気まぐれ学び日記:デューク大学講義:石油ガス産業オペレーション&マーケット②
あるエリアの発掘の成熟度や成功度合いを表す指標
フロンティアリージョン(frontier region)は十分に開発されていないエリアを指す。このような未開拓地へのアプローチは地球物理学者による地表下部の地質調査から始まり地質データを作成し石油・ガスが埋まっているエリアを探します。
ワイルドキャット油井(wildcat well)はかつてドリルで発掘が行われたがそのさらに下部に潜在する"可能性がある"貯蔵地のことを指しています。ドリルで山猫油井を掘って空だった場合、ドライホール(dry hole)と呼ばれ、逆に新たな貯蔵地が見つかった場合にはサクセスフル油井(successful well)と呼ばれます。開発油井(development well)は既に一度ドリルが入っている貯蔵地の全空間に対して改めて採掘を行い生産を最大化することを指します。
油田(oil field)とは、既に掘削されたエリアにもかかわらずさらにまた下部や隣に貯蔵地があるなど広範囲にわたって石油・ガスが発見される領域のことを指します。またその際は既にほかの会社や土地所有者が鉱業権を持っているので譲渡しもらう必要があります。
そして最後に、追加で発見された貯蔵地が均質な地質状態を保有していた場合、例えば塩基性塩(Subsalt)など塩分が浸透しているケースなどの貯蔵地はプレイ(Play)と呼ばれる。
発掘時に石油・ガスが油井から圧力で吹き飛ぶ現象
貯蔵地があるぐらい深い地層部では水と貯蔵地が共存しているが、水の体積が増えることによって貯蔵地に対する圧力が大きくなり、油井を掘ってドリルで穴を開けた途端に吹き出ることもあります。いずれ吹き出ていた石油は待機より密度が大きいため今までの圧力が弱くなることで弱まりますが天然ガスは待機よりも密度が軽いため放出され続けます。そして石油・ガスが噴き出た場所には地層に含まれる水が流れて空白を満たしていきます。
地層部で貯蔵地が受ける圧力が弱くなるにつれてポンプで抜いてくる力も大きくなりますが、次第にそれでも採掘量は減っていきます。時系列でみると最初は採掘量が大きくなりますが次第に弱くなります。
貯蔵地から石油・ガス以外に発掘されるものとは?
オイルサンド(oil saturated sandstone)とは、石油と水を含んだ砂岩を指します。発掘が始まり採掘量が減ってきたとき、ここで二次または三次回収法(tertiary recovery process)がとられます(30%)。
二次回収法とは新たにプレッシャーを貯蔵地にかけることです。例えば水を地上から貯蔵地がある石油の下部分まで送り込むことで圧力を高めます(injection well)。または石油の上部分に天然ガスを送り上からも圧力をかけます。
三次回収法とは別名で原油増進回収(Enhanced Oil Recovery)と呼ばれていて、残りの堆積物粒子から油をすり落として遊離油(free oil)を回収する手法を指します。例えばCO2が貯蔵地に噴射されるとCO2が石鹸のような役割を担い、石油と堆積物粒子を切り離すことができます。貴はなされた今度は水を噴射してもう片方の吸引用の井戸へオイルを集めていきます(WAG手法:Water and Gas injection)。