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眠れません!① 年齢と睡眠

とあるところで「睡眠薬推進派」と「反睡眠薬派」のいざこざがあり、睡眠についての勉強会をしてほしいと言われその資料作りに勤しんでいる。

睡眠はむずかしい。
各論を言うのは簡単だが、個人やその生活場所で目指すところが変わってしまう。例えば年齢や職業、団体生活なのか否か。

とにかく今は睡眠についての再確認と知識の詰め込みをしているので、ここで少しまとめせていただく。

■睡眠障害の中の不眠とは

睡眠障害には色々あるが今回は不眠を取り上げたい。不眠とはなにか。

不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気(厚生労働省 e-ヘルスネット)

頻度はしっかり定まってはいないが、週2回程度(もしくはそれ以上)の睡眠問題が1ヶ月続くと不眠とみてよいだろう。

入眠障害:寝付くのに普段より2時間以上かかる
中途覚醒:夜間目覚めやすく2回以上起きてしまう
早朝覚醒:朝普段より2時間以上前に起きてしまう
熟眠障害:朝起きたときにぐっすり眠った感じが得られない

日本睡眠学会の「睡眠薬の適正使用ガイドライン」では、次のように不眠の診断基準が示されている。ややこしい。

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表中にあるICSDは睡眠関連疾患国際分類で、第2版(ICSD-Ⅱ)では細かく分類されている。「睡眠薬の適正使用ガイドライン」は2014年のもので、実はICSDはこの後、第3版(ICSD-Ⅲ)が出版されておりこの中で不眠は、急性(短期)不眠慢性不眠の2種類だけになった。結局分類がうまく行かず治療にも活かされなかった結果だと思う。

不眠で共通しているのは「睡眠」と「覚醒」のバランスが崩れ、「覚醒」に傾いている状態であって、これが3ヶ月以内(短期)のだと勝手に治ることもあるが、それ以上長期に続くと治らない、ということに基づいて2種類にわけられている。
メカニズムは今度改めて。

■どのくらい眠ればよい?

National Sleep Foundationによると推奨する睡眠時間は下記の通り。
青は「推奨する」、水色は「推奨できるかもしれない」、それ以外は「推奨しない」となっている。不眠も良くないが、過眠も良くないということだ。
私は30代なので7-9時間寝たら良い。なかなか難しいけど。また、「ショートスリーパー」といわれる、4時間寝ればOKといった例外もいる。

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加齢に伴い推奨睡眠時間は減っていく。これは、しわが増えたり白髪になるように、睡眠が年齢に応じて変化していくからである。

下の図は若年者と高齢者の睡眠を比較したもの。若年者は長く深く眠れるが、高齢になると深い眠りができなくなり早寝早起きになる。(ここではレム睡眠などの用語は割愛)。
感覚ではわかっていても、眠れていたときの記憶は残っており、「前みたいに眠れないの」と訴えて薬を飲む方も多いが、加齢によるものなので受け入れた上で対策したほうがよい。

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また、夜中に目覚めるのも悪いことではないかもしれない。

バージニア工科大学の歴史学者イーカーチは夜間の人間の行動を調べている。この中で「第一の睡眠」と「第二の睡眠」があることがわかった。
産業革命以前では多くの人が、4時間寝て1時間ほど目を覚まし、また4時間ほど眠る分割睡眠をしていたという。特に北半球の冬場、夜間が長くなる時期にみられた。
国立精神衛生研究所(米国)の研究では第一と第二の睡眠のあいだの時間、脳が「プロラクチン」というホルモンを大量に分泌させることがわかった。このホルモンにより気分が前向きになり、日常の不安や緊張を緩和させるのに役立つ。
夜間目を覚ますことが良い方向に働くこともある。
これは私見だが、うつになりやすい日照時間の短い時期に分割睡眠をすることで心のバランスを保っていたのかもしれない。



明日も仕事。
まだ色々書きたいけど早よ寝んと。

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