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雷三日
息子(4歳)と虫採りに行った帰り。
雨が少し降り出しており、雲行きもまだひどくなりそうな感じであった。
息子が手に持っていた虫採り網を私のお腹に当ててきた。
「振り回したら危ないよ」と言って息子をみると、網を持っていない方の手で自分のお腹を抑えている。
「お腹痛いん?」
聞くと彼はにこにこして首を振った。
ああ、なるほど。
彼はへそを隠しているのか。
まだ小雨で晴れ間もあったが、雨の中傘もなく歩くのは初めてだったかもしれない。
「おへそ隠してくれたん?」
「そう!」
そもそも、なぜ雷様はおへそをとっていくのだろう。
一説によるとこうだ。
雷が鳴るとき、空気が冷え冷たい風が吹く。昔は服を着ず遊ぶ子供も多かったのだろう、お腹が冷えないよう「へそがとられる」と服を着てお腹を隠すようにしたのだとか。
また、へそを隠すと体を屈めることになる。
雷は高いところに落ちるのでそれを避けるため、という説もあるようだ。
お腹を隠した息子の背筋はしっかり伸びていたけれど。
雷三日とはよく言ったもので、今日も雷が鳴っている。
子どもたちから「おへそ隠してお仕事頑張ってね」とボイスメールが来た。
貫禄が出てきたお腹を抱えて、もうひと頑張り。