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観光化されていない本物の托鉢を求めて - ラオス・ルアンパバーンを歩いて

今回歩く街 ラオス・ルアンパバーン

2019/11/10作成 2019/11/20最終更新

ベトナム ハノイを経由してついに今回の目的地ルアンパバーンへ。
日本人にはあまり馴染みがありませんが、東南アジア最後の秘境として、実は世界中から絶大な評価を得ている街なのです。
今回はルアンパバーンを歩いて感じた魅力を紹介していきます。

ハノイの旅行記はコチラ→『世界有数のtraffic jamを渡って、僕は少しだけタフになる。ハノイ ベトナムを歩いて』
僕をルアンパバーンに誘った本を紹介した記事はコチラ→『【ひとり旅したい人へ】旅が僕に自分の思いを形にする方法を教えてくれた「ラオスにいったい何があるというんですか?」を読んで』

1.ルアンパバーンの基本情報

場所はココです。ハノイから飛行機で1時間ほど。

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日中は少し暑いですが、朝晩は結構冷え込みます。注意しましょう。

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コンセントのプラグはCタイプ
空港から市街は5kmほど。歩いていけます。
15日以内の滞在ならビザも不要です。

ルアンパバーンは大小70を超える寺院が密集していて、街全体が世界遺産に登録されています。

朝はこの街のシンボルとなっている托鉢に始まり、昼は寺院巡りや郊外のアクティビティ、夜は大規模なナイトマーケット…と観光客が1日中楽しめる魅力に溢れています。
海外の旅行サイトでは何度も最高賞に輝いているとか。日本人よりも外国人観光客が目につきます。

僕は宗教巡りをテーマに海外旅行をしています。

トルコに行ったらひたすらイスラム教寺院 : モスクを見学し。

インドではヒンドゥー教徒の聖地に訪れ、ガンジス川で沐浴したり。

だから、今回のルアンパバーンも非常に楽しみにしていました。時間の許す限りたくさんの寺院を見て回ろうと思います。

2.あんなに楽しみにしてたお寺、1日で飽きる(托鉢1日目)

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ハノイ発の飛行機でルアンパバーンへ。プロペラ機だった。
なかなか臨場感のある空の旅でした。
乱気流に入った時は「スペースマウンテンは暗闇をハイスピードで急旋回、急上昇、急降下、急停止する、スリリングで揺れの激しいジェットコースタータイプのアトラクションです」ってアナウンスが頭に浮かんできました。

なんとか無事にルアンパバーン着。

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毎晩やってるナイトマーケットを見て回りました。めっちゃ大規模。
ラオスはインフラが未発達なので、輸送コストがかかり、意外にも物価は高めです。生活品もタイより少し高いぐらい。

明日早朝から托鉢を見るので、この日はこれぐらいで就寝。

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5時起き。ドミトリーで同部屋の人たちを誘って托鉢を見に行きました。
托鉢とは僧の修行のひとつで、信者の家を周りご飯や生活品などの施しを受けると言うもの。
「え?修行なの?」と思うかも知れませんが、信者に徳を積ませる意味もあります。
ルアンパバーンは寺院の数も多く、世界でも他に類を見ない規模の托鉢が見れるので人気です。

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おぉ…。

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(↑Photos by hrtk0427

おぉ…。

でも…んん?なんかちょっと違くない?

よく見るとお供えをしているのは中国や欧米から来た観光客ばかり(托鉢用のご飯が観光客向けに売られている)。みんな写真撮影してるし。
動画をよく見ると、ご飯は道に沿って設置された籠に戻されています。

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路地裏では逆にお坊さんが人々にお米をあげている場面も見られました。

あとで聞くと、大通りの托鉢は観光化していて、信者は路地裏でひっそりやるか直接お寺に必要なものを供えに行くのだとか。
お坊さんにお米をもらっていたのはラオ族(ラオスの主要民族)意外の貧しい民族の人たちで、その人たちにお米をあげることがお坊さんの徳に繋がるそう。

