生成AI社内導入マニュアル!具体的な導入方法、注意点、メリットを解説
メディア事業部AIライターの大竹です。
2022年より注目を集め始めた生成AI。2023年8月頃に報告された調査では、日本国内企業のAI導入割合は49%とのことです。生成AIに可能性を見出し、業務の効率化や生産性向上を狙っているのでしょう。
多くの企業が導入を進めていることから、今後AIを業務に取り入れることは必須なはず。今回は、AIを社内業務に導入するための方法について詳しく解説します。生成AI導入に必要なポイントを分かりやすくまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
生成AIとは
生成AIとは、AIがテキストや画像などのコンテンツを作り出す技術のことです。入力された文章(プロンプト)の指示に従い、まるで人間が作ったと感じさせる品質の文章や画像、音楽などのデータをAIが出力してくれます。
生成AIが登場する以前は、既存の学習情報から回答を出力する用途などで活用されていました。これだけでもすごい技術ではありますが、人間のように創造することは難しかったです。
一方、生成AIは機械学習した情報に加え、AI自身が学習を深めるディープランニングを行います。その結果、生成AIは人間のように新たなコンテンツ創造が可能となりました。
代表的な生成AIツールの一覧
ChatGPT(文章生成)
Midjouerney(画像生成)
Runway(動画生成)
AudioPaLM(音声生成)
生成AIツールとして代表的なのは、上記の通り。特に有名なのがChatGPTです。大規模言語モデルGPT3.5を搭載し、今までにないAIによる文章生成を実現させました。2023年には、バージョンアップしたGPT4.0が登場し、より人間に近い高度な文章生成が可能となりました。
ChatGPT以外にも生成AIは数多く登場し、それぞれ得意分野が存在します。
活用するときは、相性がいいツールを選びましょう。
生成AIを社内導入する5ステップ
生成AIを社内業務に取り入れるとき、具体的にどのようなステップを行っていけばいいのか、悩む方は多いです。
生成AIの活用目的を策定
AIに任せたい業務をリストアップ
AIガバナンス体制を構築
具体的に使用する生成AIを選定
実践と改善
ここでは、生成AIを社内業務に導入する方法について1つずつ詳しく解説します。
ステップ1:生成AIの活用目的を策定
社内にAIを導入する際、まず確認しておくべきなのが、どういった目的でAIを活用するのかというテーマ。この目的があやふやのまま生成AIを導入すると、思うような成果が得られず失敗してしまうリスクが高まります。
社内業務を効率化させたい
人件費を削減させたい
他社にはないコンテンツを創造したい
何のために生成AIを導入するかは、社内AI運用の方向性を示すコンパスのようなもの。上記以外にも、生成AIを導入する目的は企業によって異なるはずです。社内におけるAI運用の目的は、可能な限り明確化させておきましょう。
ステップ2:AIに任せたい業務をリストアップ
生成AIを導入する目的が決まったら、任せたい業務をピックアップします。どの業務に生成AIを使用するかによって、使用するAIツールの選定が左右されます。
たとえば、顧客の問い合わせ対応を効率化させたいのであれば、AIによるチャットボットを検討するべきです。社内で使用するイラストを作成したいのであれば、画像生成AIを選ぶ必要があります。
生成AIを導入したけど期待していた場面で使えなかった
取り入れたけど何に使えばいいか分からない
上記のような失敗を犯さないためにも、あらかじめAIに任せる業務はあらかじめピックアップしておきましょう。
ステップ3:AIガバナンス体制を構築
AI導入のとき苦労しやすいのが、社内のAI運用におけるガバナンス体制の構築です。ガバナンス体制とは、簡単に言ってしまえば、運用ルールや仕組みを管理する方法のことです。社内における正しいAIの使い方やトラブルが起きたときの対応策を整備することが挙げられます。
生成AIは便利な反面、様々なリスクも抱えています。何も対策しないでいると、企業に大きな損失を与えてしまう懸念もあります。万が一の有事に備えるためにも、AIガバナンス体制は社内で整えておく必要があります。
ステップ4:具体的に使用する生成AIを選定
社内でAI運用の準備が整ったら、具体的にどの生成AIを活用するのかを検討します。一言で生成AIといっても、その種類は様々。テキストや画像など、それぞれ特化している分野も異なるため、自社の目的に合ったものを選びましょう。
生成AIの種類や利用目的によっても異なりますが、社内導入するときはAPIを活用して使用するケースが多いです。また、環境や人材が整っているのであれば、社内で生成AIを開発するのも選択肢のひとつです。
ステップ5:実践と改善
生成AIのAPIとツールを組み合わせて実践に移す際には、対応できない不具合や学習システムの遅れの問題に直面することがあります。
