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【セミナーレポート】自社セミナー「AIの現場定着に悩む情シスへ!生成AIを社内浸透させるDifyの活用方法とは?」
株式会社WEEL、メディア部の三谷です。
11/20(水)に弊社の田村が
「AIの現場定着に悩む情シスへ!生成AIを社内浸透させるDifyの活用方法とは?」というテーマで登壇したので、いち視聴者として聞きながらレポートをまとめました!
・SaaSやChatGPTなどを導入したのに、活用率が上がらない
・全社員へAI研修などを行っているが、思ったような効果が出ない
・AIシステムが有用なのはわかっているが、経営層から予算が下りない
・作りたいLLMシステムはあるが、実現可能性があるのか分からない
という方はぜひご覧ください!
目次
1. このセミナーでどんなことが分かる
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AI×開発の専門家として、企業でのDify活用について話しています!
※ただDifyの作り方などをレクチャーする訳ではありません。
Difyも手段の一つ!どういうケース・企業に有効なのかが分かる
他企業での活用事例が分かる
Difyの効果的な使い方が分かる
2. Difyとは?
![](https://assets.st-note.com/img/1732179073-4hB57uZwNEkWITcoCK36l9nb.png?width=1200)
Difyとはノーコードまたローコードでプログラミングが書け、LLM(大規模言語)のプロダクトが作れるツールです。
チャットボットだけじゃなくて、様々な自動化するツールも作れます。上記にある図のようにワークフローをざっと書かせると、中でLLMが動いて業務を自動化するといったことができたりします。
Difyのポジション
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非エンジニアからすると、エンジニアみたいにプログラミングを理解してなくてもツールが作りやすいので、ChatGPTは誰でも使いますよね。
対して、フルスクラッチ開発は技術者がいないとツール作成が出来ません。
比べてDifyはプログラミング側の知識とかシステムの知識がちょっと必要ではあるんですが、ChatGPTとかに比べて圧倒的にいろんなことができる。
そんなポジションです。
DifyとGPTsとの比較
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記事作成ツール作成画面
![](https://assets.st-note.com/img/1732192323-w2su1ImPhVEOAy9YlJofSxgZ.png?width=1200)
GPTsは一つ一つ段階的にちゃんと進んでくれますが、プロンプト1個で全部制御しなければなりません。何のツールを使うか指示は出来ますが、本当にそうなるかは確率論になってしまう時があります。
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逆に一つずつ制御していくDifyは、難易度は上がりますが、やれることの自由度が増しています。そして何のツールをどの順番で使いたいかをしっかりと指定することが出来ます。
Difyのメリット
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Difyで押さえておきたい4つの機能
人間が判断するような”柔軟な条件分岐”が可能
実行の手(ツール)を簡単に設定できる
クラウドだけでなく、ローカルでセキュアに使用も可能
少し複雑なRAGが簡単に実装可能
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これは生成AI自体に「この質問ってどれに当たりますかね?」
みたいなことの条件分岐をAIにやらせることができます。
上の図だと、何か質問が来た時にこの質問って
・AIについての質問かな?
・WEELっていう会社についての質問かな?
・どうでもいい他の質問かな?
みたいなことをAIに考えさせることができます。
今までのプログラミングだったら、ここの条件分岐はすごく難しかったんです。しかし、このように柔軟な条件分岐ができると、
WEELについての質問が来れば、WEELの専門家AIに回答を任せたり、
生成AIについて質問なら、生成AI専門家AIに任せるみたいなことが出来ます。
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若干難しいところなんですけど、HTTPリクエストもできるので、APIのが使えれば本当に何でもできます。
DifyにはWEB検索、画像生成、AWSとの接続とか、様々なツールが用意されているんですよ。
ちょっとプログラミング側の知識が必要なんですけど、
例えば、メールに関係するAPIが用意されてるので、そのAPIで用意されてるものをワークフローに入れ込んで設定すると、Gmailの下書き作成が出来るようになったり、何かメールが受信したら通知が来るようにしますっていうのが自由にできるっていう話です。
こうやって外部ツールを柔軟に自由度が高く設定ができるのが強みになります。
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Difyの料金体系はSaaSのようなサブスク型と、それとは別にPCにダウンロードしてローカル上で使うことも可能です。ローカルで使ってる場合はクラウドの月額料はかかりません。
自社のPCにダウンロードしてるので、結果ランニングコストを抑えることができます。
またローカルで動いているんで、クラウドと比べて速度が早い場合が多いです。
読んでる皆様もチャットとかのクラウドにあるウェブサービス使っていて、「なんか今日めちゃくちゃ遅いな」というのはあると思います。
