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生成AIでロゴを自動作成する方法!無料のAIツール3選やメリット、リスクを解説

個人事業主のみなさん、生成AIなら簡単に自分用のおしゃれなロゴが作れるのはご存知ですか?

たとえば伊藤園の「お〜いお茶 カテキン緑茶」は……

生成AIにパッケージを刷新させてから、出荷数が2倍に増えています!もうロゴデザインは、生成AIに任せられる時代が来ていますよ。

当記事では、そんな生成AIを使ったロゴ作成について、メリットや注意点を解説!さらに完読いただくと、無料のロゴ作成用ツールについても詳しくなれます。

ぜひ、最後までお読みください!

ロゴ作成もできる画像生成AI

当項ではロゴ作成に使える、画像生成AIの概要をお伝えしていきます。まずはロゴの重要性から、みていきましょう!

フリーランスでもロゴは大事

フリーランスのみなさん、自分の「ロゴ」をもっていますか?

ロゴと聞くと「企業や商品に添えるもの」「大きなビジネスでしか使わない」というイメージがあるかもしれません。ですが、ロゴには……

● 対象の認知度を高める
● 対象のイメージを宣伝する
● 顧客に覚えてもらいやすくなる

という効果があります。つまりロゴは「リピート率が命」のフリーランスの方々にとっても、必要なものなんです!

とはいえ、プロにロゴ作成を頼むと、最低でも6万円程度かかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、次項の「画像生成AI」です。

画像生成AIとは?

「画像生成AI」は生成AIの一種で、イラスト・写真等の画像生成に特化しています。ただ同じ生成AIでも、ChatGPTなど「大規模言語モデル / LLM」とは違った技術が用いられていて……

【画像生成AIに用いられる技術】
変分オートエンコーダ / VAE:画像の特徴・タッチを学ばせる技術
敵対的生成ネットワーク / GAN:生成画像のリアリティを高める技術
拡散モデル:ノイズから画像を描かせる技術

以上のしくみから成り立っています。そんな画像生成AIを使えば、誰でも……

  1. プロンプトを入力するだけで

  2. 斬新なイラスト・写真が

  3. プロ顔負けのクオリティで

  4. ほんの数秒もかからずに生成できる

ようになっているんです。もちろん、企業や商品のロゴも一瞬で生成できてしまいます。

ロゴ作成に生成AIを使うメリット5つ

ここからはロゴ作成に生成AIを使うメリットを5点、紹介していきます。まずは生成AIのクリエイティブ面での魅力から、みていきましょう!

デザインの案出しが効率化できる

デザインの案出しは、ロゴ作成において一番重要かつ苦しい工程です。たとえプロデザイナーであっても、デザインを完成させるために、100を超える原案をひねり出しているそうです。

そんな過酷な案出しですが、画像生成AIにかかればわずか数秒で、ロゴ案が1つ出せてしまいます。しかも、ものによってはなんと0.09秒で案が1つ出せてしまうモデルも……

画像生成AIが出してくれた原案はそのまま使えるほか、デザインのヒントとしても使えます。デザインを依頼する側 / される側関係なく、生成AIはおすすめなんです!

参考記事:(トップ)没案も全て共有する時代に? – 発想法株式会社

要望を反映しやすい

ChatGPTと各種画像生成AIの組み合わせで、しっくりくるロゴが作れます。その手順としては……

  • デザインの要望をChatGPTに伝えて、言語化・要約してもらう

  • 言語化・要約したものを画像生成AIに入力する

以上のとおりです。はじめにChatGPTと壁打ちすることで、自身でもわからない「いい感じのデザイン」が言語化できちゃうんです。これならもう、要望が伝わらずもどかしい思いをする必要がありませんね。

