2023 NFL Draft Cincinnati Bengalsの指名考察
お久しぶりです、Draftが終わってから早1ヵ月が経ちました。ここからプレシーズンまでの約2ヶ月間がNFLファンの本当のオフシーズンになります。更新頻度は落ちると思いますが、この後はDraft指名選手紹介と新加入選手紹介をプレシーズンまでに少しずつ進めていこうと思います。
さて今回の記事では指名された選手の詳しい説明では無く、チームの意図はなんだったのか考察していこうと思います。素人Bengalsファンの戯言だと思って気楽に読んで欲しいです。
指名選手
1巡 28位 Myles Murphy (Clemson-DE)
CB,TE等の補強ポイントに有力選手が残る中、補強の緊急性はそこまで高く無かったDEを指名しました。現スターターのHendricksonは残り2年、Hubbardは残り3年と即戦力を求めるチーム事情では無かったと思います。
それでもBengalsがBase Schemeにする4-2 NickelはDLの層の厚さが非常に大切になります。昨シーズンHendrickson&Hubbardが怪我で離脱した時、Hubbardの穴はC.SampleとOssaiでなんとか埋まりましたが、Bengals Defenseで唯一個の力でモメンタムを引き寄せられるHendricksonの穴を埋められなかった事をファンの想像以上に重く受け止めていたのだと思います。
しかしチームにはHendrickson級の選手もう一人加える、Cap Spaceも無ければ、DEにはHubbardというスターターとの契約が3年残っているという契約的な事情がありFAやトレードでの補強は非常に難しかったです。
なので首脳陣は「すぐにHendricksonの負担を減らせる選手(アーリーダウンでRun Defenderとして期待できる選手)且つ、現スターターと世代交代を狙える若いDEをDraftで指名する」という方法に切り替えたのだと思います。
そんな中で1-28まで今シーズン開幕時にまだ21歳と若く、Clemsonで3年間スターターを務め、Hendricksonの代わりにアーリーダウンに出場させる事が出来る優秀なRun DefenderであるMurphyを指名したのだと思います。
2巡 60位 DJ Turner Ⅱ (Michigan-CB)
2巡ではオフシーズン中から補強ポイントに挙げられていたCBを指名しました。Draft時点でBengalsのCBのDepthは、怪我するまではリーグトップクラスのパフォーマンスでしたが怪我の状態が不安なChidobeと、尻上がりにパフォーマンスを上げプレーオフのvsBUFでは試合を決めるINTをした🐰という2人のスターターCB候補に、リーグ屈指のSlot CBであるHiltonの3人がおり当面のスターターは盤石です。しかしChidobeか🐰を起用できない時は、S.JonesとA.Georgieという何とも心もとない面子しかRosterにいません。また2023年にChidobeとの契約が切れる事もあり、「今シーズンのCBのDepth兼スターター争いが出来、将来的にスターターを任せられるCB」を必要としていました。近年のPass偏重の影響でCBへの需要が高まり、DraftでのCBの指名スピードは年々速まっており、今Draftもそれは同じで上記の条件を満たすCBは名門Michiganで2年間スターターを務めたスピードスターで且つまだ21歳の若さもChidobeとの世代交代に相応しいDJ Turnerが指名されたのだと思います。2巡でのCBの指名は指名選手が誰であれ納得の指名だったと思います。
3巡 95位 Jordan Battle (Alabama-SF)
3巡でのSFの指名は正直意外でしたね。昨シーズンまで3年間不動のレギュラーとしてNFLのTop5に入るSF DuoだったBatesとBellの2人が今オフに2人とも移籍しました。それでもDraft時点でBengalsのSF DepthはBates&Bellの後釜として昨年のDraftに指名されたD.HillがSSで、LARから移籍してきたN.ScottがFSでそれぞれスターターとして目されており、控えにはT.Andersonという未完の大器(おそらくHiltonの控え?)とST Leaderの偽M.Thomasの4人がいました。それでもBattleを指名したのはAndersonとThomasの2人をSFの控えとしては見れていないという事だと思います。Andersonはルーキーイヤーの昨シーズンもほとんど怪我でしたので今シーズンから即SFの3番手というのは難しい中で、2年間で3人という指名過多にもなりかねないリスクを背負って「スターターが全員変わり不確定要素の多いSFに、即戦力を指名する事で少なくとも層の厚さだけは確保したい」という意図があったと思います。そんな中でBattleは名門Alabamaで4年間スターターを務め、21シーズンのハイパフォーマンスで今Draftでの1巡指名も噂されていた選手なので、ある程度Defenseの整備されているBengalsで唯一不安定なSFに、競争意識を植え付けれる且つ、大器Andersonの育成の時間を確保出来る指名だと思います。
