![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/130810707/rectangle_large_type_2_39eeafde2740da720dc5c28417faf846.jpeg?width=1200)
生成AIでロゴを自動作成する方法!無料のAIツール3選やメリット、リスクを解説
個人事業主のみなさん、生成AIなら簡単に自分用のおしゃれなロゴが作れるのはご存知ですか?
たとえば伊藤園の「お〜いお茶 カテキン緑茶」は……
伊藤園は2023年9月にリニューアル発売した「お〜いお茶 カテキン緑茶」のパッケージデザイン開発に、画像生成AIを活用。量販店向け出荷数の出足は、前年のおよそ2倍と好調に推移しています。生成AIによるデザイン開発のメリットについて聞きました。#画像生成AIhttps://t.co/kdxDdwQBk0 pic.twitter.com/r0Xr7V6ciC
— 日経ビジュアルデータ (@nikkeivdata) November 29, 2023
生成AIにパッケージを刷新させてから、出荷数が2倍に増えています!もうロゴデザインは、生成AIに任せられる時代が来ていますよ。
当記事では、そんな生成AIを使ったロゴ作成について、メリットや注意点を解説!さらに完読いただくと、無料のロゴ作成用ツールについても詳しくなれます。
ぜひ、最後までお読みください!
ロゴ作成もできる画像生成AI
当項ではロゴ作成に使える、画像生成AIの概要をお伝えしていきます。まずはロゴの重要性から、みていきましょう!
フリーランスでもロゴは大事
フリーランスのみなさん、自分の「ロゴ」をもっていますか?
ロゴと聞くと「企業や商品に添えるもの」「大きなビジネスでしか使わない」というイメージがあるかもしれません。ですが、ロゴには……
● 対象の認知度を高める
● 対象のイメージを宣伝する
● 顧客に覚えてもらいやすくなる
という効果があります。つまりロゴは「リピート率が命」のフリーランスの方々にとっても、必要なものなんです!
とはいえ、プロにロゴ作成を頼むと、最低でも6万円程度かかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、次項の「画像生成AI」です。
画像生成AIとは?
「画像生成AI」は生成AIの一種で、イラスト・写真等の画像生成に特化しています。ただ同じ生成AIでも、ChatGPTなど「大規模言語モデル / LLM」とは違った技術が用いられていて……
【画像生成AIに用いられる技術】
● 変分オートエンコーダ / VAE:画像の特徴・タッチを学ばせる技術
● 敵対的生成ネットワーク / GAN:生成画像のリアリティを高める技術
● 拡散モデル:ノイズから画像を描かせる技術
以上のしくみから成り立っています。そんな画像生成AIを使えば、誰でも……
プロンプトを入力するだけで
斬新なイラスト・写真が
プロ顔負けのクオリティで
ほんの数秒もかからずに生成できる
ようになっているんです。もちろん、企業や商品のロゴも一瞬で生成できてしまいます。
ロゴ作成に生成AIを使うメリット5つ
ここからはロゴ作成に生成AIを使うメリットを5点、紹介していきます。まずは生成AIのクリエイティブ面での魅力から、みていきましょう!
デザインの案出しが効率化できる
デザインの案出しは、ロゴ作成において一番重要かつ苦しい工程です。たとえプロデザイナーであっても、デザインを完成させるために、100を超える原案をひねり出しているそうです。
そんな過酷な案出しですが、画像生成AIにかかればわずか数秒で、ロゴ案が1つ出せてしまいます。しかも、ものによってはなんと0.09秒で案が1つ出せてしまうモデルも……
画像生成AIが出してくれた原案はそのまま使えるほか、デザインのヒントとしても使えます。デザインを依頼する側 / される側関係なく、生成AIはおすすめなんです!
参考記事:(トップ)没案も全て共有する時代に? – 発想法株式会社
要望を反映しやすい
ChatGPTと各種画像生成AIの組み合わせで、しっくりくるロゴが作れます。その手順としては……
デザインの要望をChatGPTに伝えて、言語化・要約してもらう
言語化・要約したものを画像生成AIに入力する
以上のとおりです。はじめにChatGPTと壁打ちすることで、自身でもわからない「いい感じのデザイン」が言語化できちゃうんです。これならもう、要望が伝わらずもどかしい思いをする必要がありませんね。
デザインの知識が要らない
ロゴ作成を含むデザインには、守らなくてはいけないルールがあります。代表的なものを挙げると……
近接:関係する要素同士を近づける
整列:要素の端or中心をそろえる
強弱:重要な要素だけを強調する
反復:デザイン中の小さな構造を繰り返す
補色:色相環の反対側の色でコントラストを出す
以上のとおりです。通常ロゴ作成は、これらのルールを熟知しているプロデザイナーが請負います。
ただ、デザインの知識については生成AIも負けていません。たとえば以下のプロンプトを使って、画像生成AI「DALL-E 3」に生成させたロゴは……
中央に開かれた本。本の背表紙は赤茶色。本の花ぎれの上から金色の後光がさしている。背景は水色。
![](https://assets.st-note.com/img/1707873755634-wLahS7iV9g.png?width=1200)
以上のとおり。後光のしま模様には左右対称の「反復」が、本を囲う半円と文字には「整列」が、それぞれ用いられています。
つまり画像生成AIなら、デザインのルールも押さえてくれるというわけです。
ロゴにかける費用・時間が削減できる
ロゴ作成をプロに任せた場合、費用・時間の相場は……
ロゴ作成の費用:60,000円~150,000円
ロゴ作成の時間:約2週間〜3週間
以上のとおりです。このようにロゴ作成では通常、時間もお金もかかってしまいます。
対して画像生成AIであれば、1日でロゴが完成!無料ツールなら、電気代・通信費以外は要りません。気軽に自分用のロゴが作れてしまうんです。
参考記事:ロゴデザイン費の相場は?ロゴ作成の依頼前に知りたい料金のこと
参考記事:ロゴ作成に必要な納期とは?依頼前に知っておきたいロゴ作成の基本
ツールによっては商用利用もOK
これまでの判例に従うと、画像生成AIで作ったロゴに著作権はありません。ただ、ロゴを使う分には問題がなく……
DALL-E 3
Stable Diffusion
Midjourney
などなど、多くの画像生成AIでは画像の商用利用が認められているんです!