面白いけど、本当に見たいのは…これじゃないなぁ。
翌日以降のリベンジを心に決めました。

それ以降は朝市に寄ったり。

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(↑見応えのある市場だった。おかゆ美味しい)

ホステルのメンバーとモーターバイクをレンタルして有名(らしい)な滝に行ってきました。

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(↑托鉢の写真も撮ってくれたヒロさんから。こう言うのを見せられるとカメラ欲しくなる)

当初行く予定のなかったこの滝。
最初っから「寺見に行く」と言うテーマを無視しましたが、旅の出会いを大切にして、予期せぬ絶景に出会うことができました。

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(↑ベトナムでは乗らなかったモーターバイクを2人乗りして、運転もして。こう言うの良いよね)

そして、午後は待望の寺院巡り。
お寺は密集しているので、半日で20弱のお寺を巡りました。

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(↑ルアンパバーンのもうひとつのシンボル : ワット・シェントーン。湾曲した屋根が特徴のルアンパバーン様式。仏画だけでなくガネーシャやナーガなどヒンドゥー教起源の神もたくさん見られた)

なんかどのお寺行っても構成が同じだなぁ…。と思いながらも、周辺の寺院はほぼ全て回りました。

夜はホステルのメンバーと街に出て、焼き鳥食べたりしました。

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(↑ホステルの目の前の焼き鳥屋。滞在中に何度も行った。ハノイもここもビールが安くて最高だったなぁ)

3.ラオスの屋台でだいきのお腹、死す(托鉢2日目)

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またしても5時起き。

昨日ホステルの人に「どこに行けば本物の托鉢が見れますか?」と聞いたら。
「悪いけど教えることはできない。今、托鉢は観光客に追いやられて場所を変えながらやっているからね。もし見たいのなら自分で探して。そして、もし見つけても他人に教えちゃダメだよ」と言われ、観光地化の悪い側面を見た気がしました。

そんな訳で、この日は昨日借りたモーターバイクで市内を大捜索。本物の托鉢を求めて…。
そこで恐れていた事態が起きます。

あれぇ…? なんか…お腹痛いかも。

この時期のラオス、昼間は30℃前後まで行きますが、朝晩は肌寒い程。バイクに乗ってお腹が冷えてしまいました。

一度疑惑が過ぎると、昨日誰もいない様な食堂で食べた炒飯や、屋台で食べた焼き鳥…どんどん心当たりが浮かんできます。海外でお腹を壊すと非常に面倒だから避けたかったのに。
しかしもう限界です。

なので、民家にお邪魔してトイレ貸してもらいました。
早朝から。ラオスの人優しすぎ。

トイレ行ったら腹痛治りました。食あたりではないようです。

その後、市民がやっている本物の托鉢に出会うことができました。
写真や動画をお見せすることは、約束なのでできませんが(見たい人は直接言ってね)。
ご飯だけでなく色々なものをお供えして、最後にはお坊さんがお経も唱えていました。みんなで祈りを捧げる、非常に良い空間でした。

この日は1日予定がなかったので、またお寺巡りをしようと外に出ました。
しかし、足が進みません。

いや、さすがに飽きたって…。

だってどのお寺行っても全く同じなんですよ?
比較的最近の16世紀に仏教が伝来して、わりと一斉に作ったかららしいのですが、本当に規模以外に大した違いがありません。

いくらお寺が好きだって、同じもの何回も見せられたら飽きるじゃないですか。
いくらTHE虎舞竜のロードが好きだって、同じような曲を第13章まで13曲も聴かされたら飽きるじゃないですか。

分かったよ!何でもようなことが幸せなんだろ!

