ほんといい写真ヾ(゚д゚ll)

僕とブリちゃん(浜田ブリトニー)もよろしくです!
僕は恐縮で

このあと「光栄です」と握手させていただいたんですが、手袋があって片手で握手してしまいすごーく反省してます(片手で握手するのはヒーローだからなヾ(゚д゚ll)
生まれてきたすべてにお釣りがくるほどの経験でした。が、それよりも桂先生の想いを繋ぎたいという意志が湧いてきます。



ウイングガールズならぬ桂作品ガールズ(;^ω^)ブリちゃん、お店の全対応しながら衣装無理やり作って頑張りました。


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