その他、ユーザーが悪意のある質問や指示をAIに送信すると、そのような内容をAIが学習してしまうリスクもあるため注意が必要です。
さらに、生成AIの言語理解能力の向上やツールのアップデートも行わなければなりません。
運用に不安がある場合は、生成AIに詳しい外部の専門家を招くことや、解析や改善作業の代行サービスの利用も検討すると良いでしょう。
なお、生成AI導入をサポートするコンサルについて知りたい方はこちらをご覧ください。
→生成AIコンサルティングサービスとは?メリットや選び方を徹底解説
生成AIを社内導入する5つのメリット
生成AIを社内に導入するメリットは5つあります。
コスト削減と生産性の向上
アイデアの壁打ち
ビッグデータの解析
習得技術ハードルの低下
24時間の顧客対応が可能
それぞれのメリットを詳細に解説するので、生成AI導入を迷う方は参考にしてください。
コスト削減と生産性の向上
生成AIを導入すると、資料作成やホームページ制作の工数を削減できます。
工数が下がることは、一人あたりの仕事量も増えるため生産性の向上にもつながるでしょう。
そして生成AIにより手の空いた人員は、より付加価値の高い業務にシフトします。
例えばベネッセも、そのような方向に生成AIを使うと決定しました。
参考記事:生成AIを活用したWebサイト制作・運用改革によりコスト4割削減、制作期間を半分以下に短縮
上記の結果がシェアされれば、続々と日本の企業は生成AIによるコスト削減と生産性の向上に取り組むことになるでしょう。
アイデアの壁打ち
生成AIはアイデアの壁打ちに役立ちます。
たとえば、ある商品のキャッチコピーを考える際にも活用可能です。
生成されたキャッチコピーが直接使用できるとは限りませんが、何度もの試行錯誤と選別を経ることで、最終的な商品の売り文句として活用できるでしょう。
人では考えられないような、秀逸なキャッチコピーを作り出すこともあります。
ぜひ利用してみてください。
ビッグデータの解析
生成AIは、ビッグデータの解析に非常に優れています。
たとえば、エクセルシートにまとめられた売上データを読み込ませ、将来の売れ行きを予測することが可能です。
さらに、季節や天気のデータを組み合わせることにより、顧客の行動や心理に関する仮説を立てられます。
これにより、マーケティング戦略の方向性を決定し、広告や商品パッケージの変更を通じて売上の向上が見込めるでしょう。
習得技術ハードルの低下
生成AIは、プログラミングや動画編集のような技術分野においても影響を及ぼし、これらのスキルを習得しようとする人々の心理的なハードルを下げています。
従来、プログラミング技術の習得は書籍、動画、学習スクールを通じて行われるのが一般的でした。
しかし、生成AIを利用することでプログラミング言語に関する質問は、すべてAIによる対応が可能となりました。
さらに、ChatGPTの導入により、プログラミング言語の習得とコード生成効率は、今も右肩上がりで上昇しています。
ウェブエンジニアになりたい方にとっては、まさに天国のような環境になっています。
24時間の顧客対応が可能
生成AIは、24時間体制の顧客対応を可能にしました。
今でこそ電話対応かつ番号入力の自動応答は当たり前ですが、今後は発信者の音声を解読し、その意味に沿うような返答が可能になっていくでしょう。
たとえば、賃貸を探す方に向けて条件を入力し、最適な部屋を導き出すというAIが登場する可能性もあるでしょう。
他にも入居者に対して「鍵をなくした」や「退去の手続きを教えて欲しい」という内容は、すべて生成AIで対応できるでしょう。
さらに、AIが対応できない問い合わせ内容を企業が記録・分析することで、新たな顧客ニーズの発見に役立てることも可能です。
今後、生成AIはエンドユーザーがいる様々な業界で役立つこと間違いなしでしょう。
なお、24時間365日の顧客対応を実現する方法について知りたい方はこちらをご覧ください。
→【ChatGPT搭載】自社専用ボットの作り方3選!徹底検証
生成AIを社内導入する3つのデメリット
生成AIを社内導入するデメリットは3つあります。
事実と違う情報が紛れ込む恐れがある
創造性が欠ける
情報が外部に流出する可能性がある
生成AI導入を計画している方は、必ず参考にしてみてください。
事実と違う情報が紛れ込む恐れがある
生成AIを使うと、事実と違う情報が紛れ込む可能性があります。
AIはインターネット上のデータを収集して、改めて利用者にアウトプットするため、その結果からハルシネーションが引き起こされるのです。
一番手軽にできる対策は、利用者自身でファクトチェックをすることでしょう。
手間は掛かりますが、一番確実な方法です。
ハルシネーションに関しては、AI技術者たちが議題に上げるほど最優先で解決したい問題の1つに設定されています。
AIの発展と共に回答の正確性も上がっていくと考えられているため、そちらにも期待しておきましょう。