参考記事:AIが生成した作品、著作権認められず 米裁判所が判断 | ロイター
なお、生成AIの著作権上のリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説
ロゴ作成に生成AIを使う際の注意点4つ
メリットに続いて、生成AIをロゴ作成に使う際の注意点を4つ紹介していきます。まずは著作権の面から、詳しくみていきましょう!
著作権侵害のリスクがある
生成AIは常に、著作権関係の訴訟リスクを抱えています。これは生成AIの学習データが、誰かの著作物であるためです。
すでに一部の生成AIやAIツールは、開発元が著作権侵害で訴訟されていて……
訴訟された生成AIとその原因
Stability AI / Midjourny:DeviantArtのイラスト
GitHub Copilot:GitHubのソースコード
ChatGPT:ニューヨーク・タイムズの記事
このようにどんなデータ形式であっても、訴訟のリスクはあるのです。ですので画像生成AIでロゴ作成を行う場合、以下の行為は避けたほうがよいでしょう。
● 著作物を無断で学習させた画像生成AIを使う
● 違法にリークされた画像生成AIを使う
● プロンプトや追加学習で、誰かの著作物に似せた画像を生成する
ただ、2024年1月時点でユーザー側が処罰された事例はありません。上記を避ければ、ひとまず安心できます。
参考記事:ASCII.jp:AIの著作権問題が複雑化 (1/4)
デザインが明確な場合には向かない
画像生成AIは、ある程度ランダムに画像を出力します。したがってロゴのデザインが事細かに決まっている場合、人間による大幅な修正が必要です。
たとえば、先ほどお見せしたロゴのDALL-E 3用プロンプトは……
中央に開かれた本。本の背表紙は赤茶色。本の花ぎれの上から金色の後光がさしている。背景は水色。
このように、あえて「十字架」のモチーフを入れていません。ですが完成品には……
![](https://assets.st-note.com/img/1707873851031-eYIvsPbULl.png?width=1200)
ご覧のとおり、十字架が入ってしまいました。とくに宗教的シンボルや赤十字などの特定のモチーフを避けたい場合、人間による手直しが必要となるかもしれませんね。
対応しているファイル形式を確認する
画像生成AIで作った画像は、特定のファイル形式(拡張子)でダウンロードができます。ここで気をつけたいのは、そのツールが対応しているファイル形式です。画像はファイル形式によって、用途に向き不向きがあります。
たとえばロゴに向いているのは、以下に挙げる形式の画像ファイルです。
● GIF:容量が小さい代わりに、使える色数が少ない
● PNG:色数は多いが、容量がかさむ
● 各種ベクター画像:拡大or縮小が無限にできる
→AI / EPS / PDF / SVG…etc.
画像生成AIを使う前に、対応ファイル形式についても確認しておきましょう。
編集回数の制限がある場合も
無料で使える画像生成AIの場合はしばしば、ロゴの生成や編集に回数制限が設けられています。ルールはまちまちで、おもに……
日ごとの回数制限:1日の生成回数を超えるまで
ポイント制による回数制限:初回配布のポイントが尽きるまで
のどちらかが、採用されています。このあたりも確認が必須ですね。
無料でロゴ作成ができる生成AIツール3選
2024年1月時点で、ロゴ専用の無料画像生成AIツールは3つだけです。まずはおなじみ、Microsoftのツールから詳しくみていきましょう!
Microsoft Designer
Microsoftからは、画像生成AIツール「Microsoft Designer」が登場しています。その特徴としては……
● 完全無料で、背景透過まで可能
● OpenAIの画像生成AI「DALL-Eシリーズ」を搭載
● プロンプトからロゴを生成
● 画像サイズは1080×1080px / 1200×628px / 1080×1920pxの3種から選べる
● 海外風のモダンなデザインが得意
以上のとおりです。プロンプトからロゴを生成するため、ディティールにまでこだわれますよ。
そのほかMicrosoft Designerの詳細については、下記をご覧ください。
会員登録
必要(Microsoftアカウント)
商用利用
可能
回数制限
なし
有料版の特典
有料版なし
日本語対応
◯
ファイル形式
PDF / PNG / JPG
※背景透過可能
すでにMicrosoftアカウントをお持ちの方なら、すぐにでもロゴ作成に取りかかれます。ぜひお試しください!
