見出し画像

デジタルウェルビーイングを保つための7つのヒント

デジタルウェルビーイングとは

「Digital Well-being(デジタルウェルビーイング)」という言葉をご存じでしょうか。これはGoogleが2018年に提唱した言葉で、「テクノロジーとの健全な関係を構築し、適切に管理しながらメリットを最大限に受けること」を意味します。

私達の生活がテクノロジーとは切っても切り離せない関係になっているのと同時に、その弊害も指摘されています。Googleの調査によると、米国の成人の場合、オンラインメディアの平均利用時間は1日約6時間、スマートフォンをチェックする回数は約50回、未成年者の場合は80回を超えると言われています。いわゆる「スマートフォン中毒」の状態にあるというわけです。

このような状態は「身体的、精神的、社会的に、良好な状態にあること」というウェルビーイングの定義から外れたものであると言わざるを得ないでしょう。実際、70%以上の人たちが、「テクノロジーと実生活のバランスを改善したい」と考えているというGoogleの調査もあります。

テクノロジーを使うことで、心身ともに良好で、社会的にも健全な状態を保つことを目指すのがデジタルウェルビーイングです。

AndroidとiPhoneのデジタルウェルビーイング対策

画像2

Photo by Nikolay Tarashchenko on Unsplash

デジタルウェルビーイングを保つために必要なのは、まずは自分自身の利用習慣を詳しく把握することであるとGoogleは主張しています。実際、2018年からその名も「Digital Wellbeing」としてAndroidのスマートフォンでアプリとして提供され、各アプリの使用時間や通知の数などが可視化できるようになりました。

同年、Appleも「スクリーンタイム」という名でiPhoneに同様の機能を実装し、テック業界がデジタルウェルビーイングを重要視していることを印象づけました。

ただ、Androidの「Digital Wellbeing」やiPhoneの「スクリーンタイム」を活用して意識的に自分の利用習慣を振り返っているという人はあまり多くないのではないかという印象があります。一度じっくり眺めてみて、自分がどのくらいの時間スマートフォンを利用したか、どのアプリを何分間使っているかといったことを把握してみてはいかがでしょうか。

デジタルウェルビーイングを保つための7つのヒント

画像1

Photo by thiago japyassu on Unsplash

最後に、デジタルウェルビーイングを保つためにできるヒントについて考えてみましょう。

1.一度に使うデバイスは1つだけにする

頻繁にスマートフォンやタブレット、PCなど複数のデバイスを同時に操作すると、記憶や思考を司る認知機能や感情コントロールが低下する可能性があるという研究結果があります。心の健康を保つ上でマルチタスクは危険です。

2.通知を減らす

メールやメッセンジャー、チャットアプリ、ニュース速報などの通知は一瞬で集中力を奪います。一度途切れた集中力を取り戻すまでに約23分かかるという研究結果があります。この23分の間にまた別の通知が来たら…? 可能な限り通知は減らすよう今すぐセッティングを見直したほうが良さそうです。

3.重要なアプリのみをホーム画面に置く

スマートフォンのホーム画面にLINE、Facebook、Instagram、Twitterなどのアイコンがあったらきっとこれをタップしてみたい衝動に駆られることでしょう。時間を消費してしまうアプリは 2 番目か 3 番目の画面に移動することでこの衝動を防ぐことができます。

4.メールやメッセンジャーに返信する時間を決める

メールやメッセージにその都度返信していたらいくら集中力があっても足りません。返信のための時間を決めることでその他の時間は通知を切っておくことができます。また、こちらから送ることをできるだけ控えることも検討してみましょう。

5.おやすみモードを活用する

スマートフォンを「おやすみモード」にすれば着信音、バイブレーション、画面上の通知などをシャットアウトすることができます。何かに集中したい時は手動で「おやすみモード」にするクセをつけておくといいかもしれません。

6.別の部屋で充電する

物理的にデバイスから離れるのもいい方法です。充電するときくらいは手元からスマートフォンを離してみましょう。「今はどうせ充電中なのだから使えない」と割り切れば、他の大事なことに集中できるでしょう。

7.スマートフォンを持たずに外出をする

スマートフォンを持たない外出を計画してみましょう。不安ならば電源を切った状態で持っていくといいでしょう。近所への日用品の買い物や散歩、外食などにはスマートフォンが必要ないことに気がつくでしょう。

以上、7つのヒントについて考えてきました。私達の生活はもはやテクノロジーとともにあるので、スマートフォンやタブレット、PCと完全に距離を置くことはむしろ望ましくありません。また、どの方法が有効かについては個人差があるでしょう。

テクノロジーに振り回されるのではなく、つきあい方をうまくコントロールしてデジタルウェルビーイングな生活を送っていきたいですね。

Text:池田美樹
Top photo by Rodion Kutsaev on Unsplash


いいなと思ったら応援しよう!