創造性が欠ける
生成AIはインターネット上の情報を収集して、わかりやすく抽象的な形で出力し直すため、創造性に欠けます。
現時点ではAI自身が創造性に長けているとはいえず、利用者がインパクトのあるシーンを抜き出したり、良いフレーズを抜き出したりしている状況です。
今後、生成AIが世の中で天才やプロと呼ばれる人たちが選ぶ基準をデータで学習すれば、創造性の部分でも人間に追いつくかもしれません。
情報が外部に流出する可能性がある
生成AIは入力した情報を保持する傾向にあるため、情報の漏洩リスクが常に付きまといます。
ただしOpenAIを筆頭に、利用者が情報漏洩に危機感を抱いているのは理解しているため、すでに対策も講じています。
英語を日本語に翻訳して内容を要約すると、「Chat履歴を無効にしてからは、モデルの改善や学習に使われるおそれはない」という話です。
しかしハッキングや意図しないアクセスは、インターネットでよく遭遇するトラブルの1つです。
そのためには生成AIを運用している企業に対して、セキュリティ対策を強く求める以外に利用者ができることはありません。
生成AIの活用事例
生成AIの主な活用事例は、こちらの6つです。
身近における生成AIの活用事例
スポーツ業界における生成AIの活用事例
自治体における生成AIの活用事例
海外における生成AIの活用事例
画像における生成AIの活用事例
ビジネス業界における生成AIの活用事例
身近にある事例から想像できない業界で使われる事例までピックアップしてあります。
生成AIの導入を予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。
身近における生成AIの活用事例
身近における生成AIの活用事例を5つお伝えします。
ChatGPT
テキストベースの生成AIで自然言語処理において高度な能力を持ち、ユーザーの質問に答えたり、記事を書いたり、コードを生成したりすることができます。
DALL-E
画像生成に特化したAIで、ユーザーが入力したテキスト記述に基づいて、独創的な画像やアートワークを生成します。
AlphaFold
医学研究やバイオテクノロジーにおいて革命的な進歩をもたらし、新薬開発や病気の理解に大きく貢献しています。
Jukebox
音楽生成AIで、特定のジャンルやアーティストのスタイルに基づいて新しい曲を生成します。
Deepfakes
顔の合成技術で、特に映画やエンターテイメント業界で使用されます。
その他にも、身近なAIとしてはAppleが開発しているSiriやGoogleアシスト、Alexaも身近な生成AIたちです。
スポーツ業界における生成AIの活用事例
スポーツ業界における生成AIの活用事例を5つ紹介します。
データ駆動型選手分析ツール
選手のパフォーマンスデータを分析し、改善点や強みを特定します。運動量、位置データ、技術的なスキルなどの情報を収集し、選手やチームのパフォーマンス向上のための洞察を提供します。
自動ハイライト生成
IBMのWatsonは、試合の重要な瞬間を自動的に識別し、ハイライト映像を生成する技術を開発しています。このシステムは、ビデオ映像と統計データを分析し、興味深いプレイやキーモーメントを抽出します。
VRとARトレーニングシステム
VR/AR技術を使用して、選手が実際の環境を模倣した状態でトレーニングできる環境を提供します。例えば、STRIVRはスポーツチームにVRベースのトレーニングソリューションを提供し、選手が実際の試合に近い状況で練習できるようにします。
動作キャプチャと分析ツール
AI駆動の動作キャプチャシステムは、選手の動きを詳細に分析し、効率的な動きや怪我のリスクを減少させるための改善策を提案します。主にケガのリハビリなどで活躍します。
スポーツ賭博とファンタジースポーツ
AIは、試合の結果予測や選手のパフォーマンス分析にも使われています。これは、スポーツ賭博市場やファンタジースポーツのプレイヤーに対して、より精度の高い情報を提供します。
サッカーのようなチームスポーツは、リアルタイムで相手チームの戦術を生成AIが分析していく可能性があります。
さらに戦術は生成AIを駆使して作られるため、選手たちに求められる頭脳は今まで以上に高くなるでしょう。
自治体における生成AIの活用事例
自治体における生成AIの活用事例は、宮崎県日向市が有名です。
ソフトバンクと協力してChatGPTを利用し、庁舎内の業務効率化と市民サービスの向上を目指して日々改善が行われています。
参考記事:ソフトバンク初。自治体業務へのChatGPT活用に向け宮崎県日向市と共同研究へ
まだ日本では一部の自治体しか導入していませんが、どんどん日向市のような事例は増えていくことでしょう。
最終的には窓口での手続きも、今まで以上に簡易化されると考えられています。
日向市で成功すれば全国的に生成AIが普及すると思われるため、ぜひ成功してほしいですね!