しかし、Difyをローカルに落としてる場合は基本ないです。
また、ローカルなので自社データが使いやすくなります。
「社内のセキュリティ的な話とか企業ポリシーみたいなとこに違反せず使うために、Difyをローカルで今運用してるんです」という企業様も最近ちょっと増えてきてる印象です。
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Difyを使おうかなって考えている方は、RAGをどんどん使っていただきたいです。チャットボットだけじゃなくて、記事を作成する時とかに自社の過去記事を検索して、それを参考にして今回の記事を書かせたという時も、実はRAGを使っています。
テキストの前処理でデータのクレンジングみたいなものをすると、RAGはすごく精度が上がります。そこをほぼ自動的に結構精度が高くやってくれます。
もう一つ、検索の仕方も指定することが出来ます。
RAGといえば「ベクトル検索」という文章の意味と意味が近いもので検索する」方法と「全文検索」とベクトル検索と全文検索の両方を使う「ハイブリッド検索」というものがあるのですが、全部用意されてます。
なので一回ハイブリッド検索でやってみて、いまいち精度が上がらない場合は、全文検索やベクトル検索へ切り替えることが出来ます。すぐ検索して検証できてしまうので、ここのところのRAGが強いためです。
Difyのデメリット
![](https://assets.st-note.com/img/1732193908-BJX1yKemIZFbjUtMrf5EsAaz.png?width=1200)
非エンジニアには寄ってはいますが、GPTsとかChatGPTよりは難しく、思っているほど簡単ではありません。
具体的に何が必要かというと、
1つ目はシステム開発でいう要件定義とか詳細設計みたいな、上流工程の力が必要です。必要な理由はGPTsとの違いの時に見せた通り業務フローをすごい連ねて、自動化していくためです。
人間はこう仕事しているから、それをシステムに落とし込むみたいな。
ここが難しいポイントだと思います。
逆にある程度流れが自分の中に見えてしまえば、ツールを作ることは本当に難しくありません。
2つ目は少しのプログラミングの知識が欲しいというところですね。具体的にはAPIとか、あとちょっとしたコードの知識とかですね。
ノーコードでもある程度のことは出来るんですけど、ちょっとだけコードを書けたりすると、柔軟性は一気に上がるので出来ることが増えます。
そこまでできないと最大限活かせないというところで、少なくともAPIとかJSONって何なの?みたいなところくらいは知っていた方がいいというところが、壁となっている所ですね。
3つ目には、スクラッチ開発より柔軟性は劣るというところです。GPTsに比べると柔軟性が高いですが、スクラッチ開発に比べると劣ってしまうので、かゆいところに手が届かないというのがすごく多く発生するものです。
「Difyで検証したんですが、そこから本開発にしたいのでWEELに頼みたいです。他のベンダー探してます」という企業様が最近増えているのも、3つ目のところがあると思います。
これはしょうがないことで、ノーコードとかローコードツールっていうのは、そもそもが非エンジニアの方でも開発を少しでも楽にできるようにというのがコンセプトで誕生しているものなので、どうしても起こってしまうところにはなります。
こうしたデメリットもあるんですが、実際を使えば結構いろんなことが出来るというところで、企業様にとってはすごく可能性がある開発ツールと思ってます。
3.Difyはどういう企業にとって有効なのか?
Difyを効果的に活用している企業が行っている2つのポイント
まずは他の企業様の生成AIへの課題感を見ていただきましょう。
個別相談・無料相談で話していて、実際こんなご相談がすごく多いなっていうところをピックアップしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732221462-uDXJUspg3HnPOZbzAq7FYICd.png?width=1200)
上の画像を大きく2つぐらいにまとめてみると、
・活用率や現場で使われないみたいな課題
・予算が降りない、実現性が分からないというのでスタートできません
みたいな課題に分かれてきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1732221628-iHG0xenyMEf9F76WuCtmNbLI.png?width=1200)
これらの課題をどう解決するのかというと、2つのポイントでDifyをうまく使っている企業様が成功してるように見えます。
活用率が上がらない・現場で使われないのであれば、自社用のみにアプリを量産して、配りまくってしまおうという方法です。Difyを内製化ツールとして使うというのが結構うまくいってる企業様が行われてる方法です。
次に予算が下りない・実現性が分からないという場合は、社内で検証を先にしてしまいましょう。検証したものに対して予算を取りに行くみたいな使われ方をしている企業様が最近すごく増えてるなという印象です。
実際の活用事例
Difyを効果的に活用している事例を画像で3つ挙げます。
![](https://assets.st-note.com/img/1732222514-pvjTPsAu3XGnhoyNw6JIlDxQ.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1732222537-5ZYSV2jhCITOcqkuLaFod04K.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1732222552-HWvAg1Pu9k7OJX63GM2pZDIS.png?width=1200)
Difyを使いこなせる企業は…?