デザインの知識が要らない

ロゴ作成を含むデザインには、守らなくてはいけないルールがあります。代表的なものを挙げると……

  • 近接:関係する要素同士を近づける

  • 整列:要素の端or中心をそろえる

  • 強弱:重要な要素だけを強調する

  • 反復:デザイン中の小さな構造を繰り返す

  • 補色:色相環の反対側の色でコントラストを出す

以上のとおりです。通常ロゴ作成は、これらのルールを熟知しているプロデザイナーが請負います。

ただ、デザインの知識については生成AIも負けていません。たとえば以下のプロンプトを使って、画像生成AI「DALL-E 3」に生成させたロゴは……

中央に開かれた本。本の背表紙は赤茶色。本の花ぎれの上から金色の後光がさしている。背景は水色。

以上のとおり。後光のしま模様には左右対称の「反復」が、本を囲う半円と文字には「整列」が、それぞれ用いられています。

つまり画像生成AIなら、デザインのルールも押さえてくれるというわけです。

ロゴにかける費用・時間が削減できる

ロゴ作成をプロに任せた場合、費用・時間の相場は……

  • ロゴ作成の費用:60,000円~150,000円

  • ロゴ作成の時間:約2週間〜3週間

以上のとおりです。このようにロゴ作成では通常、時間もお金もかかってしまいます。

対して画像生成AIであれば、1日でロゴが完成!無料ツールなら、電気代・通信費以外は要りません。気軽に自分用のロゴが作れてしまうんです。

参考記事:ロゴデザイン費の相場は?ロゴ作成の依頼前に知りたい料金のこと
参考記事:
ロゴ作成に必要な納期とは?依頼前に知っておきたいロゴ作成の基本

ツールによっては商用利用もOK

これまでの判例に従うと、画像生成AIで作ったロゴに著作権はありません。ただ、ロゴを使う分には問題がなく……

  • DALL-E 3

  • Stable Diffusion

  • Midjourney

などなど、多くの画像生成AIでは画像の商用利用が認められているんです!

参考記事:AIが生成した作品、著作権認められず 米裁判所が判断 | ロイター

なお、生成AIの著作権上のリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説

ロゴ作成に生成AIを使う際の注意点4つ

メリットに続いて、生成AIをロゴ作成に使う際の注意点を4つ紹介していきます。まずは著作権の面から、詳しくみていきましょう!

著作権侵害のリスクがある

生成AIは常に、著作権関係の訴訟リスクを抱えています。これは生成AIの学習データが、誰かの著作物であるためです。

すでに一部の生成AIやAIツールは、開発元が著作権侵害で訴訟されていて……

訴訟された生成AIとその原因

  • Stability AI / Midjourny:DeviantArtのイラスト

  • GitHub Copilot:GitHubのソースコード

  • ChatGPT:ニューヨーク・タイムズの記事

このようにどんなデータ形式であっても、訴訟のリスクはあるのです。ですので画像生成AIでロゴ作成を行う場合、以下の行為は避けたほうがよいでしょう。

● 著作物を無断で学習させた画像生成AIを使う
違法にリークされた画像生成AIを使う
● プロンプトや追加学習で、誰かの著作物に似せた画像を生成する

ただ、2024年1月時点でユーザー側が処罰された事例はありません。上記を避ければ、ひとまず安心できます。

参考記事:ASCII.jp:AIの著作権問題が複雑化 (1/4)

デザインが明確な場合には向かない

画像生成AIは、ある程度ランダムに画像を出力します。したがってロゴのデザインが事細かに決まっている場合、人間による大幅な修正が必要です。

たとえば、先ほどお見せしたロゴのDALL-E 3用プロンプトは……

中央に開かれた本。本の背表紙は赤茶色。本の花ぎれの上から金色の後光がさしている。背景は水色。

このように、あえて「十字架」のモチーフを入れていません。ですが完成品には……

ご覧のとおり、十字架が入ってしまいました。とくに宗教的シンボルや赤十字などの特定のモチーフを避けたい場合、人間による手直しが必要となるかもしれませんね。

対応しているファイル形式を確認する

画像生成AIで作った画像は、特定のファイル形式(拡張子)でダウンロードができます。ここで気をつけたいのは、そのツールが対応しているファイル形式です。画像はファイル形式によって、用途に向き不向きがあります。

たとえばロゴに向いているのは、以下に挙げる形式の画像ファイルです。

GIF:容量が小さい代わりに、使える色数が少ない
PNG:色数は多いが、容量がかさむ
各種ベクター画像:拡大or縮小が無限にできる
 →AI / EPS / PDF / SVG…etc.

画像生成AIを使う前に、対応ファイル形式についても確認しておきましょう。

編集回数の制限がある場合も

無料で使える画像生成AIの場合はしばしば、ロゴの生成や編集に回数制限が設けられています。ルールはまちまちで、おもに……

  • 日ごとの回数制限:1日の生成回数を超えるまで

  • ポイント制による回数制限:初回配布のポイントが尽きるまで

のどちらかが、採用されています。このあたりも確認が必須ですね。

無料でロゴ作成ができる生成AIツール3選

2024年1月時点で、ロゴ専用の無料画像生成AIツールは3つだけです。まずはおなじみ、Microsoftのツールから詳しくみていきましょう!

Microsoft Designer

Microsoftからは、画像生成AIツール「Microsoft Designer」が登場しています。その特徴としては……

完全無料で、背景透過まで可能
● OpenAIの画像生成AI「DALL-Eシリーズ」を搭載
プロンプトからロゴを生成
● 画像サイズは1080×1080px / 1200×628px / 1080×1920pxの3種から選べる
● 海外風のモダンなデザインが得意

以上のとおりです。プロンプトからロゴを生成するため、ディティールにまでこだわれますよ。

そのほかMicrosoft Designerの詳細については、下記をご覧ください。

会員登録
必要(Microsoftアカウント)
商用利用
可能
回数制限
なし
有料版の特典
有料版なし
日本語対応

ファイル形式
PDF / PNG / JPG
※背景透過可能

すでにMicrosoftアカウントをお持ちの方なら、すぐにでもロゴ作成に取りかかれます。ぜひお試しください!