4巡 131位 Charles Jones (Purdue-WR)
Day1,2ではDefenseのみを指名し、残る補強ポイントはOffenseのSkill ポジションのDepth要員でした。そんな中で指名したのはSlot WRでした。「スターター3人が盤石だが、HigginsとChaseに大型契約を与える予定で来年にはBoydがいなくなるのでBoydの後釜を務め、Irwinを退け4番手WRとしてOffense weaponになれる選手」としての指名でピンズドの選手ですね。現在24歳とオールドルーキーになりますがSlot WRとしては明確なIrwinからのアップグレードだと思います。おそらく来シーズンはTEの役割を減らし、WRの役割を増やしながら、Chase&Higginsの負担をBoydだけでは軽減でき無いので、C.Jonesを指名したのだと思います。今Draftで一番早く出番のある選手かもしれません。
5巡 163位 Chase Brown (Illinois-RB)
5巡では「DENに移籍したPerineの後釜となるMixonの控えが務まる、バランスの良いRB」としての指名だと思います。RBはDraft時点で、去就不透明な大エースMixon、永遠の期待の逸材T.Williams、レシービング要員C.Evansの3人がいましたが、Mixonが怪我や裁判の判決によりいない場合T.Williamsのみが主線級という事になるので、T.Williamsとならキャリーを分け合える選手としての指名です且つ、MixonとWilliamsが23までで契約が切れる可能性があるので将来的にはRBの軸とした期待も含まれているかもしれません。この指名によってC.Evansの立場が危ういという事が公になったかもしれません。
6巡 206位 Andrei Iosivas (Princeton-WR)
6巡 217位 Brad Robbins (Michigan-P)
6巡では「昨シーズンスターターが定まらず、今シーズンはスターターを競争させたいP」と「現控えWRに足りない、サイズと身体能力を兼ね備えた天井の高いポテンシャル枠」の2人をトレードダウンして指名しました。TEのドフリークD.Washingtonも指名出来ましたが、Pを指名した上で昨年のT.Andersonと似た、ポテンシャル採用の長期育成枠のしめいですね。なんとなくですが現政権のDraftの指名傾向が出ている気がしますね。
7巡 246位 DJ Ivey (Miami-CB)
7巡では「シーズンを完走するのに6人では物足りないCBのDepth要員」として指名されました。彼も足が速い部類に入るので彼とDJ Turnerの指名からもAnarumoがDB特にCBには足の速さとタックルの強さが重要視されている事が反映されている指名だと思います。
雑感
BengalsファンがDraft前に希望していた、Super Bowlを狙う為のリスクを取った指名では無く、Burrow,Chase,Higgins,Wilson等との契約延長を見据え、再契約にお金の掛かるであろうポジションの将来的なスターターを指名し長期的なチームの安定を狙う、現スターターをアップグレードする指名では無く、現スターターとの世代交代を見据えた長期的な視野に立った指名でした。個人的にはどの指名も納得の行く理由はありましたし、1巡以外はとても的確な指名だと思います。1巡のMurphyの指名は理解は出来るんですが、個人的にM.Mayer(TE Notre Dame)が余りにも好み過ぎて彼が残っていながら指名出来なかったの事への未練はMurphyに活躍してもらう事でしか払拭出来ないと思います。
今Draftで指名された8人全員が活躍できる程NFLは甘く無いですが、それでも今は8人の若者の輝かしいキャリアを応援しています
~See you soon~
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