気まぐれ学び日記:デューク大学講義:石油ガス産業オペレーション&マーケット①
石油はどこから来るのか?
石油はタンパク質が燃えることで発生する海洋プランクトンなどの有機物が堆積し発生したガスで、海底のものは良質に保存され膨大な量がある。
石油が生まれる地層の炭化水素システム
熱が有機物の塊を割ってそこからガスが地表方向に上昇する。60度ほどに温度が上がりこれは熱成熟(thermal maturation)と呼ぶ。石油化は120度ぐらいでストップする。天然ガスはより高熱でタンパク質を含む岩石が割れることで発生する。元となる岩石(source rock)は地層のかなり下にあり、ガスはそこから逃げる形で徐々に地表の方向に上がったり下がったりする。現在の石油・ガス開発はその貯蔵地を探すことに注力しており、貯蔵地層(strata)と元となる岩石の間の道を移行パス(migration path way)と呼ぶ。そのためにCap Rockと呼ばれている油田の周りを覆う透明の岩層があり、油田、キャップロックは石油集積に適したエリアをトラップと呼ぶ。
良質な石油/ガス貯蔵地の定義とは?
石油・ガス貯蔵地の良質さは気体や液体を通す能力=透明率(permeability)が指標として測られる。厳密には地層の中にある細孔の体積(pore space, porosity)で測られる。細孔体積が高ければオイルやガスは用意に細孔の間を通れるため透明率が高くなる。
例1 砂岩(sandstone):砂で構成,
例2 石灰岩(limestone):シェル材質で構成(アルミニウム合金とプラスチック),
例3 頁岩(けつがん, shale)砂と粘土の間の砕屑物(さいせつぶつ)と粘土で構成され有機物を含むため見た目が黒い。
例1例2は貯蔵地としてよく発見され透明率が高く、水をかけるとすぐに吸収する。一方で例3の頁岩は透明率が低く水をかけてもしみこまない。これは細孔の体積(porosity)が低いことを意味する。つまり岩石の中にみずがはいる隙間が少ない。一方で石灰岩は透明率が大きく岩石の中に隙間が存在する=透明率(permeability)。
もし仮に細孔体積が高く透明率が低い頁岩があった時どうなるか。
ガスと石油は頁岩に含まれる有機物から発生し、細孔(小さな隙間)に入る。これがシェールオイル、シェールガスと呼ばれるが貯蔵地としては透明率が低くまた同じ量の石油・ガスを含む根源岩(source rock)より2倍の大きさになるため奇抜と見なされている。
発掘ツールと方法
2つあり、衛星画像と地震波の2つのやり方がある。衛星画像から地表下部のわずかな地殻変動や重力や地場の特異な変化を検知し油田を発見する。他の方法は、船やトラックを使って地震波を使うことでより詳細のマッピングを作成できる。エアガンで圧力はを発してその反動から海底や地底の貯蔵地を特定する。地震波を使うことで堆積岩(sedimentary strata)の断面図(cross section)が得られ、その画像の中で白色の部分が砂を表し、黒色の部分が砂以外のエリアを示しそこに向かってドリルを掘っていく。
発掘する前に鉱業権(Mineral Rights)を取得
鉱業権とは財産権に当てはまり採石するために必要。また、鉱業権の一部に地上権(Surface Rights)も含んでおり、その土地表面の保有権だけでなく土地や地下も含める。地上権はその土地の保有者に帰属するが採石者や石油会社に譲渡することも可能であり仮に石油会社が土地保有者を探したいときはその土地がある地方/州自治体に問い合わせる必要がある。しかし会社が地上権、鉱業権を持つ場合、その地下の水も掘り起こす必要があるため環境や水流に対して注意を払う必要があり十分納得できる理由が必要。また採石して油田が無かった場合、井戸も閉鎖して次へ移ることになる。
鉱業権の契約種別
Bonus/一回の支払いでリースした土地から鉱物の生産、販売が可能になる権利が得られる。ドリルの数が多ければ価格は100,000ドル/Acreにもなる
Royalty/売上げの何割かを鉱業権保有者に渡す。12-15%。
Primary Term/ 採石する間の期間に対して払う
Delay Rentals/ 採石を一定期間遅らせる特権のために支払う金額
Secondary Term/ Primary Term以降に延長する期間に対して払う金額
ドリル/井戸の間の距離もどれぐらい深く掘るかによって異なり、採石地が広がると土地の所有者も複数になる可能性もある。個人の場合もあれば州政府の管轄の可能性もある。会社が公営土地を開発し、また多くの会社がその土地の鉱業権に興味を持った場合は入札になり、人権や環境への配慮を各企業が保証することが求められる。
発掘プロセス
オフショアでもオンショアでも基本的な構造は同じ。ドリルの中にはパイプがありそこを通って泥が通り掘削孔から排出される。泥が一緒に通ることで岩もスムーズに地上に上がり、またその過程で大きな岩が細かく削差れるようにする。オフショアドリルの場合、浅瀬か沖から離れたところ下で大きさも変わってくる。土地の場合は人工で池を作って泥を発生させてドリル発掘従業員の住居も含む環境整備が必要。
発掘手順
まずは地下水が流れている地表部分からドリルを掘っていく。井戸は封鎖して何も井戸を流れないようにすることで地下水汚染を防止する。その次の地表調査(surface casing)のため細めの鉄パイプを挿入。セメント部分で止まりそのドリル穴が固定し、地下から石油・ガスが漏れないようにセメントを流し込んでドリルの周りの空白を防いでいきます。また井戸の地上においても石油・ガスが地下から漏れないように機器(blowout preventer)を設置します。
万が一の場合にすぐにドリル穴/井戸を防ぐことができます(blowout safety measure)。そのあと初めてドリルとオイル・石油貯蔵地に掘っていきます。ドリルの穴を通って泥が流され、その泥が削って生まれた岩石(cuttings)を地上へ運んでいきます。貯蔵地に到達するとドリルが止まり、またセメントでその場所を固めます。そしてドリルから爆薬筒を発射し(perforating gun)、貯蔵地の中の石油、ガスの根源岩に熱を加えて資源化(水圧破砕法によって透明率を高めていく=fracking)していきます。その後、ドリルから石油、ガスを吸収していきます。この後はドリルを抜いて水圧破砕システムを井戸の入り口に設置します。水圧破砕システムは水供給機とストレージタンクから始まり、ミキサーへ水は流されて砂と砂粒を運ぶために水の粘度を高める化学物質が追加されます。この段階でミキサーの中には90%野水と9.5%の砂、0.5%の化学物質が入っています。
この混合物が井戸を通って貯蔵地まで流れていき、貯蔵地までの通路の粘度や砂粒を除去し、クリーンなガスと石油が地上にでるような状態を作り出します。このような方法を繰り返しできるだけ良質な石油、ガスを獲得していきます。
ソース:Oil & Gas Industry Operations and Markets - Duke University - コースの情報 | Coursera