海外における生成AIの活用事例
海外における生成AIの事例として紹介するのは、ニュースサイトに活用される事例です。
参考記事:米AP通信、オープンAIと提携 ニュースに生成AI活用を模索
利用方法としては、主にニュースの要約です。
誰が書いても変わらない企業の決算資料、スポーツ結果などをメインに使うという記述があります。
現時点では本格的な利用の前に、学習するためのデータを提供中のようです。
あとは懸念点であるハルシネーションの解決さえ見通しが立てば、本格的な導入がされていくでしょう。
画像における生成AIの活用事例
画像における生成AIは、日本のゲームメーカーである株式会社レベルファイブが、プロモーションムービーで利用していると明言しました。
参考資料:株式会社レベルファイブ 参考資料
まだ実験段階のようですが、タイトル画面で利用されるロゴやロボット、男の子のキャラクター像が資料に収められています。
既存のCG技術と遜色ないレベルのタッチで描かれているため、今後の発展が楽しみです。
ビジネス業界における生成AIの活用事例
ビジネス業界における生成AIの活用は、JPモルガンの事例があります。
参考記事:JPモルガン、生成AIで先行ー試験プロジェクトで規制当局と協力
未だテスト段階とのことですが、規制の厳しい銀行業界で採用が決まれば、追随する起業も出てくるでしょう。
主に使われるとしたら、投資関連のデータ解析や予測だと考えられます。
日本でもJPモルガンが採用したと話題になれば、追随する銀行や証券会社も出てくるでしょうね。
実際に生成AIを社内導入した4つの企業
生成AIを社内に導入している有名企業は4つあります。
コカ・コーラ
ホンダ&伊藤忠商事
株式会社かんぽ生命保険
日清食品ホールディングス
どのように使われているか、1つずつ見ていきましょう。
コカ・コーラ
コカ・コーラは2024年12月20日に画像生成AI「DALL-E」を利用して、クリスマスカードを作成できるサービスを公開しました。
2023年9月12日には、同じく画像生成AIの「Stable Diffusion」を利用して、「Coca‑Cola Y3000 Zero Sugar」という商品の発表も行っています。
コカ・コーラといえば、エンターテイメント業界に欠かせない企業の1つです。
画像生成AIのような最先端技術とエンターテイメント業界は相性が非常に良いため、今後も画像生成AI技術の発展と共に話題を提供してくれるに違いないでしょう。
本田技研工業と伊藤忠商事
本田技研工業と伊藤忠商事は、以前からMicrosoftが提供している生成AIを利用しています。
それぞれ分野は違いますが、生成AIを導入した決め手は「効率化」であることを挙げています。
日本が誇る企業が効率化を追求するとなれば、今後ますますAIが使える人と使えない人の差は広がっていく一方となりそうですね。
株式会社かんぽ生命保険
2023年10月16日付けで株式会社かんぽ生命保険も、企画業務の生産向上に向けて、生成AIの導入を進めることを決定しました。
プレスリリースの中を読み解くと、やはり生成AIによる業務効率化を主軸に置いているようです。
実際、資料作成はテンプレがあればAIにデータを読み込ませて作れるので、今までの何十倍ものスピードで量産できます。
さらにChatGPTのようにアイデアの壁内にも使えるため、想像以上の早さで仕事が進んでいくことになるでしょう。
日清食品ホールディングス
2023年4月25日よりカップヌードルやチキンラーメンでお馴染みの日清食品ホールディングスも、ChatGPT4を主軸にした生成AIの利用を開始しています。
日清食品ホールディングスの試算だと、生成AIによる業務時間の削減は年間で400時間を見込んでいるそうです。
参考記事:日清食品、自社開発の生成AIチャット「NISSIN AI-chat」をグループ4000人で利用開始
