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流行りのポビドンヨード

イソジンが爆売れしているそうで。
本当に必要??
ポビドンヨードについて、学習。

医薬品については、添付文書がまとまった情報が載ってるけど、詳しい情報を見ようとおもったらインタビューフォームがおすすめ。

医薬品インタビューフォームまたはインタビューフォーム(略称IF)とは、処方箋医薬品の添付文書では不十分な情報を補うために企業から提供される総合的な情報提供書である。
Wikipediaより抜粋

https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/780009_2260701F1409_1_1F.pdf

カバくんでお馴染み明治さんのインタビューフォームを見てみよう。

1. 構造

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▲ポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体。
構造式は知らなくてもなくても良いが、「I」がヨウ素を表す。


2. 使用部位

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▲うがい薬なので、もちろん喉に使用する。
ちなみに外用剤(傷の消毒などに使用)もあるが、うがい用とは別なので間違いのないよう。


3. 効能効果、用法用量

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▲これが正しい効能効果。
「コロナの治療薬」と謳ってはいけない。「口腔内の消毒」ならOK。
使い方は用事希釈。うがいする時に水で薄め、使用する。希釈後は経時的に有効なヨウ素が減っていくので速やかに使用する。希釈は15〜30倍。後述するが、効果的な濃度があるので用量はしっかり測るほうが良い。


4. 薬効薬理

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▲ヨウ素はウイルスだけでなく細菌やカビにも作用する。ピンポイントでウイルスを狙うことはできない。

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▲遊離したヨウ素が、膜タンパクに作用する。人間で言うと皮膚を剥がされていく感じ。怖。

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▲ポビドンヨードの濃度で重要なのは、どれだけヨウ素が遊離しているか。このグラフは要するに薄すぎも濃すぎも適していない、ということ。
なので、15倍〜30倍希釈する。

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▲ウイルスに対する効果。インタビューフォームには他に細菌に対するデータの記載もある。うがいするなら1分くらいしてれば良さそう。ちなみにうがいは

①口に含んでブクブク
②ガラガラうがい。15秒くらい。
③もう一度②をおこなう

が基本。長めにするのは良いだろう。


5. 副作用

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▲禁忌はどの薬にも可能性がある、過敏症のある方。

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▲慎重投与は甲状腺機能に異常のある方。ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料となるため、甲状腺に集まり影響を与える可能性がある。甲状腺異常のある方は注意。

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▲副作用。大したものはない。妊婦さんはヨウ素の過剰摂取は避けたほうがよい。新生児の甲状腺機能に影響をあたえる可能性がある。


6. 今回発表された大阪府の資料

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▲検査対象は41人。ポビドンヨードで1日に4回うがいをする。コントロール群とポビドンヨード群の内訳はわからない。

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▲唾液検体によるPCR結果。ポビドンヨード群でウイルス減少。有意差があるかは記載なし。DAY4はありそうだけど。
唾液中からウイルスが減っても、肺や鼻腔、その他色々なところにいる可能性はある。つまり、これだけで重症化が防げる、とか、感染予防になる、とは言えない。相関を調べる必要あり。
とはいえ、陽性反応が出た方は使用してみたほうが良いかもしれない。ここは手探りだろう。


7. 「買い」なのか?

今のところ必要なし!理由は下記の通り。

◼️長期使用による弊害
予防に使用すると、落ち着くまでずっとポビドンヨードを用いたうがいをせざるをえない。甲状腺機能に影響をあたえる可能性がある。また、見境なくウイルスだけでなく菌などを殺してしまうため、口腔内細菌叢を破壊してしまうかもしれない。

◼️偽陰性
現在どのくらい唾液検体を使用しているかわからないが、口腔内のウイルスを減少させることで、ウイルスを保有しているにもかかわらず、PCR陰性となる可能性もある。


うがいは大事だけど、うがい薬は必須ではない。
無理に買うのはやめましょう!



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