![](https://assets.st-note.com/img/1732223084-YSRihOLeUPd0jsN1krzq92BG.png?width=1200)
Difyは担当者の社内リソースを確保できる企業様にはすごくいい手だと思ってます。
まず、ノーコード・ローコードなので非エンジニアの方にとっての恩恵が大きいです。
次に、業務のプロ。つまりは現場で業務を行っている人達が微調整できることは価値があります。Difyみたいに自分たちでちょっと編集したいみたいなのができる状況で、ミニアプリをどんどん作っていくのは圧倒的にコスパがいいです。
最後に、スポットの運用代行に関してです。
「こんなDify作ってほしいからちょっと構築してください」という構築代行みたいなものは、コスパは良くないと思っています。
数か月前だとDifyの方が値段低いねと思ってたんですよ。
作るのにエンジニアとか人間とそんなにかからないなと思ったんですけど、実際に企業様から「言われた要件に対してこんなDify作ってほしい」というものを開発でやった時に、正直そこまで差がありませんでした。
お出しする費用も2~3週間で作れるものならスクラッチで開発したほうが安いときもありました。そんなに難しくない要件の場合は正直スクラッチ開発とあまり変わらないと思ってます。
逆にベンダーとかにもし頼むのであれば、3ヶ月間やってくれみたいな構築代行とかアドバイザリーならすごい価値があると思います。
4.Difyの効果的な使い方とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1732225190-tXlPqcjNF5Jn3LIDzMyeZib6.png?width=1200)
1つ目は出力させたい成果物を具体的に定義することです。
例えば
・どんな文章量がいいのか
・項目は何がいいのか
みたいなことです。
逆に定義しないで、「マーケティングレポート出させたいんです。でも上手くいかないです」って言ってる方々を結構多く耳にします。
チャットボットとか動作会話をさせたい場合は、どんな回答を書いてほしいかや、口調は?、応答速度どんなものがいいの?など、ここら辺を決めた上で作ってもらえると良いかなと思ってます。
2つ目は、ゴールが決まったら実行手順を分解しましょうということです。基本的にプロンプトもDify開発も、業務フローの言語化と分解ができればある程度のものを作れます。
例えばWEB検索して、事例集を作って、レポートにまとめてほしいと思ったとします。
WEB検索するにしても、例えばどんなキーワードで検索したらいいなとか、どれぐらいのWEBページを何個見ればいいのか、だいたい事例ってどれぐらい持ってくればいいの?みたいなポイントがありますね。
そういう細かいポイントもメモしていただき、人が実際に行う場合の業務フローを言語化していきます。
3つ目は、Difyやシステムでやる用に変換をしていくということです。
情報検索が必要な手順があったときは、例えば開始時にユーザー入力させることで情報を取ろうとするのか、RAGで持ってくるのか、WEB検索なのかを決めていくというのが大事になってきます。
5.まとめ
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最後のまとめです。
1つ目がまだ社内リソースを使える場合は実際は是非使っていただきたいです。
2つ目が業務特化のミニアプリを作って、どんどん社内にばらまいていこうという事です。
戦闘力を上げようと思った時に、一から基礎トレーニングさせるよりも、武器を配ってあった方が戦闘力が上がるよねみたいな思考で、どんどん担当者さんがミニアプリを作って現場に浸透させていこうっていう手段もあると思います。
その上でさらに、高速検証に使えるというのもDifyの特徴です。高速検証はノウハウがわかり、そこからしっかり経営層を説得する、予算を取りに行くという使い方をしている企業さんも多いです。
3つ目が上流工程が肝ということです。
業務フロー分解みたいなところが肝なので、
構築代行を頼むよりはアドバイザリーとかのほうが、お勧めかなと思ってます。
以上が、生成AI事業部統括の田村が登壇した「競合に差をつける!
Difyで実現する生成AIとローコード開発の実践事例」のレポートになります。
セミナーの中では、Difyの作成画面で記事作成ボットの解説みたいのもあったのですが、絵と文章だけだと伝わりづらいと思ったので記載できませんでした。
実際の作成画面を見たい方は定期的にセミナーをすると思いますので、セミナーへ参加してみてくださいね!
企業でのDify活用について、
・生成AIの活用を検討している
・AIに関するアドバイザリーを探している
・生成AIの使い方で課題がある
という方がいましたら、ぜひ弊社にお問い合わせください。
弊社は、40件以上の生成AI開発の実績がある、生成AIのシステム開発会社です。様々な業種での開発などを幅広く行っております。
また、「すぐに話を聞きたい」という方は、以下の日程調整リンクより、お打ち合わせの日程を選択していただけますと幸いです。