参考記事:Microsoft Designer
Canva AI
「Canva AI」はブラウザ上で使えるビジュアルツール・Canvaの、画像生成機能です。無料版と有料版とがあるのですが、無料版だけでも……
● プロンプトからの画像生成(Magic Media / 1日25回まで)
● スタイルの指定(写真 / デジタルアート / ファインアート…etc.)
● 縦長 / 横長 / 正方形の画像の生成
といったことが、できてしまいます!イラストだけでなくロゴ作成でも、活躍しそうですね。
そのほかCanva AIの詳細は……
会員登録
必要
商用利用
可能
※AI生成であることを明記しなければならない
回数制限
1日に画像4枚×25回=100枚まで
有料版の特典
背景透過機能
無制限のテンプレート
SVG形式でのダウンロード
日本語対応
◯
ファイル形式
PNG / JPG / 低画質PDF / 高画質PDF
以上のとおりです。素材のテンプレートが用意されているので、生成画像に組み合わせると凝ったロゴが作れますよ。
参考記事:Canva(キャンバ):誰でも使えるビジュアルツールキット
参考記事:生成AI | Canva
Stable Diffusion
「Stable Diffusion」は、UI等が一切ない”素の画像生成AI”です。オープンソースモデルであるため、利用料金はかかりません。
ただUIなしで使いこなすには、プログラミングの知識が必須です。したがってエンドユーザー向けには、以下のようなUIを付けたバージョンが公開されています。
ローカル環境用のUI
→Stable Diffusion web UIWebサイト形式のUI
→Tensor.Art / Stable Diffusion Online / DreamStudio…etc.
そんなStable Diffusionの魅力は……
● ローカル環境でも運用できる
● 拡張性が極めて高い
● 省メモリで追加学習ができる(LoRA)
● 画像をヒントに新たな画像が生成できる(img2img)
以上のとおりです。ローカル環境用の「Stable Diffusion web UI」がインストールできれば、何度でもロゴが作れちゃいます。
そのほかの詳細は、下記をご覧ください。
会員登録
不要
商用利用
可能
回数制限
なし
有料版の特典
有料版なし
日本語対応
×
※拡張機能で対応可能に
ファイル形式
PNG
次の見出しでは、ほかのロゴ作成用ツールも紹介します。生成AI搭載型との違いなども、詳しくみていきましょう!
参考記事:Stable Diffusion — Stability AI Japan
その他ロゴ作成用の無料ツール5選
生成AI搭載型ではありませんが、無料でロゴが作れるツールは他にもあります。これらの特徴としては……
● 従来型のAIを搭載している
● テンプレートの組み合わせでロゴを作る
● 生成AI搭載型と比べて、著作権周りの透明性が高い
以上のとおりです。当記事では、生成AI非搭載・無料のロゴ作成ツールを5つだけピックアップしました。
Hatchful
5ステップで、各SNSに対応したロゴが作れる
会員登録:必要
商用利用:可能
回数制限:なし
有料版なし
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG
Design.com
パーツや文字の位置、色のグラデーションまで編集できる
会員登録:必要
商用利用:可能
回数制限:なし
有料版なし
日本語対応:×
ファイル形式:PNG / JPG / SVG / EPS / PDF※背景透過済み
Wix Logo Maker
5000×5000ピクセル・PNG形式のファビコンが作れる
会員登録:必要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:なし
有料版の特典:ロゴの商用利用権、高解像度でのダウンロード、SVG形式でのダウンロード
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG※背景透過済み
Renderforest
マーケティングツールが同梱している
会員登録:必要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:なし
有料版の特典:画像10万種以上へのアクセス権、高解像度でのダウンロード、SVG形式でのダウンロード背景透過…etc.
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG
DesignEvo
無料版でも高画質でダウンロードができる
会員登録:不要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:編集回数に制限あり
有料版の特典:PDF / SVG形式でのダウンロード、フォントの利用、著作権・商用利用権
日本語対応:◯
ファイル形式:JPG / PNG
なお、AIツールの開発について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIのPoC開発とは?メリットやデメリット、流れ、料金体系を解説
ロゴ作成も生成AIにおまかせあれ!
当記事では生成AIを活用したロゴ作成について、そのメリット・注意点・具体的なツールを紹介していきました。もう一度、ロゴ作成に生成AIを使うメリット5点を以下に示します。
● デザインの案出しが効率化できる
● 要望を反映しやすい
● デザインの知識が要らない
● ロゴにかける費用・時間が削減できる
● ツールによっては商用利用もOK
そして現時点で、無料でロゴが作れる生成AIツールは……
Microsoft Designer
Canva AI
Stable Diffusion
の3つだけでした。
ただ将来的には、ロゴ専用の生成AIツールが増えてくるはず。上記のAIツールでブームを先取りしちゃいましょう!