今後、ChatGPTの性能が上がると、年500時間、600時間と増えていくはずなので、多くの人がゆとりを持った働き方ができそうですね。
生成AIを導入するときの注意点
生成AIは便利な一方、無視できない注意点も存在します。生成AI運用の注意点を把握せずに導入すると思わぬ損害を被る可能性もゼロではないです。ここでは、生成AIを使用するときの注意点について解説します。
情報漏洩のリスク
生成AIを扱うリスクとして、まず挙げられるのが情報漏洩のリスクです。たとえばChatGPTの場合、入力した情報が今後のAI学習に利用されます。AIの精度をより向上させるために、利用したデータを学習情報として扱ってしまいます。
つまり、社内の機密情報を不用意に入力してしまうと、外部に流出する懸念があるということです。ChatGPTのデータの扱いの詳細は、OpenAI社のサイトをご覧ください。
参考記事:OpenAI社「How your data is used to improve model performance」
生成AIの情報漏洩を防ぐ方法も、いくつか存在します。ひとつはAPIという機能でAIを活用すること。別途料金や準備は必要ですが、情報漏洩を回避しやすくなります。ChatGPTであれば、オプトアウトという機能を有効化すれば入力情報を学習に使用することを拒否できます。
著作権などの権利侵害
生成AIの開発には、インターネット上に存在する学習データを活用しているケースが多いです。ChatGPTの例でいうと、モデルであるGPT3開発には45TBものインターネットデータが使用されています。ただ、この学習には権利に絡む問題が発生しており、海外では訴訟事例も発生しています。
参考記事:「ChatGPT」開発元が集団訴訟の標的に…「生成AI」はメディアやクリエイターの権利を侵害しているのか?
ChatGPTに限らず生成AIの中には、インターネット上の情報を無作為に学習しているものが多いです。意図せず権利侵害に抵触してしまうリスクもあるため、事前に社内AIのガバナンス体制などの備えを推奨します。
誤った情報の出力
生成AIの性能も万能ではありません。入力された指示に対し、不適切な回答を出力してしまうケースも発生します。多くみられるのが、誤った情報をさも正しいものとして扱うハルシネーションという現象。
使用する人間が正しく情報チェック(ファクトチェック)を行わなければ、世の中に誤った情報を発信してしまう事態も起こりえます。最悪の場合、生成AIの誤情報が原因でクレームや訴訟に繋がるかもしれません。
生成AIを扱う際は、必ず出力されたコンテンツに対して人間が事実確認と品質チェックを行う必要があります。
生成AI導入支援サービスの活用を推奨
社内に生成AIを導入する際は、AIに関する専門知識を有した支援サービスを活用することを推奨します。
AIの社内導入には検討すべき項目や注意事項が多く複雑。正直なところ、知識を持たない担当者や企業が無闇に導入しても、思うような成果を得ることは難しいでしょう。それどころか運用方法を間違え、損失を出す恐れもあります。
そうしたトラブルを回避するためにも、生成AI導入をプロに任せることは非常に有意義な選択です。知識がない状態で手探りで取り組むより、スピーディーに導入でき社内環境に合った形式へと調整することも可能。生成AI導入に伴うガバナンス体制(ルール作り)の相談もできるため、AI運用の失敗を回避しやすくなります。
社内へのAI導入を検討しよう!
生成AIにはリスクや検討すべき項目が多いですが、導入することでそれ以上のメリットを得ることも可能。運用が軌道に乗れば、社内全体の業務が効率化され社員の負担も軽減できるでしょう。
遅かれ早かれAIの導入は、今後のビジネス競争において必須となることが明白です。対応が遅くなれば競合他社に後れをとるかもしれません。逆に言えば、いまのうちに導入を進めておけば業界内で一歩リードできる可能性もあります。
今回の記事を参考に社内へのAI導入を検討してみてください。