退職メールマーケティングをするまでの道のり
これは前のnoteに至るまでの話だ。
大企業に勤めていたため、「異動メール」「退職メール」は頻繁に目にする。
その都度、【重要】・【至急対応】メールと同じくらい見てしまう。知っている人はもちろん、知らない人から来たメールもなぜか。誰が転職するなんて、別に興味はないはずなのであるが、気がつけば吸い込まれてしまう魔法のメール。
退職メールには一抹の切なさと美しさがある。メールを送られた何時間か後には送り主は最終出勤を終える。本人は在籍していない会社の受信BOXにメールだけがいつまでも残り続ける。エモい。一人熱い視線を退職メールに注いでいる。
いつの日か、私が退職メールを出すことがあれば何か仕掛けをしたいと思うようになっていた。
元来より私は公の場所で仕掛けを作ることが好きだ。
人の誕生日会でスイカを割る、プレゼンで踊る、、、、、、、
馴染みある儀式に一石を投じないと気が済まない体質なのである。
ただ、石は当たったら痛いので、マシュマロを投げているつもりである。
そしてついにその時が来た。
この度新卒から3年間勤めた会社を卒業することになった。
ビジョンを持って行動する人が多く、良い仲間と出会えて充実した3年間だった。
この思いを表現するために退職メールで何かせねば!!
ちなみにうっとりするようなメッセージを考える、ではなく、
何をパフォーマンスするかという方向性に大きく振り切っていた。
「退職メールは卒業制作だ!」という思いでいっぱいだった。
・文章一切なしで退職動画を送る
・自分の写真を著作権フリー画像として提供する
・謎解き形式の文章を作って正解者には景品をプレゼントする
・・・
色んなことを思いついた。
退職を報告した日から卒業制作で頭がいっぱいだった。
しかし、
退職を報告した日から最終出勤まで、毎日が大晦日のように多忙だった。
ああああああ
果たして退職は出来るのか。年を越せるのか。
〜15日経過〜
気付けば最終出勤前日だった。結論忙しさ的に年は越せなかった。
思い付いていたアイディアも育てることが出来ず終えようとしている・・・
不甲斐ない。たまごっちの排泄の世話をせずに瀕死にさせた時と同じ気持ちになった。
そんな自己嫌悪と朦朧とした脳みそで思いついたアイディアは制作というよりも調査であった。
「退職メールでマーケティング調査をする」だ。
そもそも、退職メールはつい確認してしまうし、某大企業で働く人数百人に対してDM(=退職メール)が送れるなんてマーケティング効果が非常に高いのではないか。私が証明してみせようやないか。
そしてそれが例えば、私の退職メールに広告枠をつけるとすると、
それも広告付きクーポンであれば・・・
企業も私も送られた人も誰もがハッピー。
「この退職メールを見せると半額!」とかなんかちょっとムズムズするような不自然な世界良いな。
パッと思い付いて、そのままパッとやってみることにした。ちょっともう徹夜で今から何か制作するのは厳しいし。動画を撮るにも最終出社前日のナイトルーティンしか撮れなさそうやし需要ないし。
退職メールにアドレスを記載したらHPへのアクセス数が上がったとか見てみたいな。
よし、企業に相談してみよう〜〜
と勢いよく思ったものの、時刻は最終出勤前日22時。
途方に暮れたが、神様は夜中でも私を見捨てない。
自分も関わっている、クリエイターと共創するブランド“One Drop”
を手がける杉目さんに相談してみると、「面白いね!」と
メールでの記載許可+クーポンも発行してくれたのだ。
そうして退職メールでOne Dropとコラボするをするという卒業研究を行うことにした。
概要としては、退職メールにOne dropのURLを貼る+クーポンコードを記載することでアクセス数・購入率はどうなるのかを見ることだ。(ただし、行動を誘引するものではなく紹介程度・かつ感謝の言葉が9割のメールである。)
ただし、事前調査には念を入れたい。
そもそも退職メールを見る割合ってどれくらい?市場規模は!?
どこかのシンクタンクが調べてくれてないかな〜なんてググっても一切出てこなかった。こんな社会貢献度の低い調査をするシンクタンクはどこにもいないのだ。
更に念のために英語・中国語・アラビア語でも調べてみた。出てこなかった。データに溢れる世の中で、こんなにもどかしく思うことはなかなかない。
なので自分で調査することにした。
みんな本当に退職メールを見ているのか、アンケートフォームを作成し、聞きまくった。本来最終出勤日に勤しむ場合ではないのだが。
たった数時間の間に84人の方が協力してくれた。
ドキドキしながら結果を見ると、なんと8割以上の方が実際に見ていた。
世界は同志に溢れていた。
自信を持って自分のメールでマーケティング実験を行った。
いざ退職メールを送るとなると本当に寂しさが溢れてきた。共に切磋琢磨しあって、辛い時に励まし合った温かい同期、いつも見守ってくれる優しい先輩、可愛い可愛い後輩たち。改めて寂しい。
そんな思いも持ちつつ、調査結果を待った。そして退職メールのマーケティング結果であるが、
ECのCVRと比較し4倍もの効果が出た結果となった。
(結果は再掲のnoteまで。)
結果に一瞬だけ寂しさが吹き飛んだ。
本研究では、退職メールにマーケティング効果があることが明らかになった。という結論を出すことができた(あくまでも本研究)。QED
この調査が終わった後も興奮は冷めやまなかった。むしろ今回のメールで至らなかったところを悔やんでいる。
そこでこの経験を踏まえ、2つ、ゆるく初めてみようと思う。
1退職メールコンサルティング
2引き続き退職メールのマーケティング
1に関しては、没個性がちな退職メールを、その人らしくクリエイティブに出来る方法をゆるくコンサルティング出来たらいいな〜〜〜と。
2に関しても果たして退職メールはマーケティング効果があるのか、さらなる可能性がないか小さくサービス作っていけないか模索していこうと思う。
協力してもいいよーという転職予備軍の方、企業の方、いらっしゃればご一報ください!!
改めてですが、こんな私を受け入れてくださった会社の皆様、ご関係者の皆様本当にありがとうございました。