参考記事:Microsoft Designer

Canva AI

「Canva AI」はブラウザ上で使えるビジュアルツール・Canvaの、画像生成機能です。無料版と有料版とがあるのですが、無料版だけでも……

● プロンプトからの画像生成(Magic Media / 1日25回まで)
スタイルの指定(写真 / デジタルアート / ファインアート…etc.)
● 縦長 / 横長 / 正方形の画像の生成

といったことが、できてしまいます!イラストだけでなくロゴ作成でも、活躍しそうですね。

そのほかCanva AIの詳細は……

会員登録
必要
商用利用
可能
※AI生成であることを明記しなければならない
回数制限
1日に画像4枚×25回=100枚まで
有料版の特典
背景透過機能
無制限のテンプレート
SVG形式でのダウンロード
日本語対応

ファイル形式
PNG / JPG / 低画質PDF / 高画質PDF

以上のとおりです。素材のテンプレートが用意されているので、生成画像に組み合わせると凝ったロゴが作れますよ。

参考記事:Canva(キャンバ):誰でも使えるビジュアルツールキット
参考記事:生成AI | Canva

Stable Diffusion

「Stable Diffusion」は、UI等が一切ない”素の画像生成AI”です。オープンソースモデルであるため、利用料金はかかりません。

ただUIなしで使いこなすには、プログラミングの知識が必須です。したがってエンドユーザー向けには、以下のようなUIを付けたバージョンが公開されています。

  • ローカル環境用のUI
    →Stable Diffusion web UI

  • Webサイト形式のUI
    →Tensor.Art / Stable Diffusion Online / DreamStudio…etc.

そんなStable Diffusionの魅力は……

● ローカル環境でも運用できる
● 拡張性が極めて高い
● 省メモリで追加学習ができる(LoRA)
● 画像をヒントに新たな画像が生成できる(img2img)

以上のとおりです。ローカル環境用の「Stable Diffusion web UI」がインストールできれば、何度でもロゴが作れちゃいます。

そのほかの詳細は、下記をご覧ください。

会員登録
不要
商用利用
可能
回数制限
なし
有料版の特典
有料版なし
日本語対応
×
※拡張機能で対応可能に
ファイル形式
PNG

次の見出しでは、ほかのロゴ作成用ツールも紹介します。生成AI搭載型との違いなども、詳しくみていきましょう!

参考記事:Stable Diffusion — Stability AI Japan

その他ロゴ作成用の無料ツール5選

生成AI搭載型ではありませんが、無料でロゴが作れるツールは他にもあります。これらの特徴としては……

● 従来型のAIを搭載している
● テンプレートの組み合わせでロゴを作る
● 生成AI搭載型と比べて、著作権周りの透明性が高い

以上のとおりです。当記事では、生成AI非搭載・無料のロゴ作成ツールを5つだけピックアップしました。

Hatchful
5ステップで、各SNSに対応したロゴが作れる
会員登録:必要
商用利用:可能
回数制限:なし
有料版なし
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG
Design.com
パーツや文字の位置、色のグラデーションまで編集できる
会員登録:必要
商用利用:可能
回数制限:なし
有料版なし
日本語対応:×
ファイル形式:PNG / JPG / SVG / EPS / PDF※背景透過済み
Wix Logo Maker
5000×5000ピクセル・PNG形式のファビコンが作れる
会員登録:必要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:なし
有料版の特典:ロゴの商用利用権、高解像度でのダウンロード、SVG形式でのダウンロード
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG※背景透過済み
Renderforest
マーケティングツールが同梱している
会員登録:必要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:なし
有料版の特典:画像10万種以上へのアクセス権、高解像度でのダウンロード、SVG形式でのダウンロード背景透過…etc.
日本語対応:◯
ファイル形式:PNG
DesignEvo
無料版でも高画質でダウンロードができる
会員登録:不要
商用利用:有料版のみ可能
回数制限:編集回数に制限あり
有料版の特典:PDF / SVG形式でのダウンロード、フォントの利用、著作権・商用利用権
日本語対応:◯
ファイル形式:JPG / PNG

なお、AIツールの開発について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIのPoC開発とは?メリットやデメリット、流れ、料金体系を解説

ロゴ作成も生成AIにおまかせあれ!

当記事では生成AIを活用したロゴ作成について、そのメリット・注意点・具体的なツールを紹介していきました。もう一度、ロゴ作成に生成AIを使うメリット5点を以下に示します。

● デザインの案出しが効率化できる
● 要望を反映しやすい
● デザインの知識が要らない
● ロゴにかける費用・時間が削減できる
● ツールによっては商用利用もOK

そして現時点で、無料でロゴが作れる生成AIツールは……

  • Microsoft Designer

  • Canva AI

  • Stable Diffusion

の3つだけでした。

ただ将来的には、ロゴ専用の生成AIツールが増えてくるはず。上記のAIツールでブームを先取りしちゃいましょう!

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