…そうか。何でもないようなことが幸せなのか。

と言う訳で、今日はお寺でだらだらする1日にしました。
昨日訪れたお寺や初めて行くお寺、それらをゆっくりと回る。
時には犬や猫と木陰で休みながらじっくり本を読んで過ごす。

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(↑ひとり旅の記事もこの日書きました)

夕方になれば僧侶が庭を掃除する箒の音や、ちびっこ僧侶のじゃれ合う声が聞こえる。
日常の喧騒から離れて、ひたすらのんびりした時間を過ごしました。

そしてメコン川に沈む夕日を眺め。

(↑ホステルで一緒だったそうさんにタイムラプスで撮ったものを送ってもらいました)

夜はまた焼き鳥食べて過ごしました。

4.パスポート忘れて空港まで10kmガチダッシュ(托鉢3日目)

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今日は昨日見つけた市民の托鉢に混ぜてもらいました。

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お供えする餅米を買って、市民の方の許可を得て参加しました。
ほんの真似事かも知れませんが、非常に心穏やかになれます。何事もやっていくうちに本物になると、どの宗教でも言われていますしね。
お経も唱えてもらいました。

その後は荷造りしてホステルでゆっくり。
昼前の飛行機でバンコクに行くため早めの出発です。

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5km程の道のりなので歩いて向かいました。

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途中こんな橋をビクビクしながら渡っていたら、向こうからランニングしてくる地元のおじちゃんがきました。落ちたらメコン川なのに、地元の人は流石です。

のんびり2.5kmほど歩いたところで事態が急展開。スマホを見たら…。

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…??…??!

二度見しました。ホステルのチェックイン時にパスポートを預けたまま、返ってきていなかったのです。

走ってホステルに戻り、パスポートを回収。
「送っていってあげようか」とホステルのオーナーに言われましたが、時間的にまだ余裕があったので走って空港へ行くことにしました。

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俺の中の仙道もこんな感じ。

しかし、走り出して数分後、足が止まってしまいました。
それもそのはず。
・既にこれまで60km以上歩行。
・托鉢のために毎朝5時起き。
・毎晩ビールを浴び、前日はおじさんにAlc.50%のウォッカを遅くまでご馳走になり4時間睡眠。
・背負う荷物は6kg。
・30℃を越す東南アジアの気候。
・空港への道は登り坂。
悪い要素が重なり、時間的に怪しくなってきました。

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俺の中の仙道もこの有様。
俺の中の牧は「やつはまだ(社会人)2年なんだ。(なんたるリスクマネジメントの拙さ…)」と言ってきます。

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焦りから、行きは尻込みした橋をダッシュで渡る羽目に。

力を振り絞って10kmガチダッシュ。その甲斐あってチェックインに間に合い、バンコクへと向かうのでした。

5.ルアンパバーンを振り返って

この街には何もありませんでした。
宗教芸人の僕ですらそう思うのですから、他の人なら尚更でしょう。
何日も滞在してる人たちは、やることもなくみんなだらだらしてました。そのお陰で、街全体に非常にゆったりした時間が流れます(課金すれば像乗りやクルージングなどできます)。

村上春樹の紀行文『ラオスにいったい何があるというんですか?』で憧れた風景が、そこにはありました。

訪れた寺院には沢山の仏像や宗教画があって、本によると街行く人々は皆そこに描かれた物語を知っていて、聞けば語ってくれるのだそうです。

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(↑この絵ひとつひとつに、物語があるのだそう)

残念ながら僕は英語もラオ語も扱えないので、現地の人とゆっくり話せませんでした。
でも、托鉢を通して宗教が人々の生活にしっかり根付いている様子を見ることができました。

宗教を感じ、
旅先での出会いを楽しみ、
ひとりでゆっくり考える時間も持てて、
…短い滞在でしたが充実した旅になりました。

次回

バンコク市内を20km走って、8時間でインスタ映えスポット制覇の旅!

脚が死にました。お楽しみに!

2019/11/17作成
バンコクの記事はコチラ→『【インスタグラマー必見】8時間でバンコクのインスタ映えスポットを巡る方法

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今回歩いた街

ラオス・ルアンパバーン郡

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だいきです。 サポートしてくれたら嬉しいことこの上ないです。 もっと頑張れます!