私の転職体験記
少し古い話になるが、自分は転職を経験している。転職は学歴、スキル、業界、経験年数等によって千差万別だし、個社や部署によっても全然違うと思うので誰の参考にもならないとは思うが、自己満足のため記憶を呼び起こしてみよう。
まず、自分はある程度勤めて、中堅といえるような立場になってから転職活動を始めた。転職理由はシンプルに給料。会社全体の「平均年収」はそこそこだったのだが、例えば平均年収700万円の会社において、新卒から定年まで40年間ずっと700万円をもらえるわけではない、ということに気づいたのだ。何年か働いてみて、このままだと平均年収に到達するのに非常に時間がかかりそうだということが実感としてわかったのである。しかも財源の関係から、それまで平均的に到達できるとされていたポストに達しないまま定年を迎える人も散見されるようになっていた。自分の能力や成果に自信がないわけではなかったが、例外的に飛び級を認めてくれる雰囲気もなかったので、とりあえず他社の様子をみてみるかと思った。(ちなみに就職活動において「初任給」を評価する人もいるが、その後の昇給次第で抜かれることもザラなので、たかだか新卒1年目の瞬間最大風速ではなく面積、つまり生涯収入で測ることが重要だと思う)
いざ転職サイト(リクルートエージェント)に登録してみると、たくさんの求人が見つかった。エージェントとの最初の面談でいわれたように、とにかく片っ端からエントリーした。しかしまったく書類が通らない。書類というかスペックだ。志望動機や職務経歴書の書き方を反省したりしていたが、そんなもの読んでなくてたぶんほぼスペックしか見ていないのだろう。
だんだんやけくそになりながら、当初は選り好みしていたエントリーも、少しでも気になるものはどんどんエントリーした。断るのは後からでいい。結果、3社と面接することができた。
・・・しかし結果は第一志望、というか「唯一志望」の<3社目>が不合格!早くも持ち駒を失ってしまった。
ここから長く暗いトンネルに入り込むかと思ったが、その後運よく、<1社目>と<2社目>の内定をもらった。新卒時代には絶対入れなかった人気の<1社目>で激務に耐える覚悟とワクワク感が芽生えていたが、<2社目>で提示された年収が<1社目>には及ばないまでも十分に高かったため、ホワイトさとの兼ね合いであっさりそちらに入社することにした。年収で退職を決意し、年収で入社を決意したという、実にシンプルな話。
思うに、人手不足に悩む企業・業界は、人手が足りていないのではなく、単に給料不足なだけだと思う。