エロ映画館体験記

このブログでは、おじさんが喜ぶものを書いていきたいと思っている。すなわち、ビジネス、スポーツ、芸能、そしてエロである。要するに個人経営の夕刊紙ということになる。今のところちょっとエロが少ない気がするので、今回はエロ成分を足しておこう。

その昔、学校を出たばかりの自分は、東海地方のとある田舎に配属された。縁もゆかりも娯楽もない。平日は激務で忘れているが、休日になると何もやることがないことに気づく。当然悶々としてくるので、TSUTAYAのアダルトコーナーにお世話になったり、コンビニのエロ本を買い占めたりはしていたのだが、その夜はちょっとチャレンジしてみようと思い、車で1時間以上かかる繁華街に繰り出した。お目当ては、前から行ってみたいと思っていたエロ映画館だ。

そのエロ映画館は、当時ですでにボロかった。しかしそのボロさゆえに整っていない感じがあり、もしかしたらエロいお姉さんが客席でエロいことをしてるのではといえ期待があったのだ。おおっぴろげに繰り広げるなら、明るくきれいな都市空間ではなく暗く汚い場末の映画館なのだ。

案の定、館内は汚く薄暗かった。まずトイレに行ったのだが、ここも狭く汚い。ただでさえ狭く汚いのに、汚いおっさんたちが数人入ってくる。よくいえば風情がある。期待は高まる。

劇場に入った。観客はまばらで、その中でも比較的空いている、後方右側に座った。上映しているのは、ベーシックといえばベーシックな、普通に古めかしい成人映画。これで興奮するのは難しいかも。やはり客席のお姉さんに懸けるしかない。今のところ見当たらないが。

すると、自分の3つ隣の席におっさんが座った。もう少し深い時間になれば酔ったカップルが迷い込んできたりするかもしれないからもう少し粘ろう、そう思ったとき、おっさんは自分の真横に近づいてきた。空いてるのに?と、嫌な感じがするなと思ったのもつかのま、おっさんはヒザをなでなでしてきた。

恐怖だった。瞬時に立ち上がり、最後部の立ち見席に急いだ。エロ映画館にいたのは、壇蜜や橋本マナミではなく気持ち悪いおっさんであった。別の席に移ろうかとも思ったが、もうダメだった。この暗闇の前後左右どこからおっさんが現れるかわからない。もしここにいるおっさん達が同じ趣味で、チーム戦を仕掛けてこられたら勝ち目はない。

とっくに興奮は冷めているし映画の内容も頭に入らないので、入場から10分と経っていないが映画館を後にした。今思えば、あのトイレでもすでに狙われていたのかもしれない。痴漢に遭うのはこんな感じかもしれない。それ以後、TSUTAYAで痴漢ものを借りることはできなくなった。

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