あ、漏れるぅっ!!
電車に乗る前に少しお腹に違和感を感じたものの、時間が無いと思いそのまま電車に乗り込んだ。
乗車してから5分も経たないうちに、腹痛が襲ってきた。
油断した……。最初は軽い痛みだったので、大丈夫だと思った。
しかし、その考えが甘かった。
「あ、漏れる……」
という思いが頭をよぎる。いや、いけるかも……。
遅刻ギリギリになるけど、次の駅で一旦降りてトイレに行くか……。
いや、大丈夫そうだ。
そう自分に言い聞かせて、次の駅を見送った。
しかし、次の瞬間、またしても判断ミス……。
痛みが急激に増してきた。
「あ、漏れる……」
再びその考えが頭をよぎる。
しかし、必死に耐える。
だ、大丈夫だ。違うことを考えよう……。
満員電車でお腹が圧迫される中、気を紛らわそうとするが、効果は薄い。
次第に痛みが限界に近づいてくる。
「あ、だめだ」と思ったその時、いや、あと少しの辛抱。峠は越えた。
そう自分に言い聞かせる。
ようやく目的の駅が見えて来た。
よし、駅が見えて来た……。
と、突然電車が急停止した。
こ、故障!? 驚愕と絶望が交錯する。
そ、そんな!! もう、ダメだ……。
限界が近づく中、痛みがさらに増してくる。
「あ、漏れるぅっ!!」
という叫びが心の中で響く。
絶望感が頂点に達し、全身が冷や汗でびっしょりだ。
お腹の痛みはピークに達し、立っているのがやっとだ。
電車がようやく動き出すが、遅い。とても遅い。
目的の駅に着くまでの数分が永遠に感じられる。
何とか踏ん張り、耐え続ける。
もう少し、もう少しで解放される。
だが、全ての努力が無駄になる瞬間が近づいている。
駅に到着する瞬間、私は全力で扉に向かって突進する。
開いた扉から飛び出し、トイレに向かって全力疾走する。もう我慢の限界だ。
トイレの扉を開けると同時に、ようやく全て解放された。
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!