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予防接種とワクチン② インフルエンザ
今日もワクチンのお勉強。
インフルエンザワクチンっていつ打てば良いの?
■日本感染症学会の提言
インフルエンザとCOVID-19については、今月の頭に日本感染症学会が「今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」という提言を出している。
提言は医療関係者向けのものだ。
簡単にまとめる。
・次の冬季にCOVID-19の大きな流行があると予想されている。
・インフルエンザの流行期と重なる。
・COVID-19とインフルエンザの合併例も報告されてきている。
・合併例では鼻閉や咽頭痛が多く認められる傾向。
・血液検査所見、CT所見での鑑別診断の報告あり。
両者の相違についてもまとめがあったので表を転記する。
おそらく一般の診療所・病院では鑑別は難しいであろう。また、どちらも流行すれば、合併例もでてくる。
ワクチンについてはこう書かれている。
インフルエンザワクチンは、とにかく皆摂取することを強く推奨。
■インフルエンザワクチン
インフルエンザはB類疾病に分類される。
つまりインフルエンザ予防接種は、個人の発症または重症化の予防を目的としている。65歳以上は全員、また60歳以上でもリスクの高い方は定期接種の対象となる。
インフルエンザワクチンは不活性化ワクチンである。(ワクチンの種類は他に生ワクチン、トキソイドがある。後日まとめる)不活性化ワクチンは、病原体を不活性化しており、摂取しても感染症に罹ることはない代わりに免疫がつきにくい特性がある。
そのため、予防接種で100%感染を防ぐ、ということは出来ない。
■インフルエンザワクチンの株
インフルエンザは毎年、A型2種類、B型1種類の合計3種類の亜型が流行する。
ワクチンの株は、厚生労働省健康局長が国立感染症研究所長に検討を依頼、選定会議の意見を踏まえて製造株が選定されることになる。もちろん、毎年見直されている。流行を予測してワクチン株を製造するのである。
インフルエンザワクチンは、A型2亜型+B型2亜型の4種混合が一般的である。
従って、予防接種前に罹ってしまったとしても予防接種をする意味はあると言える。
■インフルエンザ予防接種はいつ受ける?
インフルエンザの流行は、例年通りであれば12月から翌年5月くらいまで。ピークが1月から3月くらい。
インフルエンザワクチンの予防効果は接種後2週間から5ヶ月程度なので、11月には受けたほうが良い。遅くても12月中頃まで。
摂取回数は13歳以上は1回でOK。13歳未満は2回摂取する必要がある。
今年は、COVID-19の流行状況も気にしておく必要がある。
インフルエンザの予防接種を受けにいって、感染してしまうケースもあるかもしれない。
医療機関によっては、予防接種しか受け付けない時間帯を設けるところもでてくるかも。
■今年は
インフルエンザ予防接種を強く推奨。
「受けた年に限って罹ったけん、受けない」とか言っている人も予防接種は受けたほうがよい。
今年の予防接種は、個人より集団を守る目的になるかもしれない。
高齢者福祉施設に入居している65歳以上の高齢者を対象とした試験で34-55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったという報告もある。
普段の予防策に加え、ワクチン接種でインフルエンザの流行を抑えましょう!
<予防接種とワクチン>
① 予防接種法
② インフルエンザ
③ ワクチンギャップ
④ 麻疹と風疹
⑤ ワクチンの組成
⑥ 